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334.赤ちゃんが飲みやすいマックのアイデア、マックシェイク。

 

1.大脳生理学者がおもわず賞賛したオモチャの原点「ダイヤブロック」



https://www.kawada-toys.com/brand/diablock-junior/catalog/dbj-001/より


今、日本全国で知らないこども達はいないといわれるオモチャといえば、「ダイヤブロック」。一般家庭はもちろんのこと、幼稚園、学校にまでも置いてあるほどの大メジャー玩具。

説明するまでもないが、このブロック、イボイボの突起でブロック同士を自由につなげることによって、家でもロボットでも、車や電車、なんでも自分の好きなものを自由に自在につくることができる。
またオプションもあり、タイヤをつけたりすることも可能。

また落としても壊れない。
危険も少ない。
原点は「積み木」あった。

アメリカの大脳生理学の研究者がこの商品にこんなコメントを残した。
「『ダイヤブロック』は、子どもの右脳を発達させ、創造力を身につけさせるうえで、非常に好ましい玩具だ」と言明。このことで親としてみれば、これで遊んでくれれば安心という太鼓判を押されたようなもの。

それまでは「積み木」が主流だったこの世界、「ダイヤブロック」の登場は画期的なものだった。
この発案者は、㈱河田の河田親雄社長。
彼がこのオモチャを思いついたのは昭和27年代半ば、当時「何かオモチャの新しいものはないか」と日々知恵を絞っていたこの社長。おもいがけないところでヒントに出会った。

丁度その頃、ある文具メーカーが発売した鉛筆のキャップに、イボイボの突起がついていた。当時のこども達はこれを取り外し、好きな形につなげて遊んでいるということを耳にしたのだ。

さらにそれがブームになっていた。
「なには、ともあれ —。」と、そのキャップ付き鉛筆を購入し、実際にこども達に与えてみた。

果して「どうやって遊ぶのだろう」、やはりこども達は天才だ。

その鉛筆を与えられたこども達は、本体の鉛筆の方は無視した、イボイボの突起部分を取り外し、これを好きな形につなげて遊んでいる。

よく見ると作るものは怪獣らしきものであったり、何やら不可解なものだったり、さまざまな形にして、とにかく夢中になって遊んでいる。

この様子を見た河田社長は、はっと思いついた。

「これをキャップではなく、独立した玩具として作れば、こども達はきと喜ぶにつがいない。」この時、この玩具を作れば必ず儲かる、一躍有名になるなんて言葉はない。

むしろ「子供達はきっと喜ぶ —。」というワクワク感だ。

そこで、カラフルなプラスチックのブロックに突起をつけ、これをつなげて好きな形ができるようにしてできたのが「ダイヤブロック」だ。

これは当時から、発売した瞬間から、日本全国ですごい反響を呼び、あっというまに大ヒット商品になってしまった。

おかげで、㈱河田は世界的な玩具メーカーとなる。現在発売されて、年を越えているが、今でもこの「ダイヤブロック」は不滅の人気を誇る大ベストセラー商品だ。

このダイヤブロックの特徴はまだある。それは小さなこども達だけのオモチャではなく、大人もいっしょになって楽しめる点にある。

さらに一人遊びだけではなく、複数の友達といっしょになって組み立てできるという点だ。

あるお父さんは部屋のまん中にでっかいお城を立ててしまったり、巨大なロボットを作ったり室内のインテリアとしても楽しめる。
またきちんと整理されれば、収納にも苦労はない。
さらにいらなくなっても必ず必要とされる玩具だ。

最近、家庭でいらなくなったものをフリーマーケットで販売している人達をよく見受けるが、必ずといって良いほどこの「ダイヤブロック」がある。

コンピューターゲームが盛んなこの時代に、この原始的だが存在感のある玩具はまだまだ生き続ける。この玩具は、誰もが簡単で自由に創作できるという点と、創造力、つまり考える能力を身につけるという副産物として活用されている。
 
 

まだある。物語 ダイヤブロック編


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2.「田(でん)と呼んで下さい。」というマクドナルド社長の藤田田のわざと飲みにくくするマックシェイクのアイデアとは ー。


「マック」といえば誰もが知っている「マクドナルド」。この社長と一度お会いしたことがある。
マクドナルドが初めて日本に進出したのは1971年(昭和46年)5月1日頃。

それまでは日本にはファーストフードという言葉はなかったといえる。マクドナルド上陸は現代の黒船来船ともいえる。

このおかげで、日本の外食産業行動は大きな変貌をとげる。
当時は食堂は食堂、食後のコーヒーは喫茶店といった時代。
このパターンが崩れたのだ。

しかもハンバーグといえば、レストランの高級品。

しかし、「マック」では、牛肉が安く食べられるといった「食革命」、そして若者文化に貢献。マクドナルドがこの日本に果した役割りはとてつもなく大きい。

ある地方ではマクドナルドがなければ都会度が低くなるというバロメーターや、出店ラッシュのその時代、マクドナルドが出店しているそばで商売をやれば必ず儲かるという神話まで生まれた。

しかし、それは神話ではなく、マクドナルドは出店する際に、事前調査として多額の費用をかけていたからだ。ただ人が集まっている、人が多いという理由だけで出店していない。

つまりマーケティングと戦略をしっかりともっていたからだ。
それは本格的な市場調査にある。
これに便乗するお店は、その多額の費用をつかわずとも、マクドナルドがしっかりとした調査を終えた場所で出店するのだから、その立地は誤りがないといった具合。

しかし、そんなマクドナルドの人気の秘密は何だろう?

よく言われることに客のニーズや心理を巧みに読んだ商品開発がある。

ひとことでいうと「」。
つまりコツ —。
「おいしく感じさせるコツ」、
「また来たいと思わせるコツ」、
「安いと思わせるコツ」これが人気の秘密。

人はまるでマクドナルドにマインドコントロールされ、信者となる。
マクドナルドに関する本がいっぱい出版されているのでここでは省くが、藤田さんから直接聞いたアイデアがある。

それは —。
たとえば、あの「マックシェイク」。アイスクリームをかき混ぜたような飲み物、そこには周到な計算が隠されている。

人間というものは、田さんはいう。
「赤ちゃんがものを吸い込む時の速度が一番おいしいと感じられる —。」

え、赤ちゃんとマックシェイクの関係?
一体何の話だろう?

飲んだことのある人ならわかるだろうが、マックシェイクは飲みにくい。
特にアイスクリームが溶けていない段階では、ストローをいくら力強く吸っても、なかなか口の中に入らない。
ムキになって吸い続けると首の筋肉が痛くなり出す。
また実に疲れる。

これは戦略なのだという。マクドナルドは無理に、わざと吸いにくくしているという。
つまり、あえてゆっくり飲ませることによって、より以上のおいしさを味わうことができる。

これは実験に実験を重ねて研究した成果の一例だ。
このマクドナルドの戦略によってわたし達はいつのまにか幼児体験をし、生まれた頃の母親を懐かしみ、チューチューとまるでミルクのように吸い込んでいるのだ。

このように飲みづらくても、決してマズイとは思わせない「マックシェイク」の秘密がある。

また、パンの大きさ、ハンバーグの厚さ、具、すべてが緻密に計算し、人間の心理的な部分を取り入れ戦略として商品化しているものだ。このように商品のヒットの裏には、それぞれの秘密が隠されている。

またこのマクドナルド、商品の大きさ、穴の大きさ等のサイズ(寸法)にものすごいこだわりをもっている。そのこだわりは0・何ミリまで計算されつくしている。

話は少し変るが、昔の田中元総理は、自分の自宅のトイレのトイレットペーパーの高さまで寸法を計算し取り付けていたという。
このように寸法つまり、図面はアイデアにはとても重要な部分。
何も建物を建てるだけに寸法が必要なことではなく、小さなアイデアでもこの寸法は人間の心理につながることがわかる気がする。

McDonald's】 歴代マックシェイクCM 総集編 【1982-2017】

なつかしのCM マクドナルド 2005-2007



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