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リモートワーク歴20年以上の米国企業から学ぶ、組織コミュニケーション30の方法【Withコロナの生存戦略】

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緊急事態宣言2日目、急激なリモートワークシフトを行った方々は、きっとテレビ会議の嵐で気づいたら一日が終わってる・・・なんて状況、ありませんか?

「あれ、私の今日の生産性低すぎ...?」と気づき始める頃かと思い、重い腰を上げ、noteを書きました!

私の所属するoverflowでは、創業以来社員ゼロ人、リモートワーカー150人以上の体制で組織が運営されてきました。私含め、チームの誰もが実際には会ったことのない人が90%を越えています。

そんな中、弊社代表の鈴木が「リモート組織2.0」と題してリモートワークの全体像を俯瞰でお届けしていますが、今回お届けするのはその中で言う「STEP2 ソフト面の整備」の文脈のお話です。

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リモート/テレワーク歴20年以上の米国企業「Basecamp」

日本を含め、世界中の企業・個人が急速にテレワークへのシフトを行う中、どこよりも早い段階で「完全リモートワーク」の組織として成長を続けているのが「Basecamp」という会社です。

* 創業は1999年、4人の若者によってシカゴにて創業
* 現在、世界中の32の都市に広がる約50人規模の会社
* Rubyのフレームワークとして有名な「Ruby on Rails」は、実はこの企業から誕生した
* 創業以来、増収増益の優良SaaS
* 会社は自己資金で運営されており、投資の連絡は全て断っている
* 唯一出資を受け入れたのは、Amazon創業者のJeff Besosからの個人出資

などなど、ほかにも魅力的なポイントがあるのですが、今回一番お伝えしたいのが、この企業が掲げている「コミュニケーション・ガイドライン」です

昨日緊急事態宣言が出たこともあり、猫も杓子も「リモートワーク」「テレワーク」という状態ですが、あくまでもそれは一つの連絡手段であって、大きな意味での「コミュニケーション」という枠の中に収まる行為です。

そんな中、三者三様の独自スタイルで「あり方」を模索するのも手ですが、一番経験則の詰まっている会社から学び、その後自社に合った独自の形を模索するのが最短ルートではないかと思い、今回はその一部をご紹介することにしました。

リモートを20年以上続けている彼らだからこそ見える「課題」や「つまずきどころ」がまとまっていて、どのような形のコミュニケーションが最適なのかなど、そのベストプラクティスがギュギュッと詰まっています。

もちろん業種や事業内容によって合わない部分もあると思いますが、本質的な「コミュニケーションの方法」については、どの領域の企業でも適応できる要素が多いはずです。

30点を追うのは結構たいへんなので、まとめました

実際めちゃくちゃ学びになるのですが、きっとあなたも私と同じ怠惰な生き物なので「要点だけまとめてくれ😩」と思うはず。ということで、キーとなるポイントだけをまとめましたので、社内外への共有としてDLしてご活用ください。(右クリックで画像を保存する)

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と、まとめ終わって気づいたのですが、Basecampの創業者がいい感じのツイートをしてくれていました。

Zoomに替わる通信手段は、バーチャル会議の数を減らし、整理されたドキュメントを書くことです。それはバーチャル会議を置き換えるものではありませんが、もし今のあなたのリモートワークの1日の流れが、Zoom会議と休憩の連続である場合、おそらくなにかが間違ってます。

「Zoom会議はめっちゃ増えたけど、結局これで私の仕事は進捗してるのか・・・」とお悩みのあなた、マネジメントの必読書として有名なアンディーグローブのHigh Output Managementでも、以下のように言ってます。

ピーター・ドラッカーは、時間の25%以上を会議で過ごすようなら、それは組織不全の兆候だと言っている。私ならこう言いたい。

「組織不全の真の兆候は、人が25%以上の時間を、臨時に開かれる意思決定が目的のミーティングで過ごすときに現れる」と。

ぜひ下記内容を上司やチームと話し合って、「あなたの組織における最適解」を見出してみてください。(それが難しい場合は、私までDMください。いつでもご相談に乗ります。)

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もっと詳細が知りたい方は、ぜひ以下よりチェックください。


リモート/テレワーク歴20年以上の米国企業から学ぶ、組織コミュニケーションを円滑に行うための30の方法

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経験則と、私たちの考え

以下に、Basecampのチームメイト、部署内、会社全体、そして一般の人々とコミュニケーションを取る際に心がけている私たちの考えをまとめました。これらは必須条件ではありませんが、私たちが他のすべてのことに影響を与える一つのこと、つまりコミュニケーションを行う際に、境界線や共有されたプラクティスを作成するのに役立ちます。


1.
コミュニケーションは、どのような状況においても必要です。しかし、「大きな問題」や「論争の的になっている問題」について議論することはコミュニケーションではありません。齟齬の起きないコミュニケーションほど、リサーチや準備が大切です。

2.
時々リアルタイムで、ほとんどの場合は非同期にしましょう。

3.
これまでのような「会議、会話、チャット」の口頭コミュニケーションではなく、長文の文章に基づいた社内コミュニケーションを心がけましょう。会議やビデオ会議、電話、またはその他の同期的なコミュニケーションが引き起こす「仕事の邪魔」を避けることができます。

4. 
価値ある議論を展開したり広げるために、議論には十分な時間を確保しましょう。判断を急いだり、即答を要求したりすると、意思決定がうまくいかなくなる可能性が高くなるだけです。

5.
会議は最終手段であり、一番初めに選ぶべき選択肢ではありません。

6.
書くことで思考がまとまり、おしゃべりの時間は解消されます。重要な決定は、1行ずつのおしゃべりではなく、伝えたい考えの全体像の提示で完了します。もしそれが重要で、重大で、根本的な内容であれば、ぜひそれを書き出してみてください。だらだらとチャットするのはご法度です。

7.
「話して伝える」のは、その場にいる人だけを助けられますが、「書いて伝える」ことでより多くの人を助けることができます。例えば、その場にいられなかった人や、何年か後に入社する未来のメンバーにも同様に伝えることができます。

8.
あなたの言葉が様々な方法で伝えられる場合、最も害を及ぼす方法で理解されるでしょう。

9.
真の緊急事態でない限り、誰かがすぐに戻ってくることを期待したり、要求したりしてはいけません。すぐに対応してくれることを期待するのは有害です。

10.
あなたが何か同じ作業を繰り返し行う場合、おそらくはじめは全体を正しく理解していないでしょう。しかし、あなたが何か新しいことについてチームに話をする場合、あなたはそれと全く同じ話を何度も繰り返すことになるでしょう。「繰り返し」は賢く選びましょう。

11.
コミュニケーションが悪いと仕事が増えます。

12.
企業にはコミュニケーションの問題ではなく、ミスコミュニケーションの問題があります。会社やグループ、チームの規模が小さければ小さいほど、ミスコミュニケーションの機会は少なくなります。

13.
5人で1時間の会議は1時間の会議ではなく、5時間の会議です。トレードオフを意識してください。

14.
事実に基づいた文脈と空間的な文脈を提供することで、「それってどういう意味?」という質問に対して積極的に対処しましょう。物事の事実関係は、相手が知るべき情報です。空間的な文脈とは、コミュニケーションが起こる場所のことです(例えば、特定のタスクに関するものであれば、どこか別の場所で話すのではなく、そのタスクの近くで話し合うようにしましょう)。

15.
コミュニケーションにスケジュールの同期は必要ありません。カレンダーはコミュニケーションとは何の関係もありません。話すことや会うことよりも、書くことの方が、スケジュールとは無関係で、はるかに直接的なコミュニケーションになります。

16.
「今」は、自分で思うより間違ったタイミングであることが多いです。それは時間のふるいにかけられる方が良いのです。時間を置くことで、相手に伝える価値のある部分だけが残ります。

17.
自分の働きかけが、相手の返事を急かすことになるかどうかを自問自答してみましょう。

18.
何か伝えたいことがあるとき、営業時間の終わり間際にそれを伝えることで「いい仕事をした」と自分を納得させることができます。しかし、翌朝にそれを伝えることもできます。確信が持てない場合は、伝える前に一度寝かせてみましょう。

19.
答えが欲しければ、質問する必要があります。みんな、言いたいことはたくさんありますが、一部の人しか発言をしません。質問を自動的に定期実行することで、チームが共有したり、書いたり、コミュニケーションをとる練習をするのに役立ちます。

20.
時々、ランダムな単語、文章、または段落を削除してみましょう。それは重要でしたか?

21.
緊急性は過大評価、「なる早で」は毒。

22.
何かを聞いたり共有したりするのが難しそうな場合は、最後に質問を募集してみましょう。そのまま終わらせると、沈黙を招き、個人的な憶測だけが残ります。それが噂の繁殖する場所です。

23.
「どこに置くか」「何と呼ぶか」が重要です。何かにタイトルを付けるときは、最も重要な情報を先頭につけましょう。多くの技術的なシステムでは、長いテキストやタイトルは切り捨てられてしまうことを覚えておいてください。

24.
適切な時間に書きましょう。午後5時に何かを共有することで、誰かをより長く仕事に引き留めることになるかもしれません。あなたは、日曜の午後に文章を書く時間があるかもしれませんが、日曜にそれを投稿することで、週末にメンバーを仕事に引き戻すことになるかもしれません。とはいえ、月曜の早朝では、他の内容に埋もれてしまうかもしれません。完璧な時間はないかもしれませんが、間違った時間は確かにあります。あなたが何かを投稿するとき、そのことを念頭に置いてください。

25.
悪いニュースの後に素晴らしいニュースが配信されると、本来伝えたい内容と受け手の解釈に乖離が生まれます。悪いニュースは薄められたように感じ、良いニュースは気分を変えるために伝えられているように感じます。十分なスペースを与えて、それぞれに正直になりましょう。

26.
時間はあなたの側にあり、急いでいると会話が悪くなります。

27.
コミュニケーションは情報の劣化が起きます。特に、口頭でのコミュニケーションは顕著です。伝言ゲームの数だけ、雑音が入り、忠実さが損なわれます。可能な限り、仲介者を介してメッセージを渡すのではなく、直接相手とコミュニケーションを取るようにしてください。

28.
物事がはっきりしたかどうか質問しましょう。何が足りなかったかを聞いてみてください。誰かが期待していたことで、あなたがカバーできなかったことがないか、尋ねてみましょう。時間が経つにつれて拡大する前に、ギャップを埋めましょう。

29.
モノを置く場所を考えてみましょう。いくら正しいコミュニケーションをしていても、間違った場所に置いてしまうと、人によっては全く存在しないのと同じかもしれません。多くの場合において、誰かが何かを検索するとき、それは正しい場所ではない時があります。

30.
邪魔が入ったり途切れることが多いのが、コミュニケーションです。多くの場合において、限りなく副作用の少ない方法で、適切なタイミング、適切な内容を伝えるのが良いコミュニケーションです。

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以上、「Withコロナにおける生存戦略:リモートワーク歴20年以上の米国企業から学ぶ、組織コミュニケーション30の方法」でした。(全部訳すの、なかなか疲れました...)

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↑せっかくつくったので、もう一度載せてみました。社内外への共有用にDLして自由に使ってください(右クリックで画像を保存)

私たちのケース

私たちが自社で参考にしている点もありますし、「これは合わないな?」と思った点は別途変更を加え、独自の価値観を社内では体現しています。

私たちoverflowの組織は、社内外含め関わる方々の「時間をふやす」ことをミッションとしているので、DRY(Don’t repeat yourself: 同じ作業は2度しない)の精神は常に各メンバーが意識しています。

結果的に、定常的に発生するタスクや業務は、小さく仕組み化されていて、常にその仕組みが言語化されドキュメントにまとまっていくので、新しいメンバーが入ってきたときも、最小工数でのオンボーディングが完了しています。

4月に入った現在、新卒の方々のオンボーディングで頭を悩ませている方も多いと思いますが、「伝えたいことを整理」し「ドキュメント化」して「誰もがアクセスできるように正しい場所に保管する」こと。これさえ押さえれば、最低限の工数で組織をスケールさせることが可能です。

今後お届けしていく内容

今後はリモートワーク、テレワークにおける下記内容の発信を予定しています。

* 私たちoverflowがこれまで実践してきた成功事例や失敗事例
* 世界中のリモートワーク先進企業の成功例
* 導入するとリモートコミュニケーションが捗るオススメのツール
などなど

まさに今、リモートワークに切り替えようとされている経営者の方々や、個人としてどう対応していこうか悩まれている方の助けになるようなコンテンツをお届けしていきます。

最新の事例や取り組みなどは、Twitterで情報提供しているので、ぜひ興味のある方はフォローしてみてください↓

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さいごに

ここではお伝えしたいことの1割ぐらいしか書ききれていないので、

* TwitterDMなどチャットでのQ&A
* 15分程度のテレビ会議

にて、カジュアルに相談に乗る機会をつくりました。

ご興味のある方は以下のフォームよりご登録ください。上に挙げた内容を更に深ぼって各論をお伝えします。

また、リモート/テレワークによって、活発化している副業・業務委託人材の採用や活用についてご興味のある方は、以下よりご連絡ください。現在キャンペーン実施中なのでそちらもご活用いただけます。(3,4月と過去最高のユーザ増加数を記録しています🙌)

そして、リモートシフトが整った次に、頭を悩ませるのが「コストを圧縮しつつ、成長性のある事業を行う」こと。こちらについても、累計100社以上の企業様をサポートしてきた実績がありますので、ぜひ以下の資料をご確認ください。


リモートワーク化におすすめの記事

日本でリモートワークを実践されている方々のベストプラクティスを以下にご紹介していきたいと思います。

特に、いつも勉強させていただいているnagabotさんの記事は必見。とても論理的にまとまっていて「これ通りにやれば間違いない」という金字塔です。



最後までお読みいただき、ありがとうございます!(&お疲れさまでした!)いただいたサポートの数だけ、海外事例の深堀りの質、お届けするコンテンツの質がレベルアップします💪