のし袋

読書記録。なるべく短文で。10年で400投稿が目標。

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最近の記事

内藤陽介『みんな大好き陰謀論』

【陰謀論←感情論←<<<当事者意識>>>→真っ当な言論。】 陰謀論のウケがいいのは、頭を使う必要がないからだ。そこに世界の成り立ちが分かったような演出も加わっているので怠け者にはそそられるからだ。 もちろん脳みそを使うことは楽ではない。出来るならだらだらしていたいのは皆思う事であるが、それは怠惰な生活を意味するわけではない。当事者意識とは自分の能力や学びを生活に活かす源である。苦難を乗り越えずして得たものに何の価値があるだろうか。自分の言葉で世界を構築するために前進するこ

    • 雑記、いわき市民へ。ペピーランドを覚えているか。

      我が心のふるさとペピーランドに思いを馳せる。 豊島園が閉園で世間というか、都心界隈はありがとう豊島園で盛り上がっているが行ったこともない場所に便乗するのは憚られる。ということで地元の影も形もない遊園地について思いを馳せよう。 といっても平成の初めに開園して4年ほどしか営業してなかったので記憶も朧気である。しかしネットの発達した現在何でも調べられるのだ。グーグルアースで多分この辺りだったろうと探ってみると5.6歳の記憶なのに合っていて嬉しかった。地図からはかなり敷地が広かっ

      • 山内智恵子『ミトロヒン文書』

        【血だまりと人間不信の嵐に対抗出来るのは勇気と信頼と善政】 軍隊は戦争に繫がる、アメリカの戦争に巻き込まれる。デフレは心が豊かになってモノを必要としなくなったからだ云々。現実から目を逸らすことが目的の様なキャッチコピーはそこかしこに溢れています。もちろん、まともな人間には極端な工作は効きませんからそれで全てが決まるわけではありません。 ソ連崩壊後プーチンが情報を閉じるまでの間に公開された資料を分析して、海外ではインテリジェンスに関するかなりの数の本が出版されています。しか

        • 倉山満『桂太郎』

          【桂太郎の人生に老害の二文字無し】 存在自体が有益だと勘違いした人間、それが老害である。稼ぐ能力、社会的地位、教養(何が大事か判断する為の下地になる知識)。この3つのバランスが崩れると老害が発生すると考えられる。 能力と地位が伴っていない人間はあなたの身近にもいるだろう。政治家、官僚、経団連、労働組合、社会を動かす立場でも既得権益層は老害ばかりだ。 徳川幕府という歴史に残る老害を消毒した偉人が元老だが、それでも時代の流れに合わせて自身を高め続けていくのは難しかった。影響力

        内藤陽介『みんな大好き陰謀論』

          江村洋『ハプスブルク家』

          【やっちゃえ、マリアテレジア!】 圧倒的な読みやすさでハプスブルク家を知ることが出来ます。西洋史とキリスト教が不可分な様に、ヨーロッパの全域に影響力を持ち続けたハプスブルク家の歴史もまた必要不可欠です。 狡猾な敵に囲まれ、領土を侵攻され、屈辱的な妥協をしてまで結んだ条約は反故にされる。味方の中にも事なかれ主義が跋扈している、孤立無援の絶望的な状況。日本でしょうか、いいえ、マリアテレジアです。 誰も頼れないなら自分が強くあらねばならない。彼女は諦めません。 互いに不信感を

          江村洋『ハプスブルク家』

          メグ・ジェイ『逆境に生きる子たち』

          【幸福の感度は自己認識と社会認識の差で決まる。】 多くの人間は他者との関わりの中で周囲との距離感を学びます。そこで重要なのは自己評価(自分が自分をどう評価しているか)と社会評価(周りから自分がどう評価されているか)の2つでしょう。傷ついた人間はこの2つがうまく機能していないと思います。 私は両親が不仲で、家庭や異性というものに長らく不信感がありました。幼少期からずっとモヤモヤと感じるものはありましたが、それが傷だと認識できたのはつい最近のことです。旅行先での日本海の景色や

          メグ・ジェイ『逆境に生きる子たち』

          倉山満『トップの教養』

          【官僚は枠の中で生きる人、政治家は枠をつくる人】 未来への意志を貫くときにどこに枠(既得権益の壁)があるかを見極めるのが非常に大切です。幕末では徳川慶喜が枠でしたが、名もなき下っ端藩士が全国から集まり、教養を武器に明治維新を成し遂げました。今の状況に照らし合わせると10万支給が枠、慶喜抜きの政治が減税に当たるでしょうか。 教養とは自分の言葉で人を動かせる力だと思います。知識自体を誰より深めることは専門家でも難しい。だから誰の言う事を聞けばいいかの知識だけは備えておく。かつ

          倉山満『トップの教養』

          飲茶『史上最強の哲学入門』

          【この世界には命を賭けるに値する信念がある。】 てっぺん目指す、どんなもやし男子でも一度はその為にエネルギーを燃やしたことがあるだろう。バキは強さの、哲学者は思想の、てっぺん目指すという意味でリンクしている。そう、今までの哲学入門書に足りなかったのは「バキ」成分なのだ。 人を動かすのは何であろうか、私が思うにそれはキャラ立ちと熱量である。人間が一生の内に出来ることは限られている。だからこそ、より強く、より熱く自分を燃やさなければ誰かを巻き込むことなど出来ないのだ。 ジャ

          飲茶『史上最強の哲学入門』

          今谷明『封建制の文明史観』

          【今谷先生ファンでも読み切るのが大変。】 蒙古襲来、日清日露戦争、敗戦。歴史の節々に封建制の評価がどう変化してきたかという本なのだが、、。まだ草稿の段階でこれ以上まとめきれなかった感じが強く、読み進めるのに忍耐力が要される。あとがきにもある通り苦手なことにあえて挑んだという苦しさが行間から伝わってくる。 マッカラン委員会に協力し、オーウェンラティモアやハーバートノーマンに不利な証言をしたという事で学会からハブられた、ウィットフォーゲルについては知らなかったのでこの点は収穫

          今谷明『封建制の文明史観』

          桃崎有一郎『室町の覇者 足利義満』

          【足利家の認知の歪み、歴史を動かす】 歴史の区分は1つしかない、俺様の前か後かだ! 室町切ってのイケイケドンドンと思われがちな義満であるが もちろん最初から順風満帆であったわけではない。 自分に不利と分かれば目標を達成する為に『待ち』が出来たのが 義満の一番恐ろしいところだと思う。 義満ばかりではなく、拗れたキャラが多い足利家は魅力的である。 カリスマだが、躁鬱な尊氏。 金も暴力も権力もコミュ力もあるが、新儀フェチで陰湿な義満。 大政治家だが、プッツンな義教。 坊主で

          桃崎有一郎『室町の覇者 足利義満』

          目標:10年で400冊分の感想。

          snsでアップすると仕様が変わるかつ、 後で見返すのが不便なのでこちらで上げていきます。 読書感想文かつ読書メモ置き場として使います。 大目的がアウトプットの練習なので 中身がない本の感想を書くこともあります。

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