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最高の休息方法

健常者でもそうですが、いくら寝ても疲れが取れない、集中力が続かないなど、疲労が蓄積している感覚に陥ることが多いと思います。

これは、身体が疲労を起こしているのではなく、ひょっとすると脳が疲労を起こしているのかもしれません。

はじめに

片麻痺患者は、脳神経細胞の死滅により、もともと使っていた神経回路が途絶えた結果、運動障害や感覚障害が生じます。しかし、脳はただ身体表象の為に機能しているので無く、環境から入力される情報(視覚/聴覚/体性)を必要なものだけ選別したり、会話の中で昔の体験を思い出しそれを分かりやすく分解して人に伝えたり、電車で人とぶつかりイライラしたいと、生きていく中で止まりなく情報を処理しているのが脳です。

考えてください。いつも使っていた神経回路が使えなくなり、いままで使っていなかった迂回ルートを使うとなると、脳の疲労は健常者と比較してどうなるでしょうか。

答えは、発症前と比べると2倍のエネルギーを必要になるそうです(身体も含めて)。

片麻痺は、脳の病気であり、脳を使わなければ機能は改善しません。
しかし、その脳が疲れた状態では、よくなるものも良くなりません。
ここでは、脳をしっかり休める為にはどうすればいいか、その手段を紹介させて頂きます。

何もしていない時でも疲れる?

脳は身体の2%ほどの大きさしかありません。
それにも関わらず、身体が消費する全エネルギーの20%も使用すると言われています。
しかも、脳は「何もしなくても勝手に疲れる」そうです。衝撃です…
まだ驚くのは早いです。
脳の全エネルギー消費の60~80%を締めているのがこの「何もしていなくても勝手に疲れる」だそうです。衝撃です…

では、いかにして脳を休息させればいいのか。
最高の休息方法』と『エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション』を引用しながら、休息方法を紹介させて頂きます。

マインドフルネス呼吸法

脳卒中の方のうつ病は珍しくなく、将来の不安に毎日が押しつぶされそうになると思います。ここでは、現在に意識を向ける事で、その不安による脳へのストレスを軽減させる方法を説明します。

〇方法
1.椅子などに座り、基本姿勢を取り、目を閉じる。
2.感覚に意識する。足裏から太もも、お尻、掌の感覚に意識を向ける。
3.呼吸を意識する。鼻と口での呼吸、胸の動き、吸う時と吐くときの温度など
4.雑念が出ても自分を責めない。雑念が出てきて当然。

ポイントは「毎日、同じ時間、同じ場所で行うこと」です。1日5分でも10分でも続けることが大事です。
脳は習慣によって変化しやすいです。未来への不安を減らす為には、いまに意識を向ける事が、脳の疲労回復に役立ちます。

②ブリージングスペース

ストレスで体調がすぐれない時は、ブリージングスペースを行うといいです。麻痺側が上手く動かないことに、もどかしさを感じ、上手くいかないことにストレスを感じると思います。

やることは3つだけです。

○方法
1.ストレスの原因をしっかりとらえる。先ほどのマイルドフルネス呼吸法を用いながら、イライラしている、ストレスに感じている原因を考える。
2.呼吸に意識を集中する。
3.体全体に意識を広げる。イメージは身体が全体的に呼吸をしている感じ。

RAIN(レイン)

怒りや衝動に流されそうなときは、RAINを行ってみましょう。
この方法は、自分が怒りを感じる事実をありのまま受け入れる事です。

〇方法
1.自分が怒り/イライラしていることを認識。怒りと、怒っている自分を一緒にしないことを意識する。
2.怒り/イライラしている自分をそのまま受け入れる。
3.怒り/イライラしている原因を検証する。
4.怒り/イライラを他人事のように考える(検証)。

おわりに

脳卒中の方の70%に、重篤な疲労が生じると報告があります。
脳卒中後の疲労は機能低下を悪化させ、負の連鎖を生み出します。
疲労が強ければ強いほど、心肺機能や筋力強化に対して運動を費やす事が減り、そこから機能が徐々に低下することが予測されます。

上記の方法以外にも、疲労を回復する為に以下にまとめます。

・エクササイズ
・筋力をつける
・心肺機能を高める
・服薬の見直し
・適切な栄養補給(加工炭酸水化物を含む食物を減らし、新鮮な果物、野菜、脂肪分の少ない肉などの)
・充分な水分確保 

ぜひ、活用して頂ければ幸いです。

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