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788.わたしたちはね、「愛されたい」ではなくて、「愛する」ことを優先することのように思えるんだ。

It seems to me that we should give priority to “loving” rather than “wanting to be loved”.

【お馬鹿なcoucouさんのホスピタリティ論⑩】


イタリアントマトイメージ写真©NPО japan copyright association Hiroaki

1.ホスビタリティ・ライツ「他人を思う力」Hospitality Rights "The Power of Thinking of Others"


よく、「相手の気持ちがわからない…」
「一体何を考えているのだろう…」という言葉を耳にする。

これって、仕事にも共通している問題のひとつだけど、こんなところに、「他人を思う力」の不足がある気がするね。

神さまでない限り、相手の気持ちを完全に理解することはできるわけないけれど、もともと、誰でも、相手のことを感じる力は誰にでも備わっているはずなんだ。

だから、「相手が何を考えているかわからない…」って言葉の背後には、相手のことを思う気持ちが不足している。

おもてなしの心「相手を思う力」
Hospitality Rights "The Power of Thinking of Others"

 coucouさんががあることでボーイをしていたことがある。
そこではかなりの厳しい訓練をさせられた記憶がある。
そのお店は、以前にもお話したけれど、約400人ぐらい収容できるかなり大きなレストラン。(※参照 細かくはcoucouさんのアーカイブスを↓に貼り付けてあります)

そこでまず、ドアボーイをさせられた。
(当時いやいやさせられていたと感じていたからね)

その店の社長はもともとドアボーイあがりで、六本木のど真ん中の有名な「クラブ・ラテン・クオータ」(力道山が刺された店で有名)で若い頃から教育されていた人だった。

彼は、coucouさんに、ドアボーイの心得を話す~

「いいか、毎日、毎日、ドアをお客様のために開ける。早すぎてもダメ、遅すぎてもダメ。必ず心からの笑顔で迎えること。そして相手の顔を必ず覚えること、それがビジネスのすべての基本だ…」という。

でもね、最初はとても恥ずかしい。

タイミングが合わない。
お客さんが入り口で立ち話をする人もいる。
お店の前で待ち合わせの女性もいる。

すると、coucouさんは、こんなことしていていいのかなあ?という思いと、まるで自分はピエロか、ケンタッキー・フライドチキンの看板オジさんなのかなあ?と心迷っていた。

でも、これはお仕事、日々扉を毎日開く仕事。
実際はとてもきつく、とても単調な仕事をくり返す。

なかにはヨッパライや態度の悪い奴もいる。
威張り散らす人もいる。
冬になると外はとても寒くて、店内に入りたいと思う。
一番困ったことはね、お客さんが誰も来ないのに入り口で立っていること。
なんと、つまんない…。

一体、こんなことをしていて何の役に立つの?
まったく意味なんてない気がした~
それにまったくつまらない仕事。

そんなとき、

「いつも、ご苦労さま。あなたは偉いわねえ…」

「今日も、頑張っているねえ…」

「ご苦労さま。ありがとう…」

「美味しかったよ…いい店だ。」

「この前、あなたがいなかったね。体でもこわしたかと思った…」

 このような言葉を耳にするようになった…。

2.たった10文字の言葉「ありがとうございます。」に心を込める。Put your heart into the 10-letter word “Thank you.”


一体、これはなに?
こんなつまんない仕事、こんなつまらない男に、みんなが声をかけてくれるようになった。なかにはチップをくれる人まで現れた。

まるで自分が日々、励まされ、応援されているかのように毎日が楽しくなるんだ。毎日来るお客さま。夜12時を過ぎると必ず寄るお客さま。1週間に1回か2回のお客さま。だんだんと相手の顔が見えてくる。
彼らの考えていることも感じるようになる。

12時過ぎのお客様のほとんどは水商売の女の子たちとお客さんたち。
当時のoucouさんは24歳だからこの子たちと同じ世代~
随分と仲良くしてくれた想い出が残っている。

そう、12時過ぎのシンデレラたちと、coucouさんは名付けた~

 ありがとうございます。

 たった10文字の言葉に力が入る。
声をかけてくれたお客さまに会いたくなる。
いつも来ているお客さまの顔が見られなくなると、なぜかその一日は寂しく感じてしまう。

久しぶりに来てくれるととても嬉しい。
まるで人を恋しているみたい~

coucouさんはね、今までドアボーイの仕事を馬鹿にしていた。
こんなのはちゃんとした仕事ではない、それよりもみっともないし恥ずかしい仕事だと思っていた。

でもね、こんなに日々、感動をいただくんだ。
そしてこの店のオーナーのいう通り自然と相手の名前や顔を覚えていった。

 

「多田さん、今日はお一人ですか?…」

「吉田さん、今日はめずらしく早いですね…。」

「田中さん。こんにちは、今日もご苦労さまです…。」

 

こんなことが自然に言えるようになった。coucouさんは、少し明るくなったのかもしれない。

イタリアントマトのマーク©NPО japan copyright association Hiroaki

2.相手の気持ちがどうしてわからないの?How can you not know how the other person feels?


それから何ヵ月かして、ドアボーイからボーイに出世する。
今度は動きが激しい。皿洗いから食器かたずけ、オーダー取りと店内を走りっぱなしの日々が続く~

毎日が戦争。
そんなとき、オーナーがcoucouさんたちを怒る。

「馬鹿やろう!何やってんだ。お前らはボーイを馬鹿にしているのか…」

突然のことで何を言っているのかまったくわからない。

 

お前たちはお客(他人)を思う気持ちが足りない
You don't have enough feelings to think about customers (others)

 

えっ!こんなに全力でやっているのに一体何が足りないの?
それに怒られる必要はない、一生懸命やっているのだから…

「いいか、お前たち。ただお客さまのオーダーを取って食事を出せばいいと考えているのだったら、店をやめろ!いる必要はない。いいか、もっとお客さまのこと (相手を)思ってみろ!今、お客さまが何を考えているか、何を求めているのか、どうしてわからないのか…」

この時、この言葉の意味がまったくわからない。どうして怒られるかもわからない、だって、一生懸命にお客様のことを考えていたからね。
coucouさんたちのホールのチームは12人。
みんなでただ驚いていた。

すると、

「いいか、オレたちは選ばれた人間だ。何を選ばれたのかといえば、お客さまに喜んでもらうために選ばれた人間だ。だからお客さまのことを思う、考えるんだ。考えれば考えるほど、思えば思うほど相手の気持ちは見えてくる。お前たちはオーケストラでいえば指揮者だ。すべてを見通す力を身につけなければならない。ホールは観客席に入場してきたお客さまだ。観客者全員がお前たちを見ていることがわかるはずだ。いいか見られている立場だぞ…。」

「お前たちはただのボーイではない、選ばれたスターなんだぞ。スタ−って奴は誇りやプライドを持って仕事する。観客に喜ばれることがスターの役割だ。ボーイじゃあない。素晴らしい仕事なんだぞ。もっと自信を持ってお客さまをみろ!答えはそこにある」

coucouさんたちにとっては強烈な言葉だった…。

coucouさんたちたちはショーを見に来る観客を相手にし、喜ばれることを使命とする仕事だったんだ。

その日からcoucouさん12名の考え方が変わった…。

それはお客さまが何を考えているのかを見ることだった。

お客さまがレストランに来る目的は、もちろん食事だけど、
食事だけじゃあない。

なんのためにはるばるこの店に来るのかといえば、やはり美味しい食事をしながら語り合うことが目的。
食事だけでなくお茶を飲みに来る人もいる。
それも話をすることが目的。

恋人同志もいれば、ビジネス取引の場合もあったり、家族で食事をする人もいる。お店はその人たちの場(ステージ)を提供すること。
楽しく、面白く、そのお店が想い出になる場合もある。
その場をわたしたちは最大限に演出(プロデュース)することなんだ。

coucouさんたちはお客さまを見つめる。
もし、お客さまと目があってしまったら笑顔であいさつをする。
睨んではいけない。
そしてお客さまのテーブルを見つめる。
お水が半分以下になっていれば、すぐに注ぐ。
お皿の料理がなくなったら、すぐにかたづける。

決して音はたててはならない。お客さまに大きな声で「スイマセン」なんていわせない。
いつも正面に立ちお客さまを見つめ続けているのだもの。
お年寄りや小さなこどもたちがいれば、イスを持ちゆっくりと座ってもらう。

このお客さまは真剣に仕事の話をしていた。
この2人は別れ話かもしれない。
なにやら深刻な話をしている人もいる。
泣いている人、笑っている人、幸せそうな人、寂しそうな人、自動的に人の心を感じる。

すべての人にはドラマがあった、
There was drama for everyone,

coucouさんは、どうやら少し人の気持ちを感じるようになったかもしれない…。

※イタリアントマト時代のcoucouさんの忘れられない想い出より。

ハートのマークに翼をつけた~©NPО japan copyright association Hiroaki

4.ホスピタリティ・ライツは「おもてなしの心」「相手を思う心」なんだ。Hospitality rights are the "spirit of hospitality" and the "mind of consideration for others."


わたしたちって、見えるものだけを信じ、見えないものは信じないという考え方が多い気がする。でもね、このホスピタリティ・ライツはすべて見えないものばかり。そのため評価することはなかなかできない気がする。

でもね、他人にはわからなくても、自らがそれを実践し、行動することによって感じ、感動が与えられる気がする。
そしてね、その感動って相手にも伝えることができる。
本当の感動って、お互いが感じあうことかもね。

ドアボーイの頃、ボーイの頃、お客さまに「ご苦労さま」「ありがとう」という言葉をもらうと、そのお客さまの顔は神様のように感じた。
今でもその方々は忘れられない。

するとね、coucouさんの喜びが、相手に伝わり、お互いの喜びに変わる。
不思議なんだけれど、もう一度、もう一回とその人に会いたくなってくる。反面、その人と会えないと寂しくなってしまう。

人を思う力って、人を愛する力、それが、「伝える力」「見せる力」「感じる力」「表現する力」「他人を思う力」「夢をもつ力」「喜ぶ力」、これらがホスピタリティ・ライツの力の根源といえる。

もし、今自分の仕事がつまらないという人がいたら、
「考える力」を身につけてほしい~


「愛する」ことによって「愛される」からね。

大事なことは、いつも見て感じているものを、考える、意識することによって、その人の背後を感じることで見えないものが見えてくる気がする。

人は見ていてるものすべて、本当に見ているとは限らないんだもの。

さて、次からの、お馬鹿なcoucouさんのホスピタリティ論は、「成功の種」を見つける。
「成功の種」は見つけるだけではダメ。
それに種を蒔き、水をやり、育てること。

ホスピタリティ・ライツ「成功の種」と「発想の盲点」のお話をしますね。みんなに役に立ってくれたらうれしい~


毎回長い、coucouさんnote~
もう少し短く努力するね~

でも、それでも、読んでくれてありがとう~


また、あしたね~



文字数5,687文字

この入り口でドアボーイをしていた~©NPО japan copyright association Hiroaki

※coucouさんが学んだホスピタリティの原点4部作~誰も知らない~「イタリアントマト物語」お時間がある方は読んでくださいね~

当時の仲間たちがこれを読んでくれて励ましてくれた~でも、noteでは不人気~

ここにcoucouさんの24歳からの青春(原点)があった~
見てくれたらうれしいなあ~



【和訳】“変わろうとしてるのに” Fly By Midnight-Nothing New


※後半に、Ⓒひとえさんコラボ作品~【ちょっぴり悲しい癒しの童話】聞いてくださいね~



coucouさんのアーカイブス(過去作品)だよ、みてね~

coucouさんのお気に入りnoteの素敵なクリエイターさんたち~

coucouさんのホームページだよ~みんな、みてね~

Production / copyright©NPО japan copyright coucou associationphotograph©NPО japan copyright association Hiroaki
Character design©NPО japan copyright association Hikaru


©NPО japan copyright association 


98.【癒しの朗読】

【癒しの読み聞かせ】猫吉親方(ペロー・作 楠山正雄・訳)【ホッとする童話】

Ⓒ一技(ひとえ)YouTubeチャンネル~仕事やご自宅、眠る前にスマホでもお聞きくださいね。


Ⓒ一技(ひとえ)【癒しの朗読】

【癒しの読み聞かせ】猫吉親方(ペロー・作 楠山正雄・訳)【ホッとする童話】

※coucouさんが20歳の頃に描いた「長ぐつをはいたねこ」のイラスト「人形劇団でく」のパンフレットより

©NPО japan copyright association coucou


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