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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2024上半期ベストトラック33選(6選)

えっ今年半分終わり?ていうか2020年代の半分が終わろうとしている?もう時間の流れに全然ついていけないのだが、それでも新しい音楽は容赦なく山のように毎週生み出される。というわけで今年も、自分が聴いた中で素晴らしいと感じた33曲を Apple Music と Spotify でプレイリストにしてみた。曲順はざっくりリリース順。時間のある方、梅雨の雨でやる気が削がれている方、あるいは作業用にでも、ぜひチェックを。 なおかつその中から特別にインパクトを受けた6曲を下の方に選出し、

映画『ボブ・マーリー:One Love』と「Redemption Song」の謎

ボブ・マーリーの伝記映画『One Love』を観てきた。 最初のうちはボブがイケメン過ぎて、カリスマ性や神秘性がが薄いなあと思いながら観ていたのだが、そこを含めて、リタ・マーリー・プロデュースの映画なのだと納得して映画館を出ることになった。エピソードの選び方も、ディテールの描き込みも、妻の視線を含んでいるからこその説得力が。 ボブも弱さを抱えた一人の男だった。主演のキングズリー・ベン=アデルがそこを上手く演じている。 回想シーンも切なくて良かった。幼さの残るボブとリタの恋。

2024.06.09 Distant Worlds: music from FINAL FANTASY

昨日に引き続いてDistant Worlds: music from FINAL FANTAS(以下DWFF)の日本公演に行ってきました。世界中で愛されるDWFFのコンサートが日本でも楽しめるのは素敵ですよね。1日目の様子は以下の通り。 2日目の様子を簡単に書きたいと思います。 01.国際フォーラム朝の様子2日目は11時開場、12時開演というゲームコンサートとしては早めのスタート。物販は9時半〜。ものすごく早い時間からでした。 ただ、CDを中心にあっという間に売れてしま

about 『AMERIICAN REQUIEM』

〈お断り〉 ビヨンセのソロキャリア8枚目のフルスタジオアルバム『COWBOY CARTER』のオープニングトラック。 アルバム制作のきっかけとなった個人的体験から建国の歴史まで、アメリカに問いかけ、祈りを捧げるレクイエム。 旗手たるビヨンセによって開かれる、壮大な「第二幕」がここに始まります。 歌詞日本語訳 Nothing really ends 真に終わりがあるものなんてない For things to stay the same 何事も変わらずあり続けるためには、

Dr. John『Gris-Gris』(1968)

アルバム情報アーティスト: Dr. John リリース日: 1968/1/22 レーベル: Atco(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は356位でした。 メンバーの感想The End End  冒頭から様子がおかしい!1曲目のイントロがギターなのかサックスなのかもよく分からないし、フレーズひと回し毎にLRがバツッと入れ替わる曲なんて聴いたことがない!!  やたらと低域が回るベース、ジメジメした反響、ドタバタしたドラム…宅録とはまた違っ

バンドたちはなぜメシを食うアーティスト写真やMVを撮るのか

MONO NO AWAREの新曲「同釜」、そのミュージックビデオは“メシを食うこと”を中心に据えた作品だった。和中洋と次元を移ろいながらメシを食う。最後に演奏シーンがあり、そして高笑いする玉置周啓(Vo/Gt)もいる。異様なビデオだ。 このようにメシを食うミュージックビデオや、もしくはメシを食うジャケットのアートワーク、そしてメシを食うアーティスト写真などはバンドにおいては思いつく限りでもかなりある。これはどんな意味があるのだろう、と考えたくなった。 そこで上のツイートを

interview Tomeka Reid:チェロでジャズを弾くこと、作曲/キュレーション論、AACMについて(1,5000字)

僕がトミーカ・リードに注目し始めたのは彼女が自身のカルテットを結成して作品をリリースし始めたころだった。トミーカのチェロとメアリー・ハルヴァーソンのギターをフロントに、ジェイソン・レブキのベースとトマ・フジワラのドラムがリズムセクションを担うこのグループはそれぞれの演奏者の演奏は言うまでもないが、同時に楽曲の素晴らしさがこのグループを特別なものにしていた。 個々の演奏を最大限に反映する作りになっていて、それぞれの演奏のキャラクターがそのまま楽曲の個性に繋がっているのだが、特

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音楽の棲む所、「um」のopening live。

「um - lugar de música」とは? 僕たち山形ブラジル音楽協会は、2019年まで20年にわたって山形にアーティストを招聘してライブの主催を行ってきました。しかし様々な理由でコンサートの主催はやめました。その理由の一つは、自分達が安定していつでもイベントを開催出来る「場所」がないことでした。場所を予約したり(さらにはくじ引きだったり)、場所代が異常に高かったり、使い勝手が悪かったり、雰囲気が良くなかったり、会場側(特に公的施設)の口出しがうざかったり、などな

和レゲエ数珠繋ぎ-第50回- FLATT THE LAIDBACK

FLATT THE LAIDBACKと申します。 同志ケイタさんによる"意義のある"このコラムに寄稿出来て非常に嬉しいです。 和レゲエ。 うん。和レゲエとひとえに言っても様々なタイプがある様に思います。 まず圧倒的に多いのは"ウンッチャカ ウンッチャカ"というリズムのやつ。 所謂歌謡レゲエ的なタイプですね。 このタイプはもうホント無限に出てきますよね 笑 日本人にこのリズムは凄く馴染み易かったのか、演歌等にもよく取り入れられていたりしていて面白いですよね。 この類の中でトッ

NICKELMAN インタビュー 「気持ち良さ」にこだわるビートメイクと、アナログ/フィジカル媒体でリリースする必然性

私が「サウンドパックとヒップホップ」と「極上ビートのレシピ」の連載を行っていたメディア「Soundmain Blog」のサービス終了に伴い、過去記事を転載します。こちらは2023年5月19日掲載の「極上ビートのレシピ」の第5回です。 SpotifyやApple Musicといったサブスクリプション型ストリーミングサービスの浸透以降、リスナー数が急成長したインストヒップホップ。ここ日本でも活気溢れるシーンが形成され、その中から国境を越えて大きな支持を集めるビートメイカーも増加

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interview: レニー・クラヴィッツ/「時代は移り変わる。それでもロックンロールの精神は永遠に消えないものだと僕は思う」

レニー・クラヴィッツが6年振りに発表したニューアルバム『Blue Electric Light』がめちゃめちゃいい。レニーがレニーの「オレ道」を突き進んでいて、そこに迷いが一切ない。円熟味が増したと言えるところもあるが、それ以上に溌剌とした印象が強い。生気溢れ、躍動感が漲っている。「心も精神も肉体も、いまがいちばん状態がいい」。5月26日に還暦を迎えたレニーだが、まさしくその言葉の通りであろうことがアルバムを聴くとよくわかる。 バハマにいる彼にZoomでインタビューをした。

謎と文脈 -bar italiaとgreat area-

ミステリアスなbar Italia、謎に包まれたgreat area、謎が謎を引き寄せ香りを放ち、僕らはその匂いに吸い寄せられる。調べれば全てがわかりそうに思えるインターネット時代において、わかららないというのはなんとも新鮮で魅力的に思えてくる。神秘のベールに包まれているから知りたくなって、追いかけてわかったように思えてもすぐさま煙に巻かれてまたわからなくなる。その繰り返し。Dean Blunt and Inga Copelandの時代からそれらはずっと続いている。 そんな

FUJI&SUN '24

2024年5月11日(土)~12日(日) 静岡県富士市「こどもの国」で、「FUJI&SUN'24」。 このキャンプフェスに参加するのは、2年振り、2回目。 自然が豊かで、環境としていい。なのにそこまで人が多くなく、一定のリラックス感(いい意味での“ユルさ”)が保たれている。子供連れも多く、親も子もみんな生き生きと楽しんでいる。同じ時間帯にライブがそんなに重ならない。メインステージでのヘッドライナーのあと、キャンプサイトではDJがまわして野外クラブ的に盛り上がる時間もある

「レコード芸術」への思い~元編集者の立場から

音楽之友社を辞めて24年間、フリーランスとして生きてきた。 クラシック音楽業界を足場としながらも、いろいろな出版社や新聞社、そして放送局とも仕事できるようになったのは幸いだった。美術や演劇や舞踊など、隣接するいろんな分野ともかかわりを持てるようになった。 音楽之友社に在職したのは13年間。私にとっては懐かしい、卒業した学校のような場所といえるかもしれない。 6年くらい前からは再びご縁があり、アドバイザー的な感じで毎月会議に参加させていただいている。外部からのさまざまな意見を率