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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2018年12月の記事一覧

そのジャンルの音楽を愛するファンも一定数いて、その音楽を、レンタルというかたちで提供する店があった。さよなら、ジャニス

 お茶の水ジャニス本店が閉店した。とても残念である。コアな品揃えを誇るレンタルCD&DVDショップとして、37年間、営業していたお店だった。  と書くと、私がよく利用していたようだが、そうではない。大昔、たしか1990年代、フリッパーズ・ギターが利用していたという話を聞いて、どんな店なのだろう、と興味を持って、行ったことがあるくらいである。もちろん、会員登録もせず、レンタルもしなかった。  そのころ、ジャニスは、場所は同じお茶の水だが、いまとは、ぜんぜん違う場所にあった。たし

『INDUSTRIAL JP』機械と音楽の融合、その中に見える人の姿

私達の身の周りは、パソコンなどのコンピューター・家電・自動車など、多くの機械がある。その機械は、バネ・ネジ・歯車などの部品で構成されるが、その数は、1台につき数千~数万種類という膨大なものとなる。 それら一つ一つの部品や製品そのものは、工場で稼働する「産業機械」「工作機械」と呼ばれるものによって生産される。 それは、言わば「機械を作るための機械」だ。 その機械が稼働する様子を映像として収録し、オリジナル作曲の音楽を合わせることで、工業が持つ魅力を引き出そうとする。そんな目的

プレイリストの重要性

こんにちは。西村謙大(@harry_kenta)です。 私は音楽プレイリストをシェアできるサービス「DIGLE(ディグル)」を運営しています。 今回は「プレイリストの重要性」についてお話ししたいと思います ※Spotifyの話が中心となりますがご了承ください。またもう知ってるよって方は流してもらえればと思います。 note概要 ・そもそもプレイリストってなに? ・プレイリストが広げた音楽の聴き方 ・プレイリスト(プレイリスター)を用いたマーケティング戦略 ・最後に 最

グレン・マトロック インタビュー

2018年9月に最新ソロ・アルバム『グッド・トゥ・ゴー』を発表したグレン・マトロック。言うまでもなくセックス・ピストルズのオリジナル・ベーシストであり、"アナーキー・イン・ザ・UK"、"ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン"、"プリティー・ヴェイカント"というロック史上に残る名曲の作者でもある。そんな偉大な人物が、新作のプロモーションで単身ふらりと来日するとのことで、貴重なインタビューの機会を得ました。たぶんピストルズの話ばかり聞かれて、まあ、とっくに割り切っているでしょうけれど、そ

Manuel Gagneux (ZEAL & ARDOR)インタビュー

ブラック・メタル × ブラック・ミュージック+α=Zeal & Ardor。そのセカンド・アルバム『Stranger Fruits』は、2018年に出たレコードの中でも、最も刺激的な作品のひとつだったと言い切れる。デビュー・アルバム『Devil is Fine』も十分に面白かったが、まだ巨大掲示板での思いつき一発ネタの域で終わるかどうか見極めがつきかねる感じも残していた。しかし、その後ツアーを重ね、ライヴでの経験を積むうちに、このプロジェクトの張本人であるManuel Gag

The Messthetics インタビュー

フガジのリズム隊である、ジョー・ラリーとブレンダン・キャンティが、ギタリストにアンソニー・ピログを迎えて始動させた新バンド=The Messthetics。2018年3月にデビュー・アルバムを発表し、5月には早くもジャパン・ツアーが実現。札幌から福岡まで、6都市8会場をみっちりと回り、フガジとは違う、しかしどこかが確実に繋がっている刺激的なサウンドを聴かせてくれた。最終日となった渋谷のO-nestでのライヴ前に行なったインタビューを公開します。 それにしてもブレンダンは、イン

カニエ・ウェストの5週連続アルバムリリースと幻の『Yandhi』。

1: 5週連続アルバムリリースーー説明書の外にある辺境。 現在のアメリカのエンタメを紐解くひとつのキーワードは「ドラマ」だろう。Netflixを筆頭に様々な動画ストリーミングサービスが普及したことで、ドラマという“形式”の影響力は広がり、その勢いは映画業界にも波及して、例えばマーベルスタジオの企画である「マーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)」は、ヒーロー映画がクロスオーバーしていく点で「映画のドラマ化」に成功したシリーズと言えるだろう。昨今のドラマブームの中で

文系女子がMCバトルにはまった理由

今年2018年は「ヒプノシスマイク」人気からラップを聴く人が増えたみたいですね。 かくいう私も「とろサーモン」久保田のラップを聞いてみたくて、AbemaTVの『NEWS RAP JAPAN』を観るようになり、その流れで『フリースタイルダンジョン』を毎週楽しみに生活するようになりました。 今までHIP HOP に興味関心はなく、「ラッパー」と呼ばれる人たちはみんな不良で怖いとしか思ってなかったのですが、今や大半の時間を動画サイトでMCバトルを観ることに費やし、SNSでは好きな

小熊が選ぶ、2018年ベストソング60続き

以下、30位〜1位です。 ----- 30.Sandro Perri/In Another Life逆にこの曲は、24分が永遠のように感じてくる。ミュージックマガジンのクロスレビューでも書いたけど、ブルー・ナイルとドゥルッティ・コラム、『Another Green World』が渾然一体となったような音。とてつもない浮遊感。サンドロ・ペリすごいの作ったなー。 29.Free Cake For Every Creature/In Your Car個人的に2018年一番夢中

小熊が選ぶ、2018年ベストソング60

今年はいろいろあって、クロスビートの年間ベスト号が出なかったのもあり(昨年の号が売れなかったわけではないらしいよ、念のため)、自分の年間ベストをまとめることもないまま、ズルズル大晦日まで来てしまって。でも、何かしら出さないと気持ち悪いので、勢いでバーっと書きなぐってみました。 そんな感じなので、60位→1位の順にコメントも用意しています。急いで書いたのでかなり雑で申し訳ないですが、セレクトだけ発表するのは趣味自慢コンテストみたいで好かんので。 順位だけ手っ取り早く知りたい

The 30 best albums of 2018

こんばんは。さこれたです。 ベストアルバム30枚選びました。「へー」って楽しんでください。(EPも混ざってるよ) 上位の作品だけ簡単にコメントを書いてます。 2018年もありがとうございました。 30.Arctic Monkeys - Tranquility Base Hotel & Casin 29. Jon Hopkins - Singularity 28. Mom - PLAYGROUND 27. polly - Clean Clean Clean 26

"50 Best Jazz Albums of 2018" by Jazz The New Chapter (with Playlist)

Jazz The New Chapter監修者 柳樂光隆が選んだ2018年のジャズの年間ベストです。 1 Kamasi Washington - Heaven and Earth 2 Brad Mehldau - After Bach 3 Ambrose Akinmusire - Origami Harvest 4 Rafiq Bhatia - Breaking English 5 Antonio Sanchez - Lines in The Sand 6 Julian L

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2018年12月の音楽(とか)のこと

『年間ベストがあるから一番好きな月は12月だと、この際勢いで言ってしまいたい』とは私が2018年年間ベストアルバムのnoteさわりで書いた文言だが、その1文を書いて数分もしないうち、いやもはや書いている途中で「7月フジロックあるやんけ!!」と気づいてしまったので、最初はなかった「勢いで」の文言をそっと足したという経緯があります。ちょっと盛るためには勢いが大事だったのだ。 だけど12月が楽しいのだってもちろん事実だ。今年よかったものをまとめるだけで、色んな人がまとめているのを

今年一年ありがとう

今年も残すところあと僅か。私も今日で仕事納めの予定です。 今年は私にとっていつもと変わらないようでいて、後から思い出したとしたら、大きな転換期だった1年なような気がしています。 くるり新作『ソングライン』は、バンドにとっては4年ぶりの新作アルバムでした。 過去を振り返ると、我々はくるりでありながら、くるりらしくないものにチャレンジする、ということが、バンドにとってのモチベーションでした。 そういう意味で言うと、今作は過去とは真逆のやり方になりました。(『TOKYO O