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家事をラクにするための収納術【料理編②冷蔵庫整理】

シリーズでお送りしている「家事をラクにするための収納術」の2回目。
前回は料理を時短できるキッチン収納についてお伝えしました。
前回のnoteはこちら

今回はキッチンになくてはならない家電である冷蔵庫の整理収納についてお話ししていきます。

気づいたら冷蔵庫の奥から賞味期限切れの瓶詰めが出てきたり、野菜室の野菜が干からびていたり…こんな経験、誰もが一度はあると思います。
冷蔵庫の奥や底に何が入っているのかわからないから見るのも怖い…という人もいるかもしれません。

それではせっかく購入した食材も食費も電気代もムダになってしまいます。これらのムダを防ぐためには冷蔵庫を整理して使いやすい仕組みをつくることが大切です。

では、どのように冷蔵庫を整理していけばいいのでしょうか?

重要なのは中身の「見える化」

食品ロスを防ぐためには、冷蔵庫の中身をしっかりと把握して、食材を使い切れるように改善していくことが重要です。
そのためには、冷蔵庫を「見える化」する必要があります。

冷蔵庫の中は「7割収納」が理想と言われています。これは冷蔵庫に限らず、クローゼットや収納棚なども同じです。ぎゅうぎゅう詰めの状態だと、どこに何が入っているのかわかりにくく使い忘れが非常に多くなります。
そこで7割収納をめざして、中身を整理していきましょう。

7割収納にしておくと、作った料理を鍋ごと入れたいときやいただき物のケーキを入れたいときなど、急なモノの出入りにも対応できるようになります。

また、冷蔵庫全体の見える化だけでなく、食材も見える化しておくと残量がわかるので買い足すタイミングが把握しやすくなります。そのためには中身が見える透明・半透明の保存容器や収納ケースを使いましょう。

用途別にまとめて出し入れ簡単に

収納トレーやケースなどを使って食材を収納するときは、用途別にまとめるのがおすすめです。これを整理収納の用語で「グルーピング」と言います。

バターやジャムなど朝食で使う食材は「パン朝食セット」、ご飯に乗せて食べるものは「ご飯セット」としてまとめ、ドアポケットは「中華食材コーナー」「ドレッシングコーナー」といった要領で定位置決めをすると、家族全員がモノの場所を把握できるようになります。家族に「○○はどこ?」と聞かれるストレスが減り、使いたい食材を探すために冷蔵庫を長時間開けることもなくなります。

冷蔵庫に収納する前のひと工夫

冷蔵庫がごちゃごちゃしてしまうのは、詰め込み過ぎが大きな要因の一つです。
これは在庫管理をきちんとしてムダ買いが減れば解消されていきます。

食材の買い足しをした場合は「先入れ先出し法」といって、新たに購入した食材を奥に入れ、使いかけの食材は手前に置く方法を心がけましょう。
これだけでも食品ロスがかなり減ります。

また、買ってきたものをそのまま収納してしまうことも中身が把握できない原因です。
たとえば冷凍庫の箱入りアイスを箱ごと入れておくとします。中身が空っぽなのに箱だけが残っていて在庫があると思い込み、アイスを買い損ねたことはありませんか?
こういったことを防ぐためには、箱から出して収納ケースにまとめて入れるのがおすすめです。

箱から出す、カップやパックはばらす、袋ものは密閉容器に移し替えるといった作業は面倒くさいかもしれません。買い物のあとは疲れてしまい、何も考えずに収納してしまいたくなる気持ちはわかります。
ですが、ほんのひと手間かけるだけで「明日の自分がラクになる」と考え、買い物後の収納作業は手間を惜しまないでほしいなと思っています。

とはいえ、どうしても頑張れないときもあるでしょう。そんな場合は、気力が戻ったときに入れ直してみてください。

出し入れしやすい収納グッズ選びを

冷蔵庫は奥行きがあるため、そもそも収納に適した構造になっていません。ですから、ある意味では構造に問題があるのであって、食品ロスが起こるのは私たちだけのせいではないとも言えます。

ただし食材をムダにする罪悪感は消えませんから、自分たちで工夫する必要があります。そのためには冷蔵庫には奥行きや高さをムダにしない収納グッズを活用しましょう。

おすすめしたいのは
「コの字ラック」
「手前に取っ手が付いた収納トレー」
「仕切り(ブックエンドや紙袋、100均のドアポケット用仕切りなど)」
の3つです。
コの字ラックは、庫内の棚を増やしたいときに使います。冷蔵庫の棚板は高さ調整できない場合が多いので、高さが余ってしまいがちです。
コの字ラックを使って2段にすれば、食材を重ねる必要がなくなり出し入れもしやすくなって便利です。

収納トレーは100円ショップなどで売っている冷蔵庫の奥行きに合わせた取っ手付きの専用トレーがおすすめです。トレーにグルーピングしてまとめておけば、奥の食材も簡単に出し入れできます。種類が豊富なので、幅や高さは収納する食材によって変えてみてください。

ブックエンドは冷凍庫で立てる収納の仕切りとして、紙袋は野菜室の野菜の仕切りとして使えます。ドアポケット用の仕切りは、飲み物や調味料の瓶などがぶつからないようにするために重宝するでしょう。

冷蔵庫整理に向いている時期

冷蔵庫整理は基本的には思い立ったときにやるのが一番よいのですが、気温が高くて食材が傷みやすい夏場よりは涼しい時期にやることをおすすめします。もし暑い時期に整理する場合は、食材を一度に全部出さずにポケットや棚ごとに分けて整理したほうが食材の傷みを防げます。
時期としては、年末大掃除のときに冷蔵庫の掃除がてら中身を整理してみるのがベストです。

冷蔵庫の中を見直して、食品ロスを防ごう

冷蔵庫整理は、買い物の仕方や収納方法を見直すきっかけにもなります。
7割収納が理想といっても、家族の人数が多くて一度にたくさん買い物しなければならない人もいるでしょう。そんな場合は、一時的に10割になっても問題ありません。

食品ロスを防ぐためには、何日でどれくらいの食材を使い切れるかを計算し、冷蔵庫に入るだけの量を買うことが大切です。その上で、冷蔵庫内の食材を見える化し、出し入れしやすい仕組みをつくってみてください。
食べ物をムダにする罪悪感がなくなり、冷蔵庫も気持ちもスッキリした暮らしにしたいですね。

時短家事全般の話はこちらのnoteをお読みください。

【プロフィール】
藤野こと
整理収納アドバイザー、住宅収納スペシャリスト。片付けコラムニストとして整理収納や時短家事の記事を多数執筆。家事は「素早くラクに」がモットー。生活動線を短くして楽家事となる仕組みづくりを考えるのが得意。個人・企業向けに片付けのコンサルティングも手がけている。フランス語の翻訳家としても活動し、翻訳本には『feel FRANCE100〜写真と言葉で感じるフランスの暮らしとスタイル』などがある。神奈川県横浜市在住、夫と息子の3人暮らし。

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