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#エッセイ 記事まとめ

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noteに投稿されたエッセイをまとめていきます。
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2018年3月の記事一覧

愛の総量と、その愛の配り方

以前ともだちと、「愛の配り方って人それぞれだよね」という話をしていた。 なんでそんな話をしていたのかはもう忘れてしまったし、きっと特に深い意味はなかったと思う。新宿三丁目の「喫茶らんぶる」で、珈琲をすすりながらダラダラと仕事だとか恋愛だとかの話をしていたら、なんとなくそんな話になった。 「たとえば愛をお金にたとえるとして、人が持つ愛の総量が1000円やとしたら、その1000円をどう配るかって人によって違うやん」「誰にも1円も配らずずっと握りしめておいて、運命の人に出会った

元カレ観の相違から見る、ヒロイン型恋愛と人間関係型恋愛

---------------------------------------------------------------------------- スイスイ 1985年生まれ。元メンヘラ現100%リア充のエッセイスト。 現在cakesで「メンヘラ・ハッピー・ホーム」連載中。 サクちゃん 1978年生まれ。シングルマザーのクッキー屋。 娘のあーちんはほぼ日で連載中のイラストレーター。 -------------------------------------------

「思う」と「言う」の距離について。

ぼくは「言いたいこと」をあまり持っていない。 たとえば「いま国会を賑わせているあの問題について、お前はなにも言いたいことがないのか」と問われたら、たぶん「ない」と答える。なんと嘆かわしいやつだ、お前のような人間がいるからこの国の民主主義は……とかなんとか言われても、ないものはない。「言いたいこと」は、ないのだ。 ただし、「思っていること」はたくさんある。政治にかぎらず、経済であれ、社会問題であれ、芸術やスポーツまわりのことであれ、「思っていること」は山ほどある。けれどもき

その買い物に意図はあるか。

 毎晩酒を飲み、うだつの上がらない日々を過ごしている僕は、足りなさそうな生活費を若干無理して、フィルムカメラを買った。35年も前に発売された、FUJICAの「DL-100」という機種。建築家であり、デザイナーでもあるマリオ・ベリーニがデザインしたという。  レンズの上部が大胆に切り取られた、ヘンテコな形。ヘンテコは言いすぎた。特徴的な形。ずっしり重厚で、僕の大きな手にぴったりフィットしてくれるグリップの形状も良い。真っ黒のボディにアクセントカラーのグリーンが映えていて、とて

編集者は何もしない

「『完璧なリーダー』はもういらない」という宇宙兄弟の関連本として出したチームビルディングの本が、すごくいい滑り出しだ。発売3日で重版がかかった。 このリーダーを編集者に置き換えてもしっくりくる。「完璧な編集者」はもういらない。 そもそも編集者とは、何もできない人だ。 自分で何かをやったら、編集者としては失格とも言える。自分で文章が書けるわけでもない、絵もかけない、ストーリーも作れない、それでも作家に書いてもらう。そして、自分はできないのに、プロの仕事にもっとと要求する。

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インド料理に最上級の感謝を

僕達夫婦は、旅行先での一食を必ず、インド料理にあてることにしている。長期でも短期でも、たとえそれが一泊二日しかなくて、食事の回数が三回くらいしかないとしても。 いまどきインド料理屋は、案外、全国どこででも一軒は見つかるもので、いまのところ、この誓いは破られずにいる。 妻がエスニック料理好きで、その影響から僕もインドとかタイとかベトナム料理が好きになった。特にインド料理屋は店舗数も多いから見つけやすいし、なにより美味い。 インド料理屋にはハズレがない。インド料理屋には『美

女性は左、男性は右?

これはきっとカップルの立ち位置についての話です。あるいは人間の安心感に関する話かもしれません。 みなさんは彼氏だとか彼女だとかと一緒に歩くとき、どちら側に立ちますか? 「私は右が多いかな」という人もいれば「俺は左やな」という人もいるだろうし、タイトルの通り「女性が左で、男性が右」というパターンになっている人もいれば、「そんなの決まってないなぁ。適当です」という人もいると思います。 で、なんでカップルで立つとき、女性が左で、男性が右だと思ったのかというとですね。いや、別に

歯車になるということの意味

「歯車になりたくない」と言う人がいるけれど、そもそも歯車として自分が機能しているかどうか、わかっているんだろうか?そして、自分が何のための歯車になっているかを、本当に理解しているんだろうか?人生も仕事もすべて、自分が歯車になったり、歯車となって動く人をまとめたりして成立しているんじゃないかと思います。 メジャーリーグに挑戦する野球選手が、入団時やシーズン前のインタビューでよく、自分がどう活躍するかではなく、チーム全体の優勝を目指し、そこにいかに貢献できるかを語ります。それは

31歳の少年が東京を走る、走る

土曜日と、日曜日のこと。仕事を家で進めていると、恋人から連絡がきて、泊まりにくるという。ふいに訪れた嬉しい予定に、雑然としていた部屋をすこしなりとも整え、たまったゴミを捨て、スーパーへ買い出しに行って備える。 部屋をきれいにするには友人を定期的に呼ぶといい、というのはすっかり浸透したテクニックだと思うけれど、ぼくみたいに〆切直前にならないと馬力が出ないタイプには、このポジティブな強制力はとてもありがたい。 すっきりさが増すだけで心地よくなり、冷蔵庫に作り置きしたごぼうと牛

お好み焼きと2人、坦々麺と5人

広島駅のお好み焼き屋で、隣に若く品の良いカップルがいて、ふたりはおそらく就職で離ればなれになっていて、広島に出て行ってしまった彼氏に久しぶりに会いに来た彼女、という会話が漏れ聞こえてきた中で、彼女が「広島弁になるときあるの?」と聞いたとき、彼氏が「いや、まだ一年だし」と答えていて、このやりとりは言い換えれば、彼女は「(方言が身につくほど長く)離れてさみしい」と言っており、彼氏は「(一年なんかで地元を)君を忘れない」って答えたことになるわけで、そんなふたりの目の前には彼女からす

きみがそこにいるだけで、ぼくは安心するんだよ

 きみがそこにいるだけで、ぼくは安心する。  しんどいとき、つらいとき、ふと目をやると、きみはそこにいてくれる。ぼくはふいに手をのばす。きみはいつも、同じように応えてくれる。  だから、ぼくはきみが好きなんだと思う。  ……いきなり、なんのことかって?  ポテサラのことに決まっている。  ポテサラの多くは「付け合せ」として登場する。お弁当の隅っこでおとなしそうに座っている。  ポテサラは、ハンバーグや唐揚げ、焼き肉といった輝かしい主役たちの「おまけ」として登場する

初めて買ったレコードと、メーテルと、中島みゆき

※日曜日は読む人が激減するので音楽のことを。 あなたが一番最初に自分のお金で買ったCD(あるいはレコード)は何ですか? これ、「自分のお金」というところがポイントです。小さいのに自分のお小遣いで買ったということは、そうとう「思い入れ」があるはずなんです。 「そうかあ、この人、アイドルのCDを買っちゃうんだ」とか「やっぱりその頃から流行ってるものに弱かったんだ」とか「そんな小さいのにサブカルっぽいの好きだったんだ」とかって感じで、その人の「本質的なところ」がわかるような気

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カップヌードルをぶっつぶせ!

運命というのがあるのだとしたら運命なんだろうだけど、雑誌の編集者になって初めて取材したのが、大好きなカップヌードルについてだった。 しかも取材相手は、カップヌードルの会社(社名は言えないけど、「カップヌードル」の会社だ)の経営層クラス、というかほぼ社長という、とてもとても偉い人。 編集者になって間もない、というか取材デビューなのに、なぜか、どういうわけなのかまったくわからずに、いきなりそんなすごい人に取材に行くことになった。 取材当日――。 緊張しすぎて、もはやほぼ覚

恋って素晴らしいですね。 第54回 わかめ

こんにちは。 前回のかつおさんの日記、とても興奮しながら読みました。 ああ、人を好きになるってこんな気持ちだった、恋って素晴らしいなあと思いました。ありがとうございました。 その後女の子とはどうなりましたか? 女の子は期間限定で働いているんですよね、もうかつおさんが働いているところから離れちゃいました? もしまだ女の子がいるとして、かつおさんとの関係が前回のまま(かつおさんの片思い状態)であったとして、この日記を書いてみます。 まず、  「〇〇、一肌抜いで一発やら