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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2019年5月の記事一覧

タイラーザクリエイターから学ぶ現代社会における音楽の聴き方

2021/6/25 下部追記アリ 音楽を聴いているのか、それとも聞いているのか 何を言っているのかわからないと思う人もいるかもしれないが、私は一概に「音楽をきく」と言ってもその「きく」には2種類あると考える。1つは音楽に対して意識を集中し、積極的に音を耳に取り入れようとする「聴く」。もう1つは特別音楽に集中するわけではなく、自然と耳に入ってくる音を楽しむ「聞く」である。つまり、「ながら聞き」であるかそうでないかということである。  現代社会では、スマホの普及や、Apple

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【私家版】タイ「ポップス」史

1. はじめになんとなくタイの音楽を聴いてきて20年ほどが経ちました。ところが、タイの音楽を体系的にまとめた書籍等がなく、全体像が未だにつかめないのが実際のところです。正直に言うと、体系などないのかもしれないと思っています。 近年、日本では第二次タイポップブーム(勝手に命名)が起きており、2019年のサマソニに至っては3組のタイのアーティストが出演することになっています。どこかでタイの音楽と出会い、興味を持った方がいても、情報に奥行きがなければやがて飽きられてしまいます。例

【音楽を変えた2人の“マイケル”】~MJ編~(1/2)

【まだ“流行”だったブラックミュージックを“ポピュラーミュージック”に押し上げた《マイケル ジャクソン》説明不要の“宇宙一の大スター!”(ってエディマーフィーが言ってた!)ここでは僕がここが凄いと思う〈MJの功績〉を書いていきます。 •【モータウン〜エピックレーベルへ】 「ジャクソン5」のヴォーカルとして1969年「I WANT YOU BACK」(全米1位)でデビュー。数々の大ヒット曲を放った後、1975年に〈エピックレーベル〉に移籍し「ジャクソンズ」と改名。 ※〔そ

平成の名作、『クロノ・トリガー』はいかにしてヒップホップへ吸収されたか?

2010年を境に『クロノ・トリガー』がサンプリングされるようになった理由を改めてまとめるSFCの名作、『クロノ・トリガー』(1995)が、ファミ通読者の選ぶ平成最高のゲーム第一位に選ばれました。 この手のランキングは直近の新作に偏りがちと思っていたんですが(現に2位と3位の作品は2017年発売のもの)、それらを抑えての1位ということで、日本のゲーマーにとって不朽の名作であることを再確認させられました。 ちなみに、ランキングや平成ゲーム史の振り返りは2019年4月25日発売

音楽ストリーミング時代を生き抜くためにバンドマンが読むべき記事10選

はじめにCD大国だった日本でもやっと音楽ストリーミングが普及し、去年はまさにストリーミング時代に突入したことを肌で感じた1年であった。 周りの同世代のバンドマンやリスナーの間でもSpotifyやApple Musicの利用がだんだんと常識になり。 今まで通りフィジカルでのリリースや精力的なライブ活動を続けるバンドもまだ多いが、ストリーミングに重きを置いて活動するバンドも増えた。 ヒップホップやデスクトップミュージシャン達がうまく活用したシステムがやっとバンドにも広まって

あなたが知らない本当の「エモい」の語源

R1CHARDです。 いつもはゲーム(CALL OF DUTY)に関する記事を投稿している私ですが、本日は別の話題について書いていこうと思う。 昨年2018年の流行語大賞に「エモい」という単語がノミネートされた。 私はびっくりした。 何故かと言われれば、私は10年以上前からこの「エモい」という単語を当たり前のように使用していたからである。 みなさんが知らない、本当の「エモい」が生まれた瞬間の話をしていこうと思う。 本当の語源「エモい」とは感情が高まったときや感慨深いとき

ゼロから音楽メディアを立ち上げて100万PVに至るまでとこれから

2017年の10月にスタートし、自身が編集長兼デザイナーを務める「DIGLE MAGAZINE」が19年5月の月間PVで100万に到達しました。ここがゴールではないですが、1つのステップを上がれたので、ここに至るまでの感謝も含めてどういった流れで今に至ったのかを残しておこうと思います。 プレイリストの面白さを広めるためにスタート16年の秋頃にSpotifyが上陸。弊社代表の西村からの相談を受け、プレイリストがつくる未来に可能性を感じたので、プレイリストシェアサービス「DIG

東京の空気を詰め込んだ新曲が、東京のプレイリストから海外に飛び火し始めたお話。

1ヶ月以上ぶりの更新です。更新していない間に750人近いフォロワーの方々が増えていてビックリしました。本当にありがとうございます。今後は、なるべく定期更新を目指します。 5月17日リリースの「Cactus」について。GW前からずーっと、CM中心にクライアントの音楽制作に勤しんでいました。今日少し落ち着いて、ようやく記事を書ける気持ちに。 そんな渦中でしたが、5月も新曲をリリースしました!僕がオーケストラサポートとして参加している「THE XXXXXX(ザ・シックス)」メン

「バラカンさんとポーランド音楽についてどんなことを話したの?」 現代ポーランドにおけるジャズとトラッドの関係④

さて、間もなく6月がやって来ます。今年の6月は、ポーランド音楽が熱い!  ヴァイオリン奏者Janusz Prusinowski ヤヌシュ・プルシノフスキのバンドKompania コンパニャの来日ツアーと、民俗音楽とジャズがたっぷり聴けるカンヌ映画祭監督賞受賞作『COLD WAR あの歌、2つの心』公開という2つのビッグ・イベントがあるからです。 ということもあって、何と! ピーター・バラカンさんのラジオ番組「ウィークエンドサンシャイン」でポーランド音楽特集をやることになり

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Fishmansを歌った-CROSSING CARNIVAL'19-

かれこれ17年になる歌唱生活の中で一つ節目になるイベントへの出演が終わった。そしてEmeraldはバンド結成7年目にして、記憶に残る大きなステージを経験しました。 僕はと言えば、嬉しい、楽しい、最高という気持ちの向こう側に、なんとも言えない寂しいような凪いだような不思議な気持ちが穏やかに腰を下ろしています。 しかしながら僕はレーベル代表です。 レポートしますよ! 1.経緯話があったのは年明け。CINRAの柏井編集長及び編集者の山元さんから、「今年のCROSSING CA

いきものがかり水野良樹さんとの「Jポップ」「自己表現」を巡る対話

言わずと知れたいきものがかりのリーダーにして、現在は個人でも作家として多数の楽曲提供を展開、また最近では新たなプロジェクト「HIROBA」を立ち上げるなど精力的に活動を続ける水野良樹さんにインタビューしました。 このインタビュー、実はとある雑誌(※)の企画で行ったものでして、その雑誌自体は都合により発売が遅れているのですが、その際に雑誌の企画からは外れるものの面白い話をたくさんしていただいたので、こちらで別原稿として公開できる運びとなりました(関係者の皆さま、ありがとうござ

【歌詞】LOST IN TIMEの「30」から学ぶ、若さの可能性と老いの恐怖【心理学】

LOST IN TIMEというバンドが超絶渋くてカッコいいこんにちは。郡司です! 突然ですが、今回のテーマは「老い」です。老いには様々な負の側面があります。 例えば ・身体的にしんどい(肩こり腰痛や免疫低下) ・流行についていけない ・新しいことに適応できない など様々です。これらは「絶対に老いるものか!」と意識して改善しない限り進行し続けます。だからこそどの年代の方達にとっても、時間の流れに身を任せず、抗い、対策し続けることが大切です。 今回はLOST IN TI

King Gnuの首謀者・常田が、ついに「本性」を表した

King Gnuの勢いが止まらない。 ツアー終了後に公開された"The hole"のミュージックビデオが、今、SNSを中心に大きな話題となっている。 息が止まるほどに美しい流麗な映像世界の中で、あまりにも痛切な物語が展開していく、衝撃の4分50秒。 もはや「音楽」の域を超えた「総合芸術」である。これまで、チーム・King Gnuが育んできたクリエイティブへの姿勢が、ここに一つの結実の形を見せたのだ。 そして、King Gnuの首謀者・常田のソロプロジェクトが、ついに動

フィッシュマンズと清志郎さんと、音楽の遺伝子

先週、野音で忌野清志郎さんの没後10周年のトリビュートイベントに参加して、昨日は渋谷・円山町界隈のCINRAのサーキットイベント「CROSSING CARNIVAL'19」に出た。フィッシュマンズ・佐藤くんの没後20周年へのトリビュートがイベント全体のテーマにもなっていて、かなり盛り上がっていた。もう20年なんて。数えるとたしかにそうだけど、実感は沸かない。 僕は蓮沼執太フィルにゲスト参加。蓮沼くんの「アコースティックス」と僕のトリビュート・アルバムで蓮沼くんがカヴァーして