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#マンガ感想文 記事まとめ

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マンガ感想文や、おすすめのマンガの紹介について書かれた記事をまとめた公式マガジンです。
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#漫画感想文

『ルックバック』を語りたい~『ルックバック』は「創作者」だけの専売特許ではない、万人に刺さる名作だ~

1 私の『ルックバック』との出会い  現在劇場映画『ルックバック』が上映されており、私も先日映画館で観に行った。久しぶりにとても良い映画を見たと思ったので衝動的に『ルックバック』の感想なり評論なりしたいと思いnoteを開いた。だが、色々脳内なり感情なりがグジャグジャとして整理がつかないので、書きながら色々自分の気持ちや感情を整理しつつこの投稿を書き進めたいと思う。出来るなら映画を観て生じた「情熱」が変に冷めてしまわないうちにこの投稿を書き上げてしまいたい。  私は『ルックバ

2024年6月の本棚

上半期もお疲れ様でした。6月に読んだマンガをまとめていきます。 芭樂歌 BLA BLA SONG(ぶらぶらソング) / PETER MANN(尖端出版) 台湾の出版社から2022年に刊行された台湾漫画の短編集。今月、海外漫画を多く取り扱う書肆喫茶moriさんの通販で購入しました。2400円と高額でしたが、全然お釣りが来るレベルの満足感。 これがもう本当に心に深く残ったので、特別に今月の10冊に入れることとします。(サムネの10冊は原則その月に出た新刊から選定しています)

藤本タツキ 『ルックバック』 : 半自伝的作品、 と見せかけて

書評:藤本タツキ『ルックバック』(ジャンプコミックス・集英社) 「俺って、天才(天啓の器)?」って思わされた。どういうことかと言うと、本書を「今頃になって読んだ」のは、本作がアニメ化されると知ったからといった、そんな平凡な理由からではなかったからだ。 いや、それもあるにはあるのだが、それだけではないと言うか、そっちが主たる理由ではない。 その主たる理由というのは、先日「note」の記事として書いたことなのだが、「積読の山が崩れた」から、なのだ。平積みにしてあった、未読本の

Kashmir 『ぱらのま 7』 : 「愛」を語るには。

書評:Kashmir『ぱらのま 7』(白泉社・楽園コミックス) 「鉄道旅行オタ(乗り鉄)女子」のまったりライフを描いたシリーズの、第7巻だ。 先日、同じ作家の「鉄道旅行幻想譚」シリーズである『てるみな』の最新第5巻が刊行され、そのレビューを書いたので、それに少し遅れて刊行された、当『ぱらのま 7』のレビューも書こうと思って購読し、このようにレビューを書き始めたのだが、そこで初めて、前第6巻を読んでいないことに気がついた。 第6巻を買ったような気もするし、あるいは、他に読む

忘却バッテリー 感想 設定とキャラが卓越した良作漫画。野球漫画と敬遠せずぜひ読んで欲しい……。

どうも!647です。 久々にフルヒットした漫画がありまして、大人買い&一気読みしたので感想を!! アニメから入り、即、漫画を全巻大人買いしました。 今期アニメは展開がクソ化してしまった「無職転生」や「転スラ」、出版社プッシュされまくっている「怪獣8号」なんか目じゃないね。 覇権は「忘却バッテリー」でしょうが!と言いたい。 連載中のジャンプ+の漫画では一番面白いのでは? 個人的には、漫画購入に至らなかった怪獣8号よりも推せます。 なぜ同じジャンプ+である、怪獣8号よりも

4月に読んだおすすめの本&漫画【2024年版】

みなさん、こんにちは。ミヤマです🙌 今回は4月に読んだおすすめの本&漫画の感想をまとめました。 漫画については再読も含め128冊の中からとくに好き!と思ったものを厳選したのでぜひご参考ください〜! 漫画[1] まるさんかくしかく 2巻 さすが東村アキコ先生、相変わらずエッセイ(風コメディ)漫画がめちゃくちゃうまい……!! 宮崎県に住む昭和の小学生たちの日常を描いたマンガなので世代的にも地域的にもあまり関わりのない自分が楽しめるかしら?と思ったのですが、キャラ描写とセ

2024年5月「読んだ!」マンガまとめ

こんにちは。マンガライターのちゃんめいです。 新旧問わずに今月読んだマンガを全て紹介する本企画。元々マンガが大好きで毎月たくさんマンガを読んでいましたが、マンガライターとして活動し始めてから読む量が尋常じゃなく増えました。できることなら全作品しっかりとした漫画評を書きたい! けれど、現実的になかなか難しい。いやでも、せめてあらすじや一言感想メインだけでも!……という謎の使命感からこのnoteが誕生しました。 ちなみに、「Real Sound ブック」さんでは“今月発売され

ヒロアカNo.422『緑谷出久:ライジング』を読んで

初めましての方は初めまして。 Xやpixivでの友人はどうもです。初投稿でドキドキしている朱音といいます。 感想の前に、つまらない自分語りをさせていただきます。オタクのひとり言なので、飛ばしてもらっても構いません。読んで、一人でも共感してもらえると嬉しいです。 私は普段、ソシャゲのスクショや日頃の何気ない話をXで呟くだけのゾンビのような存在なのですが、時にどうしても長文を書きたくなることがあります。それが、『面白いものを見た瞬間』です。 特に、私は週刊少年ジャンプの漫画が

Kashmir 『てるみな 5』 : 日常のなかの異界へ

書評:Kashmir『てるみな 東京猫耳巡礼記(5)』(楽園コミックス・白泉社) 前の第4巻の刊行が2021年5月だったから、じつに3年ぶりの刊行である。 しかし、「「楽園」web 増刊」への、年に3本平均の不定期連載とは言え、『楽園 Le Paradis』本誌に別作品『ぱらのま』を連載している作者としては、ちょうど良いくらいの執筆ペースなのではないだろうか。 昔の「マンガ週刊誌連載」のような、異常な執筆ペースで、読み切り作品の連載などできるわけもなく、作品の品質を保つに

おすすめ読切マンガ5選+α(2024年4月後半)

どうもマンガ大好き芸人の吉川きっちょむです。 よろしくおねがいしマンガ! 毎日何かしらの読切マンガが雑誌やweb、アプリなどで大量に世に発表されて読み切れないと思うので、忙しいひとのために話題になった読切や個人的に響いた読切をピックアップ! ↓4月前半のまとめはこちら↓ YouTubeはじめました!この春から始動したYouTubeを宣伝させてください! イマ読みたい最新のオススメマンガを紹介するYouTubeチャンネル YouTube「マンガ好きっちょむチャンネル」

2024年4月「読んだ!」マンガまとめ

こんにちは。マンガライターのちゃんめいです。 新旧問わずに今月読んだマンガを全て紹介する本企画。元々マンガが大好きで毎月たくさんマンガを読んでいましたが、マンガライターとして活動し始めてから読む量が尋常じゃなく増えました。できることなら全作品しっかりとした漫画評を書きたい! けれど、現実的になかなか難しい。いやでも、せめてあらすじや一言感想メインだけでも!……という謎の使命感からこのnoteが誕生しました。 ちなみに、「Real Sound ブック」さんでは“今月発売され

ジャンプ黄金時代の思い出 〜 「ゴールデンヒストリー」 ももいろクローバーZ

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福本伸行先生の漫画「二階堂地獄ゴルフ」レビュー「福本先生の実に素晴らしい「地獄」描写に震える。」

プロゴルファーを目指す前途ある有望な若者を支援する 桜武(オウブ)カントリー俱楽部の期待の新星であった二階堂進は 25歳のときにプロテスト合格寸前に迫りながら, その後10年に渡ってプロテストに落ち続け 「桜武」の期待を裏切り続けて今や35歳。 もう…「前途有望」でも「若者」でもない。 彼を後援し続けた人々から次第に「好意」が消え失せ 敵意に満ちた目で彼を睨む様になる。 「好意」は無償で無い上に無尽蔵でもない。 「好意」に何時までも応えられない「クズ」は見切られて当然なのだ

タカノンノ先生の「推し殺す」第1巻レビュー「『漫画は独りで描くものだが決して独りで描くものではない」という主張が少しも押し付けがましくなく感銘を覚えるコトしきりなのである。」

高校2年生の頃,天才漫画家としてデビューした大森卓(本名:小松悠)は デビューして暫くして描けなくなって「消えた漫画家」となった。 「描けなくなった」理由は編集に酷評された・級友に酷評された・ レビューサイトで酷評されたから…の様だ。 彼は今ではただの小松悠に戻って大学に進学する。 小松は同じ大学に通う漫画家志望の三秋縁と ひょんなきっかけで知り合い,彼女の話を聞くと, 高校2年生の頃,同い年の大森卓の漫画に惚れ込んで,漫画を描き始めたが 大森との才能の彼我絶対差は如何とも