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"Trouble is my business" ブクログ https://booklog.jp/users/notorioustoda

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[随時更新] 外食企業関連~市場調査等レポート類

[2020/08/06更新] 自分への備忘録を兼ねて、公開されているレポート類をまとめておきます。 業界動向・調査レポート類2020/08/04公表:生活衛生関係営業の新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査結果~日本政策金融公庫 *pdf サマリー) (コロナ後の業種別の資金調達額や調達先などの、生々しい様子がうかがえます) 2020/08/04公表:新型コロナウイルスが外食・娯楽・旅行関連消費に与えた影響と回復策~野村総合研究所 サマリー) (p.32以降の

    • 高坂正堯『国際政治』(中公新書):極私的読後感(42)

      高坂正堯さんの「国際政治」を久しぶりに再読。私が国際政治学とか学んだ30年以上前には"国際政治学は「学」になってない"とか"国際政治に教科書は無い。内外の新聞から読み解くのだ"という時代だったが、この本は別格だった。 冒頭の引用は、初めて読んだ時には正直ピンとこなかった。というのは、私が大学にいた1987年4月から1991年3月という時期は、 ・1989年6月 天安門事件 ・1989年10月 ハンガリーが社会主義体制を放棄 ・1989年11月 ベルリンの壁の通行自由化、チェ

      • 上場外食7月度月次推移(5カテゴリー17社)

        ・ 出典は全て各社月次売上速報公表値を筆者が作表 ・ 対比は既存店の売上・客数・客単価のみ ※ コロナ禍の影響で月次数値が大きく振れており、グラフの縦軸100.0(%)の位置が必ずしも上下の中央には無いグラフがあります ※ 各社とも大体7営業日メドの開示となっており、かつ”速報値”として開示している為に、前月の数値が修正(変更)されていることがある点をご容赦願いたい ・ ここで既存店のみ比較するのは、カテゴリー毎に比較する上で、各社/業態の商品政策(商品≒客単価、パブリシティ

        • スパイクマン地政学「世界政治と米国の戦略」:極私的読後感(41)

          ニコラス・スパイクマン、という名前を知っている人は、なんとなくバックグラウンドがわかる。一般の知名度は低いが、知ってる人は、よく知っているという、アメリカの地政学者だ。一体どういう人なんだろう? スパイクマンは、1941年12月31日アメリカの地理学会の年次総会に参加した折に、『アメリカは戦後になったら日本と組まなければらない』と発言して大問題になったという。 真珠湾攻撃を受けてわずか3週間後という、アメリカ中が「日本憎し!」で沸き返っている時期であり、その敵と組め!と言

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        [随時更新] 外食企業関連~市場調査等レポート類

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        • 極私的読後感
          42本
        • 外食関連データ&雑文
          11本
        • 外食企業列伝
          2本

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          2600年前の耳の痛いお言葉

           諸君はつねづね、話を目で眺め、事実を耳で聞くという悪弊をつちかってきた。  口達者な連中が、かくかくの事件が生じうる言えば、 そのとおりかと思ってそれに目を奪われる。  だが事が起こった後になっても、 事実をおのれの目で見ても信じようとせず、 器用な解説者の言葉にたよって耳から信じようとする。 トゥキュディデス「戦史」より ※「戦史」は、紀元前431年から404年の間に起こったペロポネソス戦争に従軍した将軍トゥキュディデスが書き残した記録である

          2600年前の耳の痛いお言葉

          1944年に米国OSS(戦略諜報局=CIAの前身)が作成した「内部かく乱マニュアル」

          下の抄訳は、自国が敵国に占領された場合や被占領地におけるレジスタンス活動を想定したマニュアル(Simple Sabotage Field Manual)の一部です。 (CIAの公式ホームページ内にpdfで原本が公開されている) ここに書かれていることが、いわゆる「正論」で、その「正論」を押し通すことが、組織において「内部かく乱」を引き起こすところが皮肉で興味深い。これ、国会で野党がやっていることと同じですね。ご参考まで。 (1) Insist on doing ever

          1944年に米国OSS(戦略諜報局=CIAの前身)が作成した「内部かく乱マニュアル」

          多店舗化の阻害要因を陸戦の原則で解題してみる

           すでに外食はコロナ禍の打撃で出店どころの話ではない状況で、むしろ多くのプレイヤーが撤退戦を行っている最中である。  しかし、一方で異なる領域/市場への展開を進めているプレイヤーもおり、当然収益を得るために、形態は違えども「出店」をすすめることになる。  ここで老婆心ながら、出店、ひいては多店舗化について、私が過去に経験してきたことを、陸上戦闘の原則として知られる5つの原則になぞらえて、その阻害要因を解題してみる。  特に深い意図は無いが、ゴーストキッチンなどを展開するにして

          多店舗化の阻害要因を陸戦の原則で解題してみる

          私たちはどこまで資本主義に従うのか:極私的読後感(40)

          ミンツバーグ先生の本については、既にこのnoteでも読後感を取り上げたことがあり、かつ他にも数冊の著作(「マネジャーの実像」、「MBAが会社を滅ぼす」、「戦略サファリ」など)が手元にあるのだが、本書はそれらとは趣きの異なる本である。 この本は、いわば今の資本主義をベースにした社会システムなどに対して、警鐘を鳴らす為に書かれたものだ。 それは日本語の副題(市場経済には「第3の柱」が必要である)にある通り、従来の「政府(セクター)」と「企業(セクター)」という”2本の柱(二元

          私たちはどこまで資本主義に従うのか:極私的読後感(40)

          イェイツ「再生」を思い返すなど

          一時期、ロバート・B・パーカーの「スペンサーシリーズ」を愛読していたのだが、そのシリーズの中で『拡がる環 (The Widening Gyre)』という作品があった。 この作品の題名の由来、それが、アイルランドの詩人ウィリアム・バトラー・イェイツの詩、「再生* (The Second Coming)」の冒頭にある『めぐりめぐって環は拡がり、鷹は鷹匠の声が聞こえない、世は崩れ去り、中心は保たれない。』というフレーズからきており、また作品中で印象的に使われていたので、イェイツの

          イェイツ「再生」を思い返すなど

          雑文)話題の”増田”投稿に思ったこと

          昨日(7/14)の「はてな匿名ダイアリー(通称”増田”)」に、『観光に携わる業界からの遺言』という投稿があり、SNS上で話題になっている(少なくとも私の見ている中では、かもしれないが)。 匿名投稿なので真偽の程は定かではないが、少なくとも私には”遺書”と題するに相応しい中身、そして筆致だった。故に、以下は私が個人的に、この投稿が真実であるという前提で思ったことをつらつらと順不同に書いておく。 ● ”観光に携わる業界”の中で、壊滅的(というか壊滅)になるのは、実際に宿の玄関

          雑文)話題の”増田”投稿に思ったこと

          民主主義の本質と価値(ケルゼン):極私的読後感(39)

          この本は、昔は「デモクラシーの本質と価値」という名前で出版されており、法哲学とかそのあたりの授業での参考図書として推奨されて読んだ記憶がある。 著者のハンス・ケルゼン(Hans Kelsen)は、あまり(というかほぼ)一般には知られないオーストリアの法学者であるが、個人的に”民主主義とはなんぞや?”というような漠然とした問い(迷いも)について、ふと記憶に蘇って落手したのが、この本である。 30年近く前の大学時代の記憶などゼロに等しいのであるが、改めて読んでみると、改訳され

          民主主義の本質と価値(ケルゼン):極私的読後感(39)

          『数字は嘘をつかないが、嘘が数字をつくる。』 新庄健吉 日米開戦当時の陸軍主計大佐 ※日米の戦力比を正確に算定して日米開戦に最後まで反対した軍人

          『数字は嘘をつかないが、嘘が数字をつくる。』 新庄健吉 日米開戦当時の陸軍主計大佐 ※日米の戦力比を正確に算定して日米開戦に最後まで反対した軍人

          上場外食6月度月次推移(5カテゴリー17社)

          ・ 出典は全て各社月次売上速報公表値を筆者が作表 ・ 対比は既存店の売上・客数・客単価のみ ※ コロナ禍の影響で月次数値が大きく振れており、グラフの縦軸100.0(%)の位置が必ずしも上下の中央には無いグラフがあります ※ 各社とも大体7営業日メドの開示となっており、かつ”速報値”として開示している為に、前月の数値が修正(変更)されていることがある点をご容赦願いたい ・ ここで既存店のみ比較するのは、カテゴリー毎に比較する上で、各社/業態の商品政策(商品≒客単価、パブリシティ

          上場外食6月度月次推移(5カテゴリー17社)

          メモ)月次数値未開示:かっぱ寿司、CoCo壱番屋、吉野家、マック、KFC、モス、幸楽苑、力の源 ・おそらく7/6(月)の開示 ・くらは売上のみ速報値開示はいつもの通り (それ以外はデータ反映済)

          メモ)月次数値未開示:かっぱ寿司、CoCo壱番屋、吉野家、マック、KFC、モス、幸楽苑、力の源 ・おそらく7/6(月)の開示 ・くらは売上のみ速報値開示はいつもの通り (それ以外はデータ反映済)

          幸福な監視国家・中国:極私的読後感(38)

          本書は昨年(2019年)の8月に刊行されてから、大変話題になり、かつ其の後起きたコロナ禍への中国の対応/管理手法の一つとして個人情報を国が使って監視したことから、さらに注目された本だ。 これについては否定的な視点はありつつも、実は昨今(特にコロナ禍以降)の日本においても、このような手法を肯定的に捉える風潮が強まり始めていることは、政治を司るもののみならず、国民の側にもメリットがあるわけであって、その点を、中国ではどのように捉えられているのか?ということを理解しなければ、この

          幸福な監視国家・中国:極私的読後感(38)

          変わる風景と、変わらぬ味

          上に挙げた写真は、スターリンの検閲前(上)と修正後(下)である。これは、後に”良からぬ(粛清対象)”人とスターリンが写っていることを”快く思わない”人が修正したわけだ。 この写真を挙げたのは、多くの人にとって、歴史は自分に都合の良い部分のみが”事実”であり、それ以外は”欺瞞”や”嘘”だ、ということの”意地の悪い暗喩(metaphor:メタファー)”の為である。 コロナ後の「新しい生活様式」が示された後、多くの飲食店が弁当・テイクアウト販売・デリバリーに取り組み、客席数も半

          変わる風景と、変わらぬ味