【気になる生態】 #21 鶴のおしゃれは頭から 「タンチョウ」
縁起のいい動物といえば亀に並んでイメージされるのが「鶴」。
「鶴」には種類がいくつかあり、私たちが一般的に日本昔ばなしなどから認識している鶴はおそらくタンチョウです。
誰もが知っているお馴染みの鳥ですが、本州に住んでいる人はほとんど見たことがないはずです。なぜならタンチョウは現在は国内では北海道にしか生息が確認されていないからです。しかも国外のタンチョウは渡りをするのですが、日本のタンチョウは一年中日本にいます。渡り鳥のイメージが強かったので、留鳥ということを知り大変驚きました。
タンチョウはかつては日本全国に生息していて、江戸時代には関東にも飛来したと言われています。一時期は絶滅したとも言われ姿を見せなくなった原因としては、乱獲と開発によって住処を失ってしまったからということです。
しかし今では北海道での保護活動により年々数を増やしています。
ちょうど今の季節(3月)の北海道では求愛の光景も見られるみたいです。
このタンチョウのダンスはつがいの絆を強めると言われ、繁殖の時期ほど踊る時間が長いそうです。しかもいくつかのパターンがあるというので驚き。
そして鶴といえばこのたんこぶのような頭の赤い部分が特徴的ですが、ここには羽毛が生えておらず皮膚が剥き出しなっています。タンチョウは漢字で「丹頂」と書くのもこれが理由です。こう見ると日本の国旗っぽい感じがありますね。
この部分に意味はあるのか?
興奮したり、敵を威嚇するときにはより赤みを増したりニワトリのトサカと同じような役割があると考えられています。飼育されているところでは、健康状態をチェックするポイントして使われています。
以前北海道釧路市にある阿寒国際ツルセンターに電話で質問したところそのような答えが返ってきました。
なるほど。鳥類の特徴的な部分は基本的に何かをアピールするための役割があることを改めて知りました。ヒゲドリの肉垂も同じような意味を持っていましたね。
子供の時は赤い部分がないそうで、大人になるにつれて禿げ上がっていくようです。
タンチョウ以外にも西日本に渡ってくるナベヅル、マナヅルも頭が赤いです。
ナベヅルは少し色が薄いですが、マナヅルは顔面まで赤いです。赤の面積だけで顔の印象がめちゃくちゃ変わりますね。
やはりおしゃれ具合で言うとタンチョウが一番バランスがいいような気がします。
頭以外にもタンチョウの生態は面白く、冬場は水温の方が気温より高いため水の中に足を入れて過ごしたり、意外と蹴りの力が強くオジロワシなどの大型の猛禽類と餌を取り合うこともあるそうです。
捕食されてもおかしくないような敵に立ち向かう姿はかっこいいですね。これは豊かな生態系だからこそ見ることできる光景です。
全国的に動物園で見ることのできるタンチョウですが、雪景色の中で見る姿はどれほど美しいのでしょうか。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
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