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#編集 #ライター 記事まとめ

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編集、ライター、コンテンツ、メディアなどに関する記事をまとめていきます。
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2018年4月の記事一覧

君は編集者かね…

ワクワクすることだけして生きていける?

NHKプロフェッショナルで北海道の書店が特集されていた。店主が行うのは、予算1万円でお客さんに合った本を選ぶ「1万円選書」。お客さんの、読書歴、人生、境遇などからカルテを作り、人物像をあぶり出す。そして人生のヒントになる「運命の1冊」を選ぶという。 これはいいなぁ。やってみたいなぁと思った。 みんな自分のことが大好きで気になるから。占いみたいで試してみたくなる。 「人生のヒントになる本を選んであげたい」 店主の言葉が印象的なのだが、心の奥底からの言葉だと伝わってくる。

メディアの話、その71。天狼院書店と。

昨日、メディアと編集の話をしに、天狼院書店の新しいお店に伺った。 池袋西口のエソラの2階。このビルはテナントがとっても変わっていて、3階のCDショップでは、王子様系アイドルグループがミニコンサートをやっていてファンの女の子たちが蛍光スティックを振り回しており、4階にはドトールのやってる書店カフェがあったりする。 あ、ここ、仕事で使えそうである。 この日、私が話したのは、メディアは、そしてメディアだけではなく、多くのビジネスは、3つの構造で成り立っている、ということ。

メディアの話、その70。スマートフォンの次のメディアは、どこでもディスプレイ。

スマートフォンの最大の革命は、インターネットと人々をワイヤレスでつなげたこと。すでに、我々は、スマホとネットのおかげでエスパーになった。世界の知と常時接続されており、世界のサービスと常時接続されているのだから。 なのに、ちっとも利口になった気にならないのはなぜか? それは、どこでも持っていけるスマートフォンの長所が、そのまま短所でもあるからだ。 理由は、「画面が小さすぎること」。以上である。 人間の視野は、半円状の広さを持つ。対するスマホは、10センチ✖️5センチの小

若林恵さんのこと

今月、黒鳥社という会社が誕生した。 雑誌『WIRED』で5年にわたり編集長を務めた若林恵さんが立ち上げた会社だ。 ぼくと若林さんの付き合いはごく最近で、正直なところ「全く」深くない。 2016年の年末に『ブロックチェーン・レボリューション』という本の解説をお願いして、そのやりとりでメールを4、5通かわしたくらいだ。 そのきっかけになった『WIRED』編集長として書かれた連載も、読み始めたのは2015年。『WIRED』が人工知能の特集を始めてからで、読者としても“にわか”

そのひと言から思いは継がれる。

なにも考えずにまず、「ごめんね」と書いてみる。 書けば、そこに続くことばが浮かんでくる。自分が「ごめんね」と思っていた人の顔が、浮かんでくる。言えなかった「ごめんね」を言えるのかもしれないことに、半分ほっとして、もう半分の胸がぞわぞわする。言うのかな、おれ、ほんとうに言っちゃうのかな。ほんとうはたくさんの「ごめんね」を抱えているもんね。ことばを継ぐ勇気が試される。 同じように冒頭に、「ありがとうね」と書いてみる。 こちらも、続きのことばが浮かんでくる。「ありがとうね」を

技術書典4でkaggle本300部を頒布し、pdf400部を売り上げた結果報告その1

【更新履歴】 その2を書きました。 https://note.mu/currypurin/n/n419ec9b5ee38 —- 4月22日に開催された技術書典4の振り返りです。(Kaggle本を頒布したのですが、サポートサイトの作成に今まで時間がかかり、ようやく振り返りを書くことができました) 結果の概要 データリファイメントというサークルで、初参加を行い、Kaggleのチュートリアルという本を300冊完売、pdf版を約400部販売という結果を残すことができました。 p

好きよりも大事な「嫌い」。

『20歳の自分に受けさせたい文章講義』という本に、こんなことを書いた。 たとえばあなたが恋人と別れるとき、関係が冷めきってしまったとき、あなたはその人の「嫌いな理由」をいくつでも挙げることができるだろう。考え方から言葉遣い、ふとした表情に服のセンス、さらには食事中の癖まで、たくさんの「ここが嫌い」を挙げられるだろう。 一方、恋に落ちている只中に「ここが好き」を挙げることは、意外とむずかしい。もちろん顔が好きだったり、しぐさが好きだったり、共通の趣味がうれしかったりはあった

第19号『佐渡島庸平に負けたくない』

佐渡島庸平という人物がいます。 株式会社コルクという会社の代表取締役社長。 お仕事は漫画や本の編集。 代表(編集)作品は『インベスターZ』『宇宙兄弟』『オチビサン』『テンプリズム』『鼻下長紳士回顧録』『マチネの終わりに』など。 もともとは講談社のモーニング編集部の社員で三田紀房の『ドラゴン桜』を立ち上げ、小山宙哉の『宇宙兄弟』を立ち上げたヒットメーカー編集者。 2012年に講談社を退社した後に独立。 現在の“作家のエージェントをする会社”として株式会社コルクを設立

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【技術書典】「こまるUIよくしてみた本」製作者インタビュー

技術書典4で即完売した「こまるUIよくしてみた本」の企画および編集を担当したナユ氏(@nayucolony)による製作話をお聞きしました。 よろしくお願いします。 お願いします 早速ですが、前々回はCSS、前回はgulpとフロントエンドの技術書を書かれていましたが、今回はデザインの本なんですね はい。今回は共著者を募集した結果、割と技術スタックがちぐはぐだったんです。ゆず氏は若干サーバサイド寄り、私といしまる氏はフロントエンド寄りで、共通の言語やフレームワークに関する

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#技術書典4「こまるUIよくしてみた本」の製作裏話

4/22(日)に秋葉原UDXというところで、技術書典が開催されました! 技術書展3の時の入場者数の二倍以上の5880名が参加されたそうです! 今回共著という形で、有名人なナユさんといしまるさんと「こまるUIよくしてみた」という本を書きました。 表紙は、ろくさんとshizoooさんペアで作っていただきました! 書いてみることになった経緯、当日出典してみての感想を書きたいと思います。 初動はよかったけど、本ができたのはギリギリ今回実はナユさんのツイートで、私といしまるさ

なぜ「売れそうですね!」は危険ワードなのか?

 本ができあがって、営業のみんなやまわりの人に見せていると「売れそうですね」と言われることがある。 「売れそうですね」  うれしい言葉だけれど、気をつけないといけない言葉でもあると思う。それは「売れそうですね」のあとに「自分は買わないけど」が潜んでいることがあるからだ。  試しに「買いたいですか?」と聞いてみると、答えに窮するような反応を見せる人もわりといる。(「買いますよ!」もおべっかだったりするので注意。そりゃ編集者本人に「買いません」とは言いづらいよね……。)

いまは「話すのが得意な人」よりも「書くのが得意な人」が有利な時代かもしれない

 ぼくは人前で話すのが苦手です。  相手がひとりであれば自然体ですらすらと話せますが、大人数になると変に意識しすぎてしまい、うまく言葉が出てきません。相手がひとりであっても有名な人だったり、大事な場面だったりすると、緊張してうまく話せないことは多々あります。  自明のことですが、話すことは大いなる武器になります。  人に出会って饒舌に語ることのできる人は、相手を動かすことができます。訪問販売などで口の達者な営業マンは成績もいいでしょう。話すことを悪用すれば詐欺も可能です

出版社の編集者が実名でSNSをやることは「リスク」なのか?

 ぼくは、これからの出版を盛り上げるうえで、編集者がWEB上で存在感を示し、力をつけておくことはプラスである、と考えています。よって、ツイッターやnoteに力を入れ始めています。  しかし、意外にも出版社の編集者でツイッターなどに力を入れている人は多くありません。それはなぜなのでしょうか? いくつか理由が考えられます。 ①「編集者は黒子であれ」と言われているから  前も言いましたが、出版の世界には「編集者黒子論」というものがあります。(誰が言い出したのか、どれくらい広ま