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335.どうして?キティちゃんは笑わないの?それに口がないの?実はこの口がないことこそが、キティちゃんのヒットの秘密だった。


1.大人からこどもにまで愛される秘密「ハローキティ」

日本の著作権産業の一人者といえば「サンリオ」。
そのメインキャラクターといえば、「ハローキティ」。

どなたもご存知の赤いリボンをつけたキュートな白ネコ。
このキャラクターは、老若男女問わず、誰の目にも高感度は高い、そして、ぬいぐるみはもちろん、文房具、お弁当箱、洋服、ストラップなどあらゆるキャラクター商品として発売されている。

今や日本のみならず、アメリカでも大人気。

でも、このキティちゃん。
よ—く見ると何かを訴えかけるような少し離れた目、そしてちょこんと小さな鼻が特徴る大人からみると何となく冷たくも感じる。

どうして冷たく感じるのだろう?

どうしてこども達から若者にまで受けているのだろう?

だが、よーく見ると、なんと口がない。この口がないために、怒っているんだか、笑っているんだか、悲しんでいるんだかわからない。それが冷たく感じてしまう。だが —。

実はこの口がないことこそが、キティちゃんのヒットの秘密だ。

このキティちゃんのファンは、こどもから主婦まで実に幅広い年齢層の女性たち。この女性たちもこどもの頃、このキティちゃんにお世話になっている。そして自分のこどもたちといっしょにキティちゃんと楽しんでいる。彼女たちにとって、キティちゃんは生活の一部であり、友達でさえある。

彼女たちにとって、もしこのキティちゃんに口がついていて、笑っていたり、悲しそうな顔をしていたのでは、その時々の彼女たちの「気分」に合わない。
だからこの無表情が良いという。

このサンリオのキティちゃんは他のキャラクターとは少し異なり、この表情がない分、キャラクターとしての個性は弱い。
むしろドラえもんやミッキーマウスの方が喜怒哀楽があり誰もが親しみやすく個性は強い。

それは目や口元に表情のポイントを置いているからだ。

しかし、キティちゃんの場合はそれらとは背中合わせ、あえて表情をなくしている。また、キャラクター独自のストーリー性などもない。
(ドラマ性はない。)
しかし、じっと見ていると不思議なことに、時によっては笑っているようにも、泣いているようにも見える。

つまり、口がないために、どのようにも感情移入ができる。
また表情がない分、笑ったり、泣いたりしていない分、飽きない。
飽きられない性質をもっている。
これは、いつ、どこにあってもジャマにならないのだ。

悲しい時、そのキャラクターが笑っている場合、時としては励まされる場合もあるが、イライラしている時、その笑顔が見たくない時もある。

それとは逆に、とてもうれしい時に、そのキャラクターがあまり悲しそうな表情をしているとその喜びが半減してしまう場合もある。

本来キティちゃんの製造元のサンリオでは、初期の作品をよく見てみると、とても感情表現の豊かな、イラストレーターの水森亜土や、漫画家のやなせたかしさんの作品をかなり扱ってきている。
その後、キティちゃんに切り変えてきた。

これらの大きな理由は、サンリオというオリジナル著作権という独自の個性ではなく、当時は、いくら大量生産したとしても、水森亜土、やなせたかしのオリジナル著作物だったということにつきる。

そして、どのようにも感情移入できるキャラクターを導入。
これがいつ、どこにあってもジヤマにならない。

むしろインテリア小物感覚のように飽きない絵としてこのキティちゃんが生まれた。
また、私から見ると、このキティちゃんは、キャラクターというよりも、ドラマ性、ストーリー性がない分、ロゴマークやサービスマークに見える。

つまり、ロゴ、サービスマーク等には感情がいらないからだ。これも戦略の一環だろう。

確かに、キティちゃんには不思議に飽きのこない魅力がある。
今の女の子、女性にとって、ちっとも古さを感じさせない。 

独占インタビュー サンリオ辻会長がみた戦争(2020年8月28日)


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