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いつの時代もかっこいい生き様は決まってる〜村上海賊の娘〜


こんにちは!!

なんか久しぶりな気がします。

最近は、毎日ギターしています。やっとちょっとできるようになって、毎日楽しいです。できないことができるようになるのは、やっぱりどんなことでも嬉しいものですね。


近況報告はここまでにして、本題に入ります。


今回も読んだ小説をもとに感じたことをテーマにして、話していきたいと思います。

今回読んだのは

「村上海賊の娘」 和田竜

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はじめに

2014年の本屋大賞作品ですね。本屋大賞というのは、全国の書店員さんにこの1年間で面白かった本を募り、上位10作を選出し、それに順位をつけていくのですが、この作品は2014年にそれの大賞、つまり、1位を取った作品です。

文学賞で有名なのは、芥川賞や直木賞ですが、一般人の書店員が選ぶ本屋大賞の方が大衆に好まれやすい作品が多い印象です。


内容として、タイトルからもわかる人もいると思いますが、時代小説です。戦国時代のある1部の部分を切り取り、そこを濃密に実際に残された文献なども用いながら、物語が進行していきます。

この物語で色濃く出るのは、その時代を生きる人々の生き様、死に様です。戦を強いられる人々がなぜ戦い、どういう風に生き、死ぬのかがよくわかります。

そこで今日のテーマは

生き様・死に様」で行きたいと思います。

では、導入が長くなりましたが、あらすじから入っていきたいと思います。


あらすじ


戦国時代、信長VS大阪本願寺を舞台にその時代を生きる人々を描く。

主人公は村上海賊の娘、景。

村上海賊とは、当時の日本の瀬戸内海周辺を牛耳っていた海賊で、その海賊のリーダーであった村上武吉は海賊王と言われていた。

武吉の娘が景。

景は女ながら、父の血を色濃く継ぎ、血気盛んで、戦に出ることを待ち望んでいた。

そんなある日、武吉のもとに毛利家の小早川隆景の遣いがやってくる。

内容は大坂本願寺を攻め落とそうとしている信長軍に対して、大阪本願寺を助けるために兵糧を運ぶのを手伝ってほしいということだった。

大坂本願寺は毛利家とは、関係はないが、これ以上信長の侵攻を許すと、次に狙われるのは自分たちだと悟り、動いたものであった。

兵糧運ぶには、戦は避けて通れない。


壮絶な陸海の戦いが幕を開ける


かっこいい生き様・死に様


村上春樹の小説の名言に

大事なのは死に方。だけど、死に方を決めるのは生き方なんだろう

表現は変わっているかもしれないが、そんなことが書いてあった。


この意見にはとても賛成なのだが、

今の時代では生き方も死に方も自由だ。

たぶん、自由すぎるんだと思う。

死にたくないけど、生きられない。そう言って、自殺する。

そういう人が今の安全が確保された便利で何でもできる時代を生きる人には多すぎる。

自殺がいい生き様・死に様なはずはない。

少なくても僕はそう思う。


そんな中、この小説の時代の人はどうだったのか。

この時代の人の生き様、死に様はシンプルで簡単なものだった。


自分以外の何かのために生き、そして、死ぬ


こういう生き方、死に方が圧倒的な正解だったと感じる。


この物語で言うなら、武士や海賊はこれまで受け継がれてきた自分の一族の存続のために戦った。大坂本願寺で戦う門徒は極楽浄土へ送ってくれることの感謝をこめて、その恩に報いるために戦っている。


とくに印象的な場面がある。

村上海賊の鬼手という戦法だ


これは、戦において女を戦場に出向かせることだった。

女がいることで、兵士が死兵に化けるのだ。


男のプライドにかけて、絶対に死なせてはいけない。

死なせたら海賊の恥だ。

死んでも守る。

こういった想いが兵士から死ぬまで戦い続ける死兵へと変わる。


これらは自分のためではない。自分以外の何か、大切なもののために命を懸けられ、非情にもなれ、死ぬことの恐怖さえなくし、戦えたのだ。

この鬼手で守りたかったのは、男や海賊のプライドであり、それは男として、海賊として生きてきた兵士たちにとって自分の命より大切なものだったのだ。


時代が変わり、戦なんて無くなって、命を懸ける場所も理由もなくなり、人はどういう風に生きればいいのか、どういう風に死ねばいいのか、わからなくなった。


でも、本質は変わらないんじゃないかと思ったりもしている。


自分以外の何かのために生き、そして、死ぬ


これは現在で成功しているスポーツ選手や起業家など、多くの成功者に通ずる哲学だと思うから。


おわりに


愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

こういう言葉があるが、時代小説はそういう意味ではとてもいい教科書だと思う。


結局、人間が生きる上での根源的なものは何も変わらない。


かっこいい生き様はいつの時代も1つ。


自分以外のために生き、そして、死ぬこと


たぶんそれは自分の心さえも満たし、自分の幸せにつながっている。


今回使った画像はそれをとてもよく体現していたマンガのキャラクターにしました。

最後にそのキャラの名言で締めたいと思います。

どれだけ己の弱さや不甲斐なさに打ちのめされようと、心を燃やせ。葉を前を向け。君が足を止めて蹲っても時間の流れは止まってくれない。共に寄り添ってはくれない               鬼滅の刃の煉獄杏寿郎


最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。


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