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歳をとることは悪なのか

「私は27歳でおばさんだから」

初めてのアルバイトで、先輩に年齢を聞かれたことがあった。

当時「18歳です」と答え、私も聞き返したところ、先輩は恥ずかしそうにそう言った。

誰よりも優しく、仕事もできて、素敵だと思っていた先輩が、年齢を恥じらっている姿に違和感を覚えた。

そして、必ず歳はとるのに、恥じながら生きるのは悲しいことだと思った。

今、私は30歳。

年齢を恥じない自分でいるために何が必要か考えながら、20代を過ごした。

30歳という節目なので20代を振り返りつつ、今感じていることを書きたいと思う。

30歳になるのが怖い人には何か参考に、

人生の先輩方には30歳や人生の節目を思い出していただければ嬉しいです^^

私の20代

不安定だった20歳

20代は、ある意味「脱皮」の繰り返しだった。

身が剥がされるような苦痛の連続。

10年前の私は、家族の問題があったり、自分に自信がなかったり、いつも人の目を気にしていた。

摂食障害にもなり、正常な異性関係を築くことができず、将来も見えなくていつも不安だった。

太っていないか、鏡に映る全身写真をやたらと撮っていた10年前。
食べ過ぎた次の日は足のむくみが気になって仕方なく、こんな写真ばかり残ってる^-^;;

支えになった言葉

「20代に戻ったら何がしたいですか」とインタビューする番組を、偶然みた。

あるフランス人女性の返答が、私の20代を支えてくれた。

(こんな感じのおばあさんだった)

20代は自分が何がしたいか、何が好きかもわからず苦しんだ。あんな苦しかった時期はない。戻りたいとは思わない。

20代はキラキラしているものだと思っていた。

だから、周囲やSNSで見る他の20代とは違って、苦しんでいる自分がおかしいと感じていたが、"この苦しさは私だけじゃないんだ" と、励まされた。

とはいえ、苦しかった20代も、数日程度戻りたい瞬間はある。

例えば、2013年の韓国。
その当時特有のソウルの空気。
初めて心から好きな人に出会った2015年の夏。

当時の街の雰囲気や香りは懐かしい。

戻ってもう一度やり直したいとは思わないが、タイムスリップできるなら、数日程度してみたい。

30歳に向けて準備したこと

30歳になってから、「やっておけばよかった」と後悔しそうなことは除去しておこうと思った。

特に「留学」「体づくり」「転職」は計画的に行なった。

これらは30歳以降も可能なことだが、基盤作りをしておきたかった。

「留学」については長くなりそうなのでやめておくが、今の私を形成するのに欠かせない経験になった。

「体づくり」は、これまで体を動かす習慣がなかったので、27歳でヨガ・ピラティスを始めた。3年目になるが、当時の選択にとても満足している。体のラインが綺麗になるだけでなく、週末は他のスポーツを楽しむようにもなった。

「転職」については、30代で転職・独立するにしても、役に立ちそうな会社に転職しておきたかった。ポテンシャル採用してもらうには若いに越したことはないだろうと思い、これまで挑戦したことのない業種に昨年転職。この選択もまた、満足している。

他にも、「今のうちにこれはやっておこう」と思うことは全てやった。

30歳を迎えて感じたこと

良かったこと

20代をもがいたお陰か、驚くほど穏やかな心で30歳を迎えることができた。

したいことをしておいた自分に、感謝も感じた。

しばらく会っていなかった親戚や家族、友人と過ごし、自分が愛されて生きてきたことも、改めて感じた。

20歳を迎えた時は、「ないもの」「足りないもの」しか見えなかったが、

30歳を迎えた時には、自力で手に入れた経験自分がすでに持っていた家族の愛など、「あること」によって満たされていることが大きな違いだった。

怖いこと

とはいえ、怖いこともある。

私は今、「感じたことのない感情を経験すること」が怖い。

それは、家族や大切な人の死に直面した時の感情。想像がつかない。

今まで色んな感情を感じ、それぞれの対処方法をある程度わかったつもりだが、これに関しては乗り越えられる自信がない。

このように経験したことのない感情に出くわすことが怖いし、年々怖くなりそうだと感じている。

30歳を迎えて変化したこと

他人よりも自分

歳を重ねるごとに、そして数ヶ月前よりも今の方が、心が軽くなっている。

これまで気にしていたことは徐々にどうでも良くなり、他人よりも、自分の心の声が大切になっていく。これはとても心地が良い。

今辛いことも、3年後、5年後、10年後の自分はどう捉えるだろう?

そう考えると、未来が楽しみにもなる。

時代の記憶

数日前、街中で嵐のA・RA・SHIという曲が流れていた。

幼稚園児だった当時の風景がよみがえった。

曲一つでその「時代」がよみがえるというのは、なんとも不思議な経験だった。

何十年経っても一瞬でその時代ごと味わえるのは、その時代を生きたからこそ得られる得点だと感じた。

お金の使い道

これまでは化粧品や服・バッグ・靴などにお金を使っていた。

今は、「運動」「髪」「歯」にお金を使っている。

自分の体とこれからも長く付き合っていくために、そして仕事でも信頼を得るには健康的な印象が重要だと感じるようになった。

歳を重ねるということ

きっと私は、40歳を迎える時には、違うことを感じているんだろう。私はこれからも沢山の人と出会い、経験をし、様々なことを感じていく。

自分も環境も、今が完全版だとは思っていない。仕事も、友人も、住んでる場所も、思考も、10年後には変わっているはず。

10代の自分も、20代の自分も、今の自分も、

いつか変わる自分を生きている

ただいつも、「若さ」や「老い」を言い訳にせず、今の自分が正しいと思う道を生きるだけ。その過程で、間違った選択をすることもあるが、それも背負って生きていく。

そのように生きていると、身体の自由は制限が増えていくのだろうが、心の自由は増えていくのではないかと「今の私は」思っている。

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