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UXリサーチ知見まとめ

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UXリサーチの知見をまとめていくマガジンです。noteではプロダクトデザイナーを募集しています→https://open.talentio.com/r/1/c/note/page…
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#デザイン

はじめてのユーザー理解 〜『コンタクト履歴』のすゝめ〜

こんにちは。サイボウズでデザインテクノロジストとしてkintoneを開発するトビ(@0b1tk)です。 私は自社製品であるkintoneの開発者として、ユーザー起点でサービスづくりをすることに心血注いでいるのですが、 「ユーザー理解」ってむずかしいよね? どうやって開発者としてユーザーの解像度を高めていけばいい? というプロダクトデザイナーやエンジニア向けの内容になります。 要約約5,000字のnote記事になります。時間がない方はこれだけでも抑えていただけたらと思

N=1の「最高の体験」を考え抜くたった10秒の習慣とは

自分には、働き始めてから9年間続けているちょっとした習慣があります。それはユーザーインタビューをやった直後の10秒に、ある問いを自分に投げかけることです。 これだけです。チームで振り返りの時間が取れるときもそうでないときも、一瞬でいいので問いかけるようにしています。もともとは新卒の頃の上司でユーザー調査が抜群にうまい上司がやっていた習慣で、気づけば自分も9年間続いていました。 最近 X (twitter) でこのことを書いたところ、少し興味を持っている人が意外と多そうだっ

ユーザーリサーチが「使えている」組織とは何か?あるいは、ユーザー理解の組織実装について

これまで、累計500名以上、150社を超える個人や企業の皆さまへのユーザーインタビューやヒアリングを行い、これまでに、3度のプロダクトの立ち上げ、大小含めて7回ほどのピボットを経験してきました。 今年はCentouというユーザーインサイトやユーザーニーズを管理するSaaSを立ち上げ、ますますユーザーリサーチ(UXリサーチ)領域に対しても、解像度が高まった一年でした。 そんな折、今年の締めとして、ユーザーリサーチ領域において今後1〜3年のテーマになってくるであろう「事業に資

人類学的なデザイン

Spectrum Tokyo Fest 2023にて、「人類学的なデザイン」というタイトルで登壇させていただきました。 近年、人類学とデザインの領域がより近接しています。他者を知ることを通して、翻って自分を深く知る。そのような人類学的な態度を組織にデザインする実践について、提供開始から1年弱で発行枚数200万枚を突破し、グッドデザイン賞も受賞した「メルカード」のデザインプロセスと、お客さまを知るために毎週実施している「Research Hour」の取り組みを事例に紹介しまし

ユーザーインタビューの準備って何してる?よい質問を作るコツと心得

こんにちは。東芝UIデザインチームの小野です。 UXデザインや人間中心設計のステップで「ユーザーインタビュー」ってよく聞きますよね。仕事や大学の課題でやっています!という方も多いでしょうか。 簡単に言えば「人に質問をして情報を得る」ことですね。UXデザインやUIデザインのフェーズごとに、その役割をもう少し詳しく解説します。 現状分析…ユーザーそのものや課題への理解を深める 仮説検証…考えた仮説(アイデア)がユーザーのニーズに沿っているか確かめる ユーザビリティテスト

#1 そのUXリサーチには『嘘』がある(UXリサーチの方法論)

今回から「UXリサーチの方法論」というテーマにて連載する。 昨今では「UXリサーチ」や「デザインリサーチ」といった分野が開拓され、ビジネスシーンにおいて市民権を得つつある。特に「N1分析」という言葉に代表されるように、定性的な調査からインサイトを得るプロセス・方法論の重要性が見直されている状況にある。私自身もbeBitのコンサルタントとして10年以上にわたって様々な企業のUXデザインやリサーチを支援してきたこともあり、自らの専門分野に光が当たってきたかのようで嬉しく感じてい

UXリサーチにおけるバイアスの種類を特定する|Identify types of bias in UX research

この記事では、バイアスが具体的にデザイン・ワークにどのように影響するかについて説明します。 以下の6種類のバイアスについて解説します。 バイアスの種類|Kinds of biases 確証バイアス|Confirmation bias 誤合意バイアス|False consensus bias 優先バイアス|Primacy bias 最新性バイアス|Recency bias 潜在的バイアス|Implicit bias サンクコスト・ファラシー|Sunk cost f

2022年もいろいろUXリサーチの教材をつくったので無料配布するよ!

羽山 祥樹です。日中は某大手企業で働きながら、2年前に日本ウェブデザイン株式会社を起業しました。UXデザインやUXリサーチのコンサルティングやコーチングをする会社です。 ここ数年ずっと、自分のもっているノウハウをひたすら外化して、SlideShareやメディアでの連載記事で「このとおりやれば誰でもUXデザイン・UXリサーチができる」という、具体的でやさしい教材にしてガンガン無償公開する、ということを続けています。 30代の前半に「自分の手元にあるノウハウもお金も自分が死ん

「ユーザーに価格を聞いてはいけない?」ユーザーリサーチと価格受容性調査【UXとマーケティングの関係】

UXデザインの仕事をしていると、商品やサービスの「適正価格を知りたい」というご依頼をいただくことがあります。 ユーザーリサーチの教えでは「いくら払うか?ユーザーに聞いてはいけない。」とされていますが、サービス体験設計では、ユーザーにとっても価値と対価のバランスは大事です。 ニーズに応えるには、どのようなアプローチがあるのでしょうか? なぜ、ユーザーに価格を聞いてはいけないのか?下記のような質問をユーザーにするとします。 「具体的な金額」「使いやすいか?」など、Yes/

UXリサーチをアップデート!「北欧、暮らしの道具店」流お客さまインタビューのコツ

こんにちは。デザイナーの白木です。早いもので入社して1年が経ちました。前回は入社3ヶ月目の印象とデザイナーの役割について書いたのですが、そのときに今後やっていきたいこととしてUXリサーチ(ユーザー体験に関わる調査)をあげていました。 その後、UXリサーチを少しずつ進めていき、現在では定期的にユーザーインタビューを行い、改善に繋げられるようになってきました。 今回はUXリサーチの立ち上げから半年間について、インタビュー形式(自分で質問して自分で答えてます)でご紹介します。

チームに合わせたちょうどいい定期リサーチのかたち

この記事は UX Research Advent Calendar 2021の16日目です。 こんにちは、freee株式会社でデザイナーをしているkouです。freeeでは人事労務プロダクトのデザイン・リサーチを担当しています。 このnoteでは私のチームで実施している定期リサーチとそのメリットについて書いていきたいと思います。 定期リサーチを始めた経緯私が所属しているデザインチームは6名のデザイナーで構成されています。それぞれのデザイナーは特定のモジュールにアサインさ

UXリサーチで気をつけたい7つの認知バイアス | UI/UX Journal Vol.18

2ヶ月ほど前から、Google UX Design CertificateというGoogleが提供しているUXデザインのオンラインコースを受講しています(コースについては以下のnoteにまとめています)。 2ヶ月ほど続けてみて、学ぶことがとても多いのですが、その中でもとくに「Identify types of bias in UX research(UXリサーチにおけるバイアスを認識する)」というトピックが気になったので、復習を兼ねて&少し深ぼってまとめてみたいと思います。