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様々なジャンルで話題の記事をまとめていきます。
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#エッセイ

季節を炊き込む

 今年も栗ご飯を炊いた。水に浸した米の上に、皮をむいた白っぽいゴツゴツした栗を並べ、炊飯器で炊き込むと、栗は黄色くほくほくに、ごはんはもちもちいい香りになって、とっても気持ちのいいご飯になる。  ここ数年、季節の変わり目にその季節の野菜や植物を使った炊き込みごはんをつくるのを楽しんでいる。春はえんどう豆、ふき、桜、夏はとうもろこし、秋は栗、さつまいも、むかご、冬は里芋、大根と生姜、と色々な野菜を米とともに炊く。  ふきごはんは、香りが炊飯器を空けた時に部屋の中いっぱいに香っ

『目にする』と『見る』の違いを実感したこと。

こんばんは。青井です。 ⏫️ここでは、私が『30日間スケッチ』を始めたきっかけと その際に設けた自分なりのルールについて語りました。 今後しばらくは折を見て その『30日間スケッチ』を続けていく中で私の感じたこと 気付いたことなどの1つ1つを いくつかの記事に分けて語っていけたらと思います。 今回は 『目にする』と『見る』の違いを実感したことで 自分の日常の中にある感動に より多く気づけるようになったこと。 そんなお話です。 ◇『見る目』が変わる、育っていく 私は

幻のフルーツ「ポポー」を人生で初めて食べてみたら、一度に5種類の味わいを感じた話

引越しをして9ヶ月。 「ご近所付きあい」と呼べるようなやり取りをする方ができた。 「ぽぽー食べる?」 「ぽぽ!!?何ですか、それ?」 ご近所さんの口から出た謎の食べ物の名。 一瞬聞き間違いかと思うほど耳慣れないその食べ物は「ポポー」という果物であった。 「南国の果物が好きな人にはいいかも!」 「うちはジューサーで牛乳と混ぜてバナナミルクみたいにして飲んでるよ」 九州出身のその人は、食べ方を教えてくれた。 まるで「アケビ」のような見た目のそれを4ついただき、謎の

【連載】南沢奈央「女優そっくり」第5回

見返してやる。続けてやる 「ターニングポイントになった仕事はなんですか?」  取材でよく聞かれる質問なのだが、答えるのが難しい。振り返ってみれば、意識が変化したのはあの頃かもしれない、などと思いあたる仕事はあるが、デビューしてしばらくは振り返る余裕もなく、前だけを見て仕事をしていた。質問されて初めて振り返ることになるから、答えるのに時間がかかってしまう。しかも、「ありますか?」ではなく「なんですか?」という、ターニングポイントがあるという前提での質問だから、何かを探さなければ

ミネストローネの呪いのせいで火災警報器作動させた話|ベルリン生活日記

ビーッビーッビーッビーッビーッビーッ… 普段耳にすることのない大きさの音量と聞き覚えのないリズムで、突然警報が鳴り響いた。 人はこういうとき、一度身動きが止まる。 うちの家か? …うちの家だ。 料理していた手を止めて、火を止めて、タブレットから流していたポッドキャストを止めて、音の鳴るリビングルームの方へ歩いてみる。 地震大国ニッポン育ちの私にとって突然家の中で鳴り響く警報といえば、緊急地震速報。ダイニングテーブルに置いていたスマホを手に取り、画面を点けてみるも、通知

初版12万部発行! 本日発売・大人気エッセイ集第2巻『いのちの車窓から 2』 星野 源インタビュー

『いのちの車窓から』は、自分と対話する、という感覚。自分と向き合うとか、自分を描写するとか、自分の心のポートレートを書く、みたいな。僕にとっては、エッセイでしかできないことなんです。 俳優であり音楽家、そして文筆家の顔も持つ星野 源が、最新エッセイ集『いのちの車窓から 2』(KADOKAWA)を刊行した。雑誌『ダ・ヴィンチ』で2017年初頭から2023年春にかけて連載されたエッセイのほか、書き下ろしを含む全27編+あとがきを収録。前著から実に約7年半ぶりとなる続刊に込めた思

ご自由にお取りくださいブーム

オーストラリアにはメルカリがない。 だったら不用品はどうするのか? 主流なのは、写真を撮ってフェイスブックグループにアップすること。 DMかコメントで「欲しいです」と言われたら指定された日時に会って手渡しするか、郵送する。 私も一度せっせといらなくなったお洋服の写真を撮ってグループに投稿してみたのだが、一瞬で埋もれてしまった。 そんな感じで売れにくいし、なにより全ての過程がメンドクサイ。 メルカリのありがたさを思い知った瞬間だった。 私は日本にいた頃、週1くらい

【コメダ珈琲】全メニュー制覇への道【くつろぎ(0926)の日】

私がコメダに出会ったのは2年前。 YouTubeの大食い動画にハマってて、ある動画で竜人族が朝からコメダで爆食してる動画を見つけ、自分も同じことをしてみたいとコメダ珈琲店 異世界店に向かいました。 はじめてのコメダ珈琲はじめて食べたメニューがこちら。 定番のカツパンにミニシロノワールとモンブラン、デザートにたまごたっぷりのピザトースト。 お腹いっぱいになりました。 ここからです。 私がコメダに目覚めたのは。 くつろぎ(0926)の日それから2年たち、フードメニューは残

無印良品「ヘアセラム」からちょっぴり浮気してわかったこと。

1年前から、無印良品の「ヘアセラム」を使っている。何度もリピート購入している。 ドライヤーをする前や、朝のスタイリングにと、朝と夜で大活躍しているアイテムだ。 「ヘアセラム」がなくなりかけた今年の8月、たまたまドラッグストアで、「ある商品」に目がとまった。「ある商品」とは……。 ツバキオイル 集中補修美容液こちらも、無印良品の「ヘアセラム」と同様のヘアケアオイルで、生の椿油が含まれている。 おやおや、なんだか無印良品の「ヘアセラム」に似ているではないか。並べてみると、

自由に料理するにはレシピが重要だが、時に不親切さも大事

若い頃に比べると、だいぶ料理ができるようになってきた。かつてはカレーの出来が作るたびに違っていたのだ。どろどろだったり、しゃばしゃばしてたり。一定しない。カレールーのパッケージに記載されている作り方は余白を埋めるためにあるんじゃないレシピを読んでくれと夫に言われて、おっそれもそうだなと、以来レシピを見ながら作るようになった。 あれから十数年、名前のある料理なら、ネットでレシピを検索して作れるわけだが、今度はレシピがないと何を作って良いかまるでわからない。迷子である。 今の

実はここ半年くらい、高校で授業をしています。

ライブでは時折報告していたのですが、本年度より渋谷にありますLoohcs高等学院さんにお世話になっております。社員やアルバイトではなく、契約上は業務委託となっています。 ライブと執筆以外の活動、5年ぶりくらいかしら。めっちゃ新鮮です。芸人活動の割と早い時期にバイトせずともメシを食えるようになったこと、それ以降は単独公演と執筆中心であまり人と関わらなかったこともありまして、外の世界の空気っていうんですかね、自分以外がいる状態が凄く新鮮で。 なんだろう、野に放たれている感じが

引っ越しは、知恵と機転と経験がつまったクリエイティブな仕事でした。

吉祥寺は、地元・千葉市稲毛の次に長く住んだ街になりました。ぼくは社会人2年目からひとり暮らしをはじめて、新高円寺に2年、西荻窪に2年、吉祥寺に5年と、どんどん東京の中央線沿線の奥のほうへと引っ越してきました。西荻窪に住んでいたときも住所はギリギリ武蔵野市だったので、武蔵野市民歴は7年になります。 吉祥寺には結婚(と契約更新)を機に引っ越しました。でもべつにぼくは吉祥寺に住みたかったわけじゃありません。それまで住んでいた西荻窪がすごく好きで、そのまま西荻窪でちがう物件を探して

あんバターサブレ緩急

いつかまた逢いましょう、と思ってはいたものの、そのいつか、がこんなに早く訪れるとは。 商品コンセプトが「サウダージ」の歌詞を連想させる、あんバタースコーンサンドのお店。 和歌山のスナックからはじまり、各地での催事を経て、ついに東京駅のグランスタに常設店が。 最初から、こうなることが決まっていたみたいに。 泣いたり、笑ったり。 実店舗は、ミスチルの「しるし」の歌詞を彷彿とさせた。 オープン翌日の朝、出社前に立ち寄る。 大行列だったらまたの機会にしよう、通勤で必ず通

終身雇用とたまごっち

『まわせ まわせ PDCAサイクル 休むことなく  約40年間 守れ 守れ 報連相と社是 働いているのではなく働かせていただいてる』 (岡崎体育・まわせPDCAサイクル) 私には、小学校以来の付き合いの友人が4人いる。 お盆と正月は帰省して、いつものガストに集まり、気が済むまでくだらない話をする。会えない間は、時々グループ通話をする。地元の方言で話すだけで、ストレスが消える気がする。そして神懸かったやりとりが生まれて、私はそれを書き留め、時々見返しては笑う。 例えば、1人