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2024年5月「読んだ!」マンガまとめ

こんにちは。マンガライターのちゃんめいです。

新旧問わずに今月読んだマンガを全て紹介する本企画。元々マンガが大好きで毎月たくさんマンガを読んでいましたが、マンガライターとして活動し始めてから読む量が尋常じゃなく増えました。できることなら全作品しっかりとした漫画評を書きたい! けれど、現実的になかなか難しい。いやでも、せめてあらすじや一言感想メインだけでも!……という謎の使命感からこのnoteが誕生しました。

ちなみに、「Real Sound ブック」さんでは“今月発売された新刊”というしばりでおすすめのマンガを紹介しているので、とにかく新作が読みたい! という方はこちらもぜひ。

読み応えのある、または濃密な漫画評が読みたい方にとっては、こちらのnoteはかなり薄く感じるかもしれませんが、もし良ければ読んでいってくださいませ。この記事があなたにとって新たなマンガとの出会いになりますように。

▼ 過去の記録はこちら


助けてヘルプミー(上・下)

生徒会が校内のお悩みを解決する学園コメディ。「んなわけ」っていうお悩みから始まり、そこから一生「んなわけ」っていう展開が続きます。 ちょうどGW最終日に読んだのだが、連休ラストのしんみりした雰囲気にボディブローをかましてくるような……マジでしんみりする暇がなかった。

レタイトナイト(1巻)

“生きるための旅”がテーマの冒険マンガ。現状が苦しいなら外の世界に目を向けてみよう、と。旅の動機がまず個人的な好きポイント。 あと道中の支出や食生活など情報がみちみち&ぎゅっとしていて、その情報量の多さに目と心が嬉しくなる。特に食描写が最高に良い!

幻滅カメラ(上・下)

他人の性欲を消去するカメラを手にした主人公が、世の中の男女の性愛をぶっ壊すお話。 人はいかに性愛に振り回されているのか、多様性を誤解というか誤読してるのか.…..壮大な社会実験を見せられているかのよう。ずっと社会に中指突き立て笑顔でビンタをかます感じの作品。

サンダー3(6巻)

中学生3人組がマルチバースの地球人たちと力を合わせ、異星人に立ち向かうパラレルSFアクション。 派手なバトルからの暫し休戦。スモール3って怪我しないと思ってたけどタンコブはできるんだ! とか、意外な細かい発見が多くて何だかマニア心をくすぐる最新巻だった。

黄泉のツガイ(7巻)

ユルとアサの兄妹の絆というか、やっぱりこの2人兄妹だなぁ……と感じる胸アツ回。これまではアサのユルへの激オモ愛描写が強くて、せっかく2人が揃ってもギャグっぽい感じが多かったから一層胸に刺さった。偽アサを救出するのが、アサっていう展開も良かった。ユルとアサ、頼むから一刻も早く普通の、普通の、暮らしをしてくれ〜!

竜馬がゆく(8巻)

司馬遼太郎先生の傑作歴史小説『竜馬がゆく』を、『コウノドリ』鈴ノ木ユウ先生の手によってコカライズ化した本作。坂本竜馬の人生のターニングポイントであり、日本の近代化を後押しした歴史的決断といっても過言ではない「坂本竜馬、土佐を脱藩」。脱藩の理由は諸説あるけれど、当人亡き今では当たり前のことながら“本当の理由”なんて私たちが知る由もないこと。だが、『竜馬がゆく』8巻を読むと、彼が脱藩に踏み切るまでの感情の機微に寄り添えるような気がする。

文春オンラインさんにて『竜馬がゆく』最新8巻のレビューを書かせていただいたので、詳しくはこちらをぜひ。

呪文よ世界を覆せ(1巻)

売れないお笑い芸人が「短歌」と出会う。たった31文字だけど、自分の不甲斐なさ、悔しさ、それでもなお誰かを笑わせたい夢も.…..短歌は全てを照らし出す。 自分の心に火がつく瞬間というか、化学反応を起きる瞬間をじわじわ描く作品が好き。

どくだみの花咲くころ(1巻)

クラスで浮いてる信楽が気になって仕方ない優等生の清水。信楽の図工作品に魅せられた清水は更なる信楽沼へと落ちて行く。 尊敬でも好意でもなく、崇拝? という危うさから始まる友情。どくだみの花言葉(自己犠牲)的不穏さを感じつつポップに進むのすごい。

夢なし先生の進路指導(3巻)

声優、電車の運転手、アイドルなど確固たる夢を持つ生徒はもちろん、特に好きなものがない生徒も。誰1人取り残さない物語。 「好きなことだけではなく、嫌なことや変えたいことも原動力になる」 胸に刻みます。

てか『夢なし先生の進路指導』はマジで大人にこそ読んで欲しい〜! 先生が元キャリアコンサルタントという設定なので、ふわっと良いことを言うのではなく、キャリア理論をもとに生徒たちを導く。 大人読者からすると、読み進めていくうちに、今までの自分と現在地を確かめていくような感覚がある。

エロスの種子(5〜8巻)

なぜか4巻で止まっていたので、5〜8巻まとめて一気読み。1話ごとに必ず性行為のシーンが登場するのに、全くいやらしくないというか、美しいし尊い。(これはもんでんあきこ先生の神画力のなせる技……)というか、むしろ性行為のシーンがあるからこの作品は良い!! 愛や憎しみ、色々な感情をきかっけに芽吹くエロス(性)の衝動っていう感じで、一つ一つのお話がすごく濃厚です。

銀太郎さんお頼み申す(4巻)

大の着物好きとして知られる東村アキコ先生が描く、渾身の着物マンガ。Z世代の主人公・さとりは、ある日バイト先に客として現れた謎の着物美人・銀太郎さんと出会ったことをきっかけに着物に開眼。その後、銀太郎さんの仕事を手伝う代わりに着物を着させてもらうようになり、さらに着物の世界に没頭していく。

さとりが着物を纏うたびに明らかになる、着物の織や柄に秘められた歴史、そして銀太郎さんの切ない過去のお話......。着物が歴史や人の人生を語るというのか、まるで梅雨の静かな雨を見つめているかのように静かなロマンを感じる作品。

わたしたちは無痛恋愛がしたい ~鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん~(5巻)

モラハラ夫編が終幕! からの、顔整っている勢の憂鬱、男性への性加害問題など……新章も相変わらずテーマ設定がすごい。この作品はこれまで「まぁ、そういうもんだよね」って自分が見過ごしてみたものを、改めて突きつけてくるというのか、再議論を促してくれる。なんか会社で『キングダム』がバイブルですって言っている人をよく見るけど(確かに名作だけども)、マジで『わたしたちは無痛恋愛がしたい ~鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん~』を読んでほしい。

氷の城壁

諸事情で読み直したマンガその1。GWに遠出する予定があったので、その片道で「LINEマンガ」にて一気読み。人付き合いが苦手な小雪を取り巻く、人間模様を描く学園モノ。読み返すたびにブッ刺さりポイントが変わるなぁ〜と思うなど。なぜか今回は美姫とヨータの話がえらい胸に刺さってきて

私はヨータにとって「女」でもなく「恋愛対象」でもなく「友達」として価値のある人間でいたかった

 『氷の城壁』より

このセリフを手帳にそっと書き留めました。

正反対な君と僕(1〜6巻)

諸事情で読み直したマンガその2。この作品はストーリーの素晴らしさはもちろんなんだけど、一つ一つのコマが本当に本当にかわいい!! 「ジャンプ+」で読んできたお話なのに、単行本で見返すとミッケ! 的な嬉しい発見がある。ちなみに私は平くんが好きです。細かく、ねちっこく過去を振り返っては、答えの出ないことを延々に考えてしまうところ(自傷行為ともいう)、すごくわかる。

星子画報(1〜6巻)

諸事情で読み直したマンガその3。別マで話題沸騰中! 学歴厨ラブコメ『かしこい男は恋しかしない(通称:かし恋)』の凹沢みなみ先生による、伝説の連載デビュー作。田舎を舞台に、ロマンチックな恋に憧れる星子の日々を描いた作品で、なんかもう全ての目の付け所が天才的。修学旅行で張り切ってかわいいワンピースを持っていくものの、着る場面をミスるとか。地元のカフェにいる客層がほぼマルチの勧誘や老人だったり……。マジで「わかる」の嵐です。でもところどころちゃんと“キュン”があるので。これから読まれる方はお気をつけて(!?)

春場ねぎ短編集 未等分

『戦隊大失格』『五等分の花嫁』などで知られる春場ねぎ先生、初の短編集。『五等分の花嫁』連載化のきっかけとなった伝説の読み切り版をはじめ、それ以前に発表された珠玉の名作たちが収録されている。

「人間関係が可視化できるアプリを手にしてしまったら?」「男なのに魔法少女に変身する能力を持っていたら?」。春場ねぎ先生の「もしも〇〇だとしたら?」のバリエーションの豊かさに驚かされると共に、きっとこれらの積み重ねが「もしも家庭教師の教え子が同級生の五つ子だったら?」という『五等分の花嫁』に辿り着いたのではないかと。これまでの試行錯誤の軌跡を辿るような一冊。

レトルト以上・ごちそう未満!  スキマ飯

『今夜すきやきだよ』『じゃあ、あんたが作ってみろよ』でお馴染み、谷口菜津子先生のグルメエッセイコミック。レトルトよりは手がかかるけど、ごちそうというほどでもない……そんな“スキマ”のグルメをフルカラーで描いた一冊。谷口菜津子先生が大のお酒好きでいらっしゃるから、紹介されるメニューもおつまみ系! 私もお酒が大好きなのでもう心鷲掴みにされました。そして、食(酒のつまみ)への飽くなき探究心たるや。1ページ、1ページから伝わる熱量がすごい。

あとあと、谷口菜津子先生が描く食べ物ってどうしてこんなに可愛んだろう、どうして見ているだけでこんなにお腹が空くんだろう。リアルに描く系も好きだけど、この味わいというか照り具合というか……谷口菜津子先生にしか出せないですよね。この質感。本当に大好き。

スパあんこうの胃袋

疲れた、もう無理! って日に突然深海魚に食べられたかと思ったら、目の前に広がるのは、今の自分に必要なものが全部揃った「スパあんこうの胃袋」。温泉施設から豪華なレストラン、メイクアップルームやマンガ読み放題コーナーまで……なんでも揃うこの空間で癒されながら、日常を振り返り、少しずつ自分を取り戻していく。他人のことばっかりで、つい自分をおざなりにしがち。なんて人には刺さるんじゃないでしょうか。

2024年5月雑記🌿

ここからは毎月恒例、今月のお仕事報告です。

▼ 「週刊ビッグコミックスピリッツ」26号:映画『デデデデ』幾田りらさん×あのさん音楽対談記事

取材・文 担当させていただきました。映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』で声優と主題歌を担当したお二人。曲作りの出発点から初のフィーチャリングの裏側、好きなセリフまで。現在公開中の前章・後章と共にぜひご覧ください!

▼ コミックナタリー:「スタジオカバナ」がYouTuber・エミリンの心を揺さぶる

YouTuber・エミリンさんに取材させていただきました。平成世代なら絶対に共感する少女漫画あるある、キャラや恋愛考察など予想以上に深い所まで発展しました。ぜひに。

▼ QJWeb:アニメ『喧嘩独学』コラム

絶賛放送&配信中のアニメ『喧嘩独学』についてコラムを書かせていただきました。

▼ ライフスタイルマガジン「Toss!」:「あの言葉にグッときた名作」特集

LINEが運営する縦スク読みのライフスタイルマガジン「Toss!」。 最新号の「あの言葉にグッときた名作」特集にて、お気に入りの作品&名セリフを紹介しています。こちらより無料で読めるのでぜひに!

その他執筆記事一覧はこちら

GWは友達と毎年恒例の「JAPAN JAM」へ行ったり、友達の娘ちゃんと一緒に深大寺へ言ってゲゲゲ散歩をしたり。あとは、宮本浩次先生の歌声を聴きに千葉県君津市までエンヤコラ。

Indigo la End「夏夜のマジック」を聴いたので夏です、夏が始まりました。
調布駅・深大寺周辺を巡る『ゲゲゲの鬼太郎』ピクニック
エレカシ、宮本浩次独立後初のコンサァト。『東京ブギウギ』音源化してくれ〜!

先月もちょろっと書きましたが、4月は仕事を調整して結構休んでました。そしてGWも上記の通りものすごく遊びました。

で、休んだ分またばりばりやるぞぉ〜! て訳でもなく。休んだことで自分の本当のペースというか息切れせずに走れる、好きな速度がようやくわかった。武士みたいだね、頑張ってるね、とかもういいっす。そんなリスタートな気持ちで歩み続けた5月。

もちろん、いつだって本気だし全力で取り組んでいるけど。どこか鼻歌まじりで乗りこなせるような……。あー! “この感じ”で走っていきたいっていうのが掴めた感じがありました。今月は。

こればっかりは自分にしかわからないし、自分で常にチューニングし続けるしかない。

そんなことに気づかせてくれたというか、今の私にすごくハマったというか、泣きたいくらい共鳴した曲をシェアハピして終わります。

6月は2024年上半期ラストの月。下半期に向けたお仕事がいくつか始動するので、油断せずに、鼻歌まじりで。ご機嫌に本気で歩み続けます!

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