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【気になる生態】 #30 何がそんなに面白い 「ワライカワセミ」

人は楽しいことや、面白いことに遭遇した時に笑います。

個人的に一番のストレス発散は大笑いすることです。

この笑うという行為は動物界でも珍しく、類人猿とラットだけができる行為だそうです。

にもかかわらず鳥の中で、モロに”笑う”という名前が入っている鳥がいます。

その名もワライカワセミです。

ワライカワセミはオーストラリアに生息し、カンガルー、コアラ等と並んで国を代表する鳥となっています。

一般的な日本にいるカワセミの倍は大きいそうで、カワセミ類の中でも最大のデカさを誇ります。

また、日本に生息しているカワセミと比べても色も目立つ色ではなく特徴的な嘴も短く太いです。カワセミの仲間が醸し出すスマートな感じは一切なさそうですね。

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そして、カワセミとの大きな違いがもう一つ。

ワライカワセミは水に飛び込みません。

カワセミの時に紹介したような魚は捕まえず、木の上から虫や爬虫類を見つけ捕食します。(カワセミ同様にオスからメスへの求愛給餌は行うようです)

食性など様々な面でカワセミとは異なるワライカワセミですが、やはり気になるのは笑い声についてです。

人の笑い声に似ていることが名前の由来とされています。ここまで笑う人にあまり出会ったことがありませんが。森の中や林の中から聞こえてきたらまず鳥の鳴き声とは思わないでしょうね。

ワライカワセミは縄張り意識が高く、この笑い声は一般的には敵の侵入を仲間に知らせていると考えられています。自然界においては夜明けや夕方に鳴くことが多いようです。また群れでいるときは、1羽が鳴き出すと他の個体も共鳴するそうです。

ワライカワセミは単婚で、メスは1~5個の卵を産み、親鳥と年上の兄弟が集まって世話をする。巣立ちしたばかりのときは、通常は親と暮らし次の孵化を助ける。

ワライカワセミは家族を大切にし、子育ても家族ぐるみで行います。

鳥類の中でも子育てや巣立ちの後の生態としては珍しく思えます。

そんなワライカワセミですが、人間に対しては人懐っこく、オーストラリアでは庭先に現れることもしばしば。近い距離で笑い声を聞くことができるかもしれませんね。

最後に

以前東山動物園でワライカワセミのゲージの前に立った時にタイミングよく鳴いてくれたことがあったのですが、よくよく考えれば彼らが鳴いていていたのは笑えない状況だということをこの度勉強させていただきました。

本当はワライカワセミも喜びや嬉しい感情の時に大きく笑ってほしいものですね。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。


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