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骨折しても街には繰り出す 油麻地,香港

0時5分。台北発の香港エアラインに乗って、香港に向かう。

桃園国際空港

最近、民主の女神と呼ばれていた周庭さんが、事実上亡命したとニュースで報道されていた。

香港といえば、民主デモが鎮圧されたイメージが大きい。ニュースで見たあの大規模なデモを完封した警察の姿は、鮮明には覚えていなくても、怖いという印象は強めに残っている。

ほんとは台湾からの直行便で日本に帰る予定だったが、香港経由の方が安かったから、香港に行くことにした。

若干の怖さはあったが。

台北


深夜0時5分発の便に乗って、香港に着いたのは午前2時。

その日はホテルをとっていなかったので、空港で夜を明かすことにした。

香港国際空港


4席が並んでいる椅子の2席分をお借りして、リュックを枕に体を丸めて寝る。

当然、快適な環境ではないので、寝ては起きて寝ては起きてを繰り返す。


朝9時。

途中でコンビニに行ったり、場所を移動したり、また寝てみたり、適当に空港で過ごしていたら狙い通り時刻は9時くらいになった。


空港職員に香港の中心地までとにかく最安で行ける移動手段を聞く。本来は電車一本で行けるところを、バスと電車、電車で2回乗り継いで行った。


香港ぽい建物?


香港の中心地を歩く。

新しいビルもあれば、昔の香港映画に出てきたような古いビルもある。

特に共産主義感があるわけでもなく、かといって民主主義感もない。数年前のニュースによる自分の先入観が不思議な空気を作る。

お土産屋

午前中に2時間ほど香港をぶらぶら歩いて思ったのは、歩行者に怪我をした人が多いこと。

腕にギプスをはめて歩いている人や足にギプスをして松葉杖の人など、骨折してる人が多い印象だった。

どこかしらを怪我している人を5人見て、3人は骨折の疑いがある人だった。

短時間で骨折している人を立て続けに見ることは日本ではあまりなかったから、印象に残っている。



なぜ骨折している人が多いのか考えてみた。

データもないし根拠もない持論を展開してみて思ったのは、香港は骨折している人が多いのではなくて、骨折してても外出している人が多いということ。

香港を観光してみての肌感、香港に骨折しやすい環境が整っているとは考えにくい。治安の悪さは感じないし、感じるのは空気の悪さだけ。

骨折している人の数は日本とそんなに変わらないのではないか。という適当な前提条件を立てる。

となれば、骨折している人が多いのではなくて、骨折したとしても外出する人が多いのではないかという仮説が僕の中だけで立った。


おそらくこの仮説は一生検証されることはないのだが、骨折中に外出するに至る要因は2つあると考える。


ひとつは香港人のメンタル。
「骨折がなんやねん、関係あらへんわ。骨折してても外出したるわい。」みたいな、骨折くらいで外出を控えることはないメンタルを香港人が所持している説。

もうひとつは香港の文化や環境。
「骨折したときほど外に出よう。太陽を浴びて気分が晴れれば、骨もくっつく。」みたいな言い伝えが、骨折したときこそ外出という文化を作っている説。



果たしてなんで骨折していた人が多かったのかは分からない。上記であげた2つ以外の要因かもしれないし、そもそも偶然かもしれない。(偶然説が一番濃厚かもしれない。)


分からないけど、こういう歩行者を見るだけでも日本と違いがあって面白い。その理由を考えてみたり、原因を適当に想像してみたりするのも楽しい。

バス停


僕はまだ人生で一回も骨折したことがない。

ぜひ骨折した暁には、香港のことを思い出したい。

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