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#編集 #ライター 記事まとめ

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編集、ライター、コンテンツ、メディアなどに関する記事をまとめていきます。
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2018年1月の記事一覧

読書日記 「幸せとお金の経済学」

本書は「幸せとお金の経済学」は、そのタイトルのとおり、幸せを経済学の観点から論じた本だ。 人は幸せを合理的に追求できない本書の発するメッセージは、「人は幸せを、合理的に追求することができない」ということだ。 人間は脳の仕組みのせいで、古典経済学が唱えるような、超合理的な思考ができない。この認知の歪みにより、人間は「幸せ」を、他人との比較で評価してしまう。 他人より給料が多ければ、他人より大きな家に住んでいれば…そんな風に「他人より優れていれば幸せ」と考えてしうのだ。

【現役JD】が届けるワカモノのトリセツ、はじめるよ!

はじめましてこんにちは! 女子大生コンビの《ゆめめ》と《ほっち》と申します。 私たちふたりはですね、とにかくトレンディなものが大好き同士でして、 何か面白い情報はないかと日々InstagramやTwitter、キュレーションメディアにへばりつくような生活を過ごしています。 さて突然ではありますが、私たちがnoteを始めようと決めた「あの日」の会話を、回想してつらつら書き連ねていきたいと思います。 ■ 『note』 を始めようとしたきっかけゆめめ 今日って新年初ほっちじゃない

僕が漫画村を批判しない理由

今更ですが「漫画村」という海賊サイトが話題です。 サイトでは多くの漫画雑誌、作品が出版社や漫画家の許諾なく公開されています。 ユーザーはそれらを無料で無限に読めるとあって、漫画界隈では大きな問題となっています。普通に考えると違法サイトですが、サイト運営者は「漫画村内のサーバーには画像を保管していないので違法ではない」「運営は海外なので日本の法律は適用されない」などと主張しているようです。 当然のことながら、多くの漫画家たちはこのサイトに強い拒否反応を示しています。「撲滅す

メディアの話その3  2001年宇宙の旅と骨と。

映画「2001年宇宙の旅」。 この映画の冒頭で一番の主役は誰かというと、「骨」である。 アフリカのどこかで、けむくじゃらの原始人類が、ウホウホやっている。ウホウホやっている原始人類は、真っ黒なカマボコ板みたいな「モノリス」の前に集まると、突然脳みそが「進化」しちゃう。 で、脳みそが「進化」しちゃった原始人類は、ウホウホやりながら、のたれ死んでいたであろう大型哺乳類の「骨」を手にする。おそらくは脛あたりの。こいつを棍棒にして、つまり狩猟の道具にして、原始人類は獲物を倒す。

メディアの話その4。浜松テレビと「イ」と理系と。

1976年、名古屋から浜松に引っ越したとき、一番衝撃だったのは、テレビの民放が2つしかないことだった。 TBS系のSBS。フジテレビ系のテレビ静岡。以上である。 テレビ朝日(当時はNETという名だったはずだ)系も、日本テレビ系もない。(いまは、ある。)テレビ東京(まだ東京12チャンネルと呼んでいたと思う)系? あるわけがない。たぶんいまもない。 テレビ全盛期の小学5年生としては一大事である。 そもそも、遡ること3年前、茅ヶ崎から名古屋に引っ越したとき、東京12チャンネ

メディアの話その6。インターネットと原始人と。

いまから3年前、2015年1月にインフォバーンの創業者、小林弘人さんと『インターネットが普及したら、僕たちが原始人になっちゃったわけ』という本を書いた。 この本のタイトルに秘められたポイントは主に2つ。 1つは、小林さんが以前より唱えられていた「インターネット時代とは、だれもがメディアになる、だれでもメディア時代なんだ」、ということ。 もう1つは、進化生物学者ロビン・ダンパーの説、ダンパー数=人間の集団は、脳のサイズが規定しており、150人がマックスである、をベースに考

メディアの話、その13 トラクターと自動車と。

昨年、仕事でドイツ・ハノーファーで、大量のトラクターを見てきた。 2017年は、個人的に「トラクター」が再発見された年。 中公新書の『トラクターの世界史』がベストセラーになったのはその象徴である。・・・と、勝手に思っているわけですね。 トラクターは20世紀のおかあさんだ。 トラクターが19世紀末に誕生し、ヘンリーフォードにより大量生産され、アメリカ全土に普及すると、農業は一気に変わった。「工業」になった。 聖書における、人類最古の殺人は、カインによるアベルの兄弟殺し

メディアの話、その14。広告はいつから嫌われ者なのか。

広告は、いつから嫌われ者なのだろうか。 メディアをひとつの事業としてみたとき、広告がないと存在できないビジネスモデルをとっているメディアは実に多い。 まず、なんといっても地上波のテレビ。 それから、ラジオ。 この2つに関しては、受信料を徴収するNHKを除くと、広告収入なしでは、テレビやラジオのコマーシャルなしでは、事業が成り立たない。もちろん、不動産で稼いでいる局もあるけれど、テレビやラジオの番組放映事業については、あくまで広告が稼いでナンボである。テレビやラジオの人

メディアの話その15。人類最古の仕事は娼婦じゃなくて編集である。

「人類最古の仕事は、売春である」というという決め台詞を昔どこかで読んだ。読んだことあるよ、ってひと、いらっしゃるでしょう。 いったい出典は何なのか? ウェブだとすぐに調べがつくかもしれないけど、ここではあえて調べない。話の本筋はそっちじゃないので。 売春というのは、性行為の商品化である。 なぜ性行為が商品になるのか。 それは「気持ちいい」からである。お金を払ってでも「気持ちいい」がほしい。そういうひと(主に男子)がたくさんいたので、売春は仕事になった。 なぜ性行為は

メディアの話その16。少年ジャンプと260円とおそ松さんと240円とメディアの値段

今週、ひさしぶりに週刊少年ジャンプを買った。 冨樫義博さんの『HUNTER ×HUNTER』の連載が再開されたからである。 『HUNTER ×HUNTER』が少年ジャンプ誌上に登場したのは1998年6月4日発売号から。ほぼ20年前である。来年成人式の大学1年生は、連載開始時に生まれたわけだ。 『HUNTER ×HUNTER』は人類の宝である。かつて私が子供の頃読んだジュール・ベルヌの「海底二万マイル」や「15少年漂流記」のように、いつどこから読んでもすばらしい。読んでな

マーケ担当も、代理店も、編集者も、ブロガーも、「コンテンツのUX」考えてますか?塩谷舞さん「いま求められるWebコンテンツの作り方」レポート

「コンテンツのUXって、なんでみんな考えないんだろうね?」 金曜日のお昼過ぎ、上司はPCを眺めながら、こうつぶやいた。 読んでいたWeb記事が読みづらかったようで、それにイライラしたが故の発言だったようだ。 普段、Webサービスを作る仕事をしていて、サービスのUXを考える機会は多かったが、「コンテンツのUX」という言葉には耳馴染みがなかった。 そのため、その時は「あー、たしかに考えてる人、少なそうですねー」と流してしまった。 しかしその日の夜に「コンテンツのUXって

紙の本の編集者が外へ飛び出すとき。

お昼過ぎから神保町へと出かける。目的は古本の街の散策・・・ではなく、集英社での打ち合わせだった。立ち並ぶ古本屋さんたちに後ろ髪を引かれながら、まっすぐ集英社へと足を運んだ。すると、、、こんな特大ポスターが3枚ずらり。 写真撮影の衝動を抑えきれなかった。たぶん中学生〜高校生くらいのころに、少年ジャンプで連載していた『封神演義』がアニメ化されるそうで。Kindleで一気に読み直ししようかなぁ〜。 と、話がそれてしまった。今日は、集英社にて『週刊プレーボーイ』の編集者をつとめる

あの頃の僕に届く本はつくれているか?

 僕は岐阜の田舎で生まれ育った。  名古屋から1時間ほどの、特にこれといった特徴もない町だ。田舎にはエンターテイメントが少ない。カラオケ、ゲーセン、パチンコ屋くらいか……。  そんななか、僕にとって最高のエンターテイメントの聖地が「本屋」だった。田んぼの向こうにデカデカと光る「本」の看板を見るとハッピーな気分になった。  田舎の本屋なので本の数は多くない。流れてくる新刊も限られていた。それでも行くたびに、なにかしら新しい本に出会ってうれしかった。  本屋には刺激があり

「編集者」という謎

大学時代、オーケストラ部に所属していた。入部当初の私にとって不思議だったのは、指揮者の存在だ。彼らはなぜ楽器を弾くことを選ばなかったんだろう? 音楽がやりたくて入部しただろうに、音を出したくならないのだろうか、と。 同じことを、編集者という職業の人々に対しても思っていた。 これまで何人かの編集者と仕事をしてきたけれど、どの人も、いわゆる「書ける人」だった。修正や指摘を受け、元のモノよりぐっとよくなった自分の原稿に、反省したり感動したりしたことは一度や二度ではないし、編集者