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精神科医が思う。武尊選手のうつ病公表には時代を変える力がある


おはようございます。

武尊VS天心

アンディ・フグの時代から20年以上、
にわか格闘技ファンをやってきましたが、

初めて格闘技を観ながら泣きました。

今でも
武尊選手のニュース見ると目頭が熱くなります。

武尊選手が会見で、
パニック障害とうつ病の診断を受けて
3年前から通院している事を公表しましたね。

ファンは以前から知っていましたが、公表した事でさらに多くの人の耳に届いたでしょう。

今回はその話です。

武尊選手が精神疾患を公表した事で、
多くの精神科に通院している男性は勇気を貰えたかもしれません。

精神科医として働きながら、現在もうつ病の治療をしている私もその中の1人です。

男が一度は憧れる「強さ」
それを最もシンプルに体現しているスポーツが格闘技。

そこで7年間もトップを走り続けた選手が
一般的に「弱い」イメージのあるうつ病だった。

この事実が表す事は
「うつ病は決して弱いからなるものではない」
「強い人でもなる病気、それがうつ病」
「弱くても、強くなれる」
だと思います。



いやいや、
「武尊選手は身体が強いだけでメンタルは弱かった」
「メンタル弱いから負けたんじゃ?」
そう思う人はもう少しこの先を読んで、より深く思考して頂ければと思います。

この話は最終的に
「学校の保健授業に精神科分野を盛り込みたい」
という結論に着地します。


もしも那須川天心選手に負けていなかったら、
もし那須川天心選手がこの世に存在していなかったら、


そう仮定した時に
「競技でずっと勝ち続けている選手のメンタルは強い?」
という問いには誰もが
「そんなんメンタルばちばち強いでしょ!」
と即答するはずです。

例えば
違うジャンルで言えば
藤井聡太さん、新庄監督、羽生結弦選手、大坂なおみ選手、大谷翔平選手
この辺りの選手のメンタルはどうでしょう?

もちろん私はお会いしたことはないですが、
「メンタル強そう!」
なぜなら
「大事な場面でちゃんと結果を残しているから!」と答えます。




武尊選手もその中の1人でした。

これまではそうでした。

でも負けた。

そして精神科に通院していた。


有名人の「結果」というのは、
たった一度でその人の人格イメージまで変えてしまう程に恐ろしいものですね。


でももうこれだけで、

やっぱり、

うつ病は決してメンタルが弱いからなる病気ではない。

という事を証明してくれていると思います。


そしてその事実が

普通に生活している普通の人を、

とても勇気づけてくれます。
(普通の定義が難しいですが)


そしてここでも反論があるとすれば、

天才を証明した男、

勝者、那須川天心選手。


「そうは言っても、天心と比較したら、やっぱり武尊メンタル弱いじゃん。」

そう思う方もいるかと思います。

これについては①②と2つの点で書いていきます。
①他人との比較は意味がない
②メンタル対策は全ての人が行うべき

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