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こんな場所でどうやって生きろというの?

あなたを好きで心底愛して
こんなに切ないものなんだって声を殺して泣きました

* * *

”aiko全曲サブスク配信解禁”
寝起きで開くネットニュースで飛び込んでくる見出し。
「おー!」と思ったのは、私だけではないに違いない。

* * *

1999年から、時代はaikoだった。

同時期に人気のあった浜崎あゆみは
「輝きだした自分らを止められるヤツなんておれへんで!」
と、自信と希望に満ちあふれているし



宇多田ヒカルに至っては
こんなに”会いたい”がはびこるJ-POP界で
「別に会う必要はない」と衝撃の潔さである。

強がりだと後の展開でわかるが、かっこいい。


aikoはまた色が違っていて、普通の女の子の、何気ない日常を描いた歌が多かった。
特別ではなく誰にでもある日々のきらめきを見つけ出して、こっそり宝箱に入れるような。
自分と重ねやすいからか、女の子から絶大な人気があった。
そして手が届きそうな身近な感覚をおぼえるのか、男の子からも人気だった。

* * *

「かわいー!」

男女混合でカラオケに行った時のこと。
aikoを歌う女の子にむかって、あがる歓声。
彼女が歌うaikoは本当にかわいかったし、彼女自身のことを歌ってるのでは?と思わせるくらい、雰囲気に合っていた。
aiko自身がそうであると感じるのだけど、彼女たちは自分の魅力ポイントがよくわかっていて、そこのアピールが上手だ。

「のびつまも歌いなよ」と声をかけられる。
しかし、私の気は重い。
人前で歌うのは得意じゃないけど、歌うこと自体は好きだ。歌わずにいて、場の空気も乱したくない。
だから歌おうと思うけど、乱したくないからこそ困っている。


その時代に流行っていて、私が歌って褒められるのは”鬼束ちひろ”だったのだ。



大人数のわいわいカラオケでゴッドチャイルドする勇気はない。
きっと空気が pressed meしちゃう。
みんなが無言でblamed meするのが見える。
恐れしかない空気だ。


How do I live on such a field?とはまさにこのこと。
aikoとの落差がえげつない。
歌っても歌わなくても空気を乱すなんて…
どこにも居場所なんてない。

結局、当たりさわりのない倉木麻衣あたりの曲を歌ってしのいだ気がする。
そしてその後は、aikoソングの彼女の盛り上げ役に徹した。

時代はaikoだったのだ。

* * *

そういいながら、私自身もaikoの歌を自分に重ねたことが何度かある。
記事の最初に書いた一文は”愛の病”という歌の一節で、
やたらこればかり聴いていた時期があった。


更に高校生の時につけていた日記に
「aikoの”桃色”のような気持ち」と書いたことがあるとさっき思い出した。
お花畑か。
受験勉強をさぼって妄想しながら書いてるって知ってるぞ、しっかりしろ。
乙女ンタルな過去の自分をなんとかかわいいと思おうと、今必死だ。

でも、みんなあるよね?
億千の星の中で、一番光るパスタ作るお前を想うことあったよね?
ありのままの自分で「少しも寒くないわ」ってドアをバンッと閉めることあったよね?
君の運命のヒトは自分じゃないって、辛いけど否めないこともあったよね?


そう、みんなきっと歌詞に自分を重ねることがある。
切なくしたり、笑顔にしたり、記憶をよみがえらせたり、未来への希望になったり。
ゴッドチャイルドだって、シンプルにかっこいいぞ。
それぞれの歌が持つ素敵な力を、改めて実感する今日だ。

お読みいただきありがとうございました!
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