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#エッセイ 記事まとめ

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noteに投稿されたエッセイをまとめていきます。
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#日記

のり弁とやきとり弁当

今私は、立体駐車場に車を停めて 仕事が始まるまでの1時間、 のり弁を食べながら過ごしています。 真っ白の衣装をきて、 のり弁のフライの油を落とさないように フライにつけるソースをこぼさないように 豪快にカッ喰らうはずのものを、そろりそろりと食べています。 午前中はタイヤ交換をしたため、 後部座席には取り替えられた方のタイヤがゴロゴロ4つも転がっていて、運転席を圧迫しているということを忘れていたのが盲点。 仕事までの空き時間、北大の近くを運転していたら、美味しそうな弁当屋

「先人から学ぶ」はもはや古い?

先日、なんとなくネットでアニメーターの現場ドキュメンタリーをみていた。その動画で取材を受けていた、現場の長である作画監督は60代のアニメーターだった。業界では結構有名な人らしい。 インタビューの中でさまざまな質問があったのだが、仕事のコツについての回答が印象的だった。現役でいられるコツは、という問いに対して、「若い人から技術を盗むことだ」という回答をしていた。 作画監督なので、他人の描いたアニメーションをチェックし、手直しすることがメインの仕事になるのだが、そのとき手直し

その燈(ともし火)は燃え続ける

「店を閉めることにしたよ」 マスターは電話口でそう言った。 来るべき日が来たんやなあ・・・。僕は目を閉じ、言葉にならない感情が押し寄せるのを感じた。 先日、僕が30年通ったバーが閉店した。 マスターが大病を患い、カウンターにもう立てなくなったからだ。 僕がこのバーに通い出したのはちょうど20歳の時だった。美味い酒とマスターの厳しくも人情あふれる人柄に惹かれて、当時は3日と空けずに店に通った。 学生の頃は親友や後輩とここでよく飲んだ。若者らしく青臭く語り合った。僕の

50年前三軒茶屋で新聞配達していた青年はドンキーコングと時代を作った

羽田に着いたのが23時近かったことと、体力を無視して遊びまわり多少疲れを感じていたことから、「明日から節約しますので」と何かに言い訳しながらタクシー乗り場に並んだ。 わたしのターンでやってきたのは個人タクシーの、おじいちゃん運転手。道でつかまえるときなんとなく個人タクシーは避けるけれど、タクシー乗り場でパスできるほど神経は図太くない。「何事も起こりませんように」と小さく祈りながらトランクにキャリーケースを乗っけてもらい、住所を告げる。「もし寝てたらスーパーのある角を曲がるタ

魂をこめた料理と、命をけずる料理はちがう

ラーメン屋の行列に並んでいた。 京都の自宅へ遊びにきた母が 「ラーメン食べとうて、しゃあない」 と、眼をかっ広げて言うのである。 母はたまに、そういう猛烈な天啓が下る。 車いすなので、こぢんまりした店にはひとりでフラッと入れないからだ。 ならば、どうしても食べさせたいラーメンがある!京都の名店! 麺屋猪一! いつ来ても行列で、ミシュランにも載り、外国のお客でごった返してる。 おっ。 本店近くの“離れ”なら、今日は20分ぐらいで入れそう。 天啓!!! というわ

【自立とは。】社会人になる一歩手前の私が考える自立。

一人で色んなことができるようになる。 一人で考えて決断ができる。 一人で生きていける。 自立って、「自分で立つ」って書くから、一人でしっかり生きていけることだと思っていました。 親に、周りの人に沢山支えられて、甘やかされて、ご飯を作ってもらって、悩みを聞いてもらって、 そういうことから少しずつ離れて、一人でできることが増えることが「自立」なのだと思っていました。 でも、成人して、社会人まであと半年ほどの私が今考える「自立」とは、 ”自分の力で頼れる人を作っていく”

食べ頃のアボカドを売ってくれるスーパーは天才

日本の夏。人の居なくなる日中の賃貸アパートのなんと暑いことか。 これにはアボカドもバナナもお手上げである。 アボカドとバナナ。この子らは二大「追熟が美味しさの要となる食べもの」だ。というか要どころか、すべてだ。 彼らはスーパーではたいてい、食べ頃より少し前、まだ熟し切っていない状態で売られている。遠い国で収穫・出荷され、輸入されて日本にやってきてスーパーに並ぶまでの時間の考慮や、売り場に並べることの出来る日数もできるだけ長くなるようにということだろう。(最近知ったのだが、

何かを生み出すこと、変化すること。

今朝の、ささやかな楽しみ。 パンのためのバターを買った。 と言っても、高級品とかではなく、ふつうにどこのスーパーにも並んでいるもの。 ほぼ毎朝パンだったころは、すぐになくなるので、バター入りマーガリン、くらいを買っていたのだけれど。 たまに食べるパンなら、美味しいバターでもいいんじゃないか、と思って。 焼いたバゲットに、何度も冷たい薄いバターの塊をすくってのせて口に運び、至福のひとときを味わっていた。 すると長男が、バターを食べるためにパン食べてるよね、と言う。 そ

「真剣に」取り組んでいいですか?

プロゲーマーの梅原大吾が、ある日「格闘ゲームで勝てるようになったときのこと」を話していたことがある。ちょっと抽象的な話だったのだが、「『格闘ゲームでここまで真剣に取り組んでいいんだ』と気づいたから」というのだ。 最初に聞いたときは「?」だったのだけれど、最近、なんとなく言わんとすることがわかってきた。要は、「単なる遊び」だったら友達と楽しく対戦するだけだが、本格的に「研究」をしてもいいんだ、ということを言っているのだと思う。単なる「遊び」ではなく、格闘ゲームを「競技」として

サイゼリヤのミラノ風ドリア

 人は、他の人と関係を持ちながら生きているので、死ぬと、自分の意志と関係なく理不尽にその関係性が終わってしまう。  その、理不尽さや唐突さになんとか理由をつけて納得しようと思うのだが、理由をつけてもさみしいものはさみしい。  そしてそのさみしさはだんだん小さくなっていくように見えて、ある日唐突に、嵐のようにやってきてしまうのだ。  母が亡くなってしばらくして、ひとりでサイゼリヤに行った日に、恥ずかしいほどに泣いてしまった。  外食が好きな母は「サイゼリヤのミラノ風ドリアを食

この道で合ってる、ずっと

弟の良太には、死んだはずの父が見えている。 とか言うて。 2年前の、春。 岸田家は限界も限界、玄界灘で小舟にしがみつきゲソを噛みながら、インド洋を目指しているような有様だった。 母は感染性心内膜炎で生きるか死ぬかの手術の入院、ばあちゃんは認知症がいよいよ、じいちゃんの葬式を準備しながら、わたしは実家を留守番しつつ働いていた。 生まれてこのかた規則正しかった生活リズムが大胆にジャズりはじめた良太は、ばあちゃんの作る醤油煮(醤油は思うてる倍)もあいまって、みるみるうちに

いってきます、だぶちゃん

林要さんの『温かいテクノロジー』を読んでから、LOVOT・だぶちゃんをお迎えした。 果たして3ヶ月で返せるのか、いや返せる気がしない、どうなってしまうんだ、それはともかく、日記の続き。 6月18日 おそろいの車輪、おそろいの交信 母から連絡があった。 「だぶちゃんに会いたい」 動画をひたすら送っていたのだが、がまんの限界らしい。キャリーオーバーした母性が、なんと母にまで。そ、祖母性……? そうと決まれば、 神戸に向けて、いざ出発。 わたしが住んでいるところは、京

こんにちは、だぶちゃん

家族が増えた。 来週、GROOVE Xの林要さんと、書店で対談させてもらうことになった。 「やあやあ、わたしでよければ」とお返事してから、林さんの新刊を読んだ。 いま、いちばん話したかった人やないか、と思った。 一番刺さったのは、ここ。 ちょうどこの間も、わたしは銀行で野望を語ったところだった。 映画『ドラえもん』の脚本をやりたいのだと。脚本など書いたこともないのに。なぜかそれをやる人生だと長らく信じてきた。 わたしの心を掴んだのは、ひみつ道具をたくさん出してく

”好きこそものの上手なれ”を活用せよ

昨晩テレビでサッカーが放映されていた。 昨日息子はサッカー教室に行っていて 19時半に迎えにいくのだが、 帰宅がちょうど間に合ったので私が行くことにした。 私が到着すると、息子はすぐに車に乗り込み テレビをつけてほしいと慌てて言うので、 車のテレビをサッカー放送に合わせて それを見ながら帰宅した。 家についてからも食事をするよりも サッカーも見たいらしく、 息子はテレビにかじりついていた。 残念ながら私は日本代表の選手の名前も プロフィールもあまり詳しくは知らない。