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猿☆人間
2020年1月31日 06:21
楽しい人生怖がらないで..白い花には色がないって誰かに言われたこともあった.長い旅など詰まらないって誰かに言われたこともあった.それって誰って訊かれても判らないような誰かならば.気にするなとまでは言わないが足を止める理由にしてしまわないで捜すな 捜すな 捜すな弱さを上手く飼い馴らしたらその誰かに逢いに行こう楽しい人生怖がらないで..青い空には星はないっ
2020年1月30日 06:52
絵に描いたような雲が空のど真ん中で寝転んでいるのかじっと動かない.物は試しと一思いに息を吹きかけてみるも気の抜けた口笛がぴゅうと鳴っただけ.想像力はせめて上向きで無限を知らない宇宙の小さな星の僕らには変えられるものと変えられないものがある譬えばあの空の雲のように..目の覚めるような恋が夢のど真ん中で寛いでいるのかやけに大人しい.手に届くはずの恋は
2020年1月29日 06:24
点滴の間隔で傘から雨がまた落ちてゆく.数え切れない夜を明かしてきた三階の角部屋には今知らない人が暮らしていて.忘れられない夜を並べていた西向きの窓際には今小さな花が飾ってある.簡単にそれを決められないあれはそんなに適当なものではなかった雨がスニーカーを濡らしてゆくように次第に大きくなったの..点滅の間隔で喉から声がまた落ちてゆく.ミントブルーの色
2020年1月27日 06:44
別れが一緒に付いてくるなら初めから頼まなかったのに贅沢なハッピーセット.「あのね」といきなり話し出すから相槌も返せなかったんだ曖昧なスタートライン.それとなく伸ばした手の戻し方が判らなくなって彷徨う宙.口数は涙の代わり遠くにそっと捨ててきてあの白い雲のように知らない空まで飛んでゆけ煙突から膨らんだあなたのけむり..別れの気配は曲がりなりにも薄っすらとしていた
2020年1月28日 13:54
彫刻刀で掘られた名前全く知らないその人のことを何の思い入れもなくただ思い出そうとしている.退屈な昼休み不自由な自由時間を潰すだけの暇潰し.モンタージュいつだって僕は空想で勝手に作り上げるそしてそのまま不完全な姿でこっちに襲いかかる正体も戦い方も僕だけしか知らない三十分のRPG..心配性が招いた雲が何にも見えない天井を埋めて誰に言われるでもなくまた濡らさ
2020年1月26日 06:38
空にしたアルミ缶を捨てるでもなく手に持って歩き歩き行く当てのなかったことずっと前から気がついていても歩く.もう夜.重たくなったような勘違い確かめるつもりで振ってみてもさっき拾った煙草の吸い殻がからからと音を立てるだけ.そろそろ雨も降りそう.帰り道にしては長い遠回り帰りたいと思うまでと考えていたのにお腹が空いてくるなんてつい笑ってしまう..自動販売機なら
2020年1月25日 07:35
震えるほど君を喜ばせたいと広げたノートに書き殴る計画.涙なんて今の方がよく出ると誰かも何処かで言っていたものだし.きっかけもなく逢おうよ時々こうやって.好きというだけでよかったあの頃のチュートリアル難しいことは何でも明後日に放り投げて無駄遣いのように時間をただただ排水口に流していたそれでも美しかった日々..痛みだけに強くなってしまったと並べた弱音が
2020年1月24日 06:48
さっきのは溜め息じゃないと咄嗟に否定した口に出せば少しでも取り戻せるような気がしたから.朝は綺麗だね隣りで呑気な声がして釣られた呑気な声が曖昧な返事をする.何でもなくて淋しさすら感じてしまいそうなそんな時にいつも好きだというたったそれだけのことに気づくそしてキスをする..きっとまだ手遅れじゃないと静かに期待した夢に見れば少しでも引き返せるような気
2020年1月23日 06:11
私にしか名づけられない私だけにしか呼ばせてくれないあの気持ち.はじめはそんなつもりもなくてただの挨拶程度がいつの間にか.大抵のことはそんなものででもだから気になる.判り易く揺れて触れて膨れてふやける判り易く濡れて撥ねて捩れて塞がる判り易く暮れて擦れて破れて漂う居眠りが連れてくるあの気持ち..私にしか見つけられない私だけにしか応えてくれないあの
2020年1月22日 07:00
小さくて硬い蕾が凍える枝の先次の季節を待つようにじっとしている.花も葉もその時をイメージして眠る.それは晴れていた方がいいけれども別に雨でもいい門出でもないから立派でもないから久し振りに目を覚ますだけで笑ってもらえるなんて身に余る贅沢な賞賛でした..優しくて白い光が震える指の先長い電話を切るようにぱっと射し込む.茎も根もイメージを優先して伸びる.
2020年1月21日 14:47
遠い未来で今夜の過ちを昔話のように誰かへ聴かせていたりするのかな.若い二人が泊まったモーテルは旧い映画のように朝まで賑やかだったらしいとか.携帯電話は置いてきた代わりにポケットを膨らませているのはリモコン多分あの部屋のテレビの.明るいと眠れないからブラインドを下ろして閉じる知らない車と目が合ったけれどそれよりもベッドに帰りたかったあまり言葉は交わしていない今
2020年1月20日 07:00
雨の日にはあの涙を思い出す唇に流れてきた忘れられない味のこと.偏頭痛持ちだったから二人して見上げていた天井お互いの手を額に乗せ合ってどっちが冷たいとか何とかそれだけでただ時間が過ぎていた.温めたミルクが優しい夜.言葉では救えなかったとして諦めることなどなくて形を変えた愛に従うのもそれはそれで気が楽だから甘さに溶けたっていいんだよこんな雨の日なら..雨の日に
2020年1月19日 08:05
込み上げるフレーズ心許なくて困るそれでも哀しい歌にはならないように願う.取り替えるフレーム思い掛けなくて黙るそれでも沈んだ部屋には見えないように飾る.誰に向かって言う訳でもなくただ同じ繰り返し.もういいや明日に全て任せたなんて口にはしないけれど密かに考えることは今まで幾度となくあったきっと判り易く顔に出ていても最後の言葉だけは自分で飲み込んだらしい..
2020年1月18日 07:04
太陽のない夕暮れに似ていた腑に落ちる前に居なくなった足許の影.誘惑が灯る濡れた路面の上を裸足で渡る.確かめてくれたことがない寒かったとか冷たかったとか潜ませた分だけ重たくなって次第に浮かばなくなるかと言って沈む訳でもなく..計画のない旅立ちに似ていた目が醒める前に捨てたかった初めてのもの.約束が烟る過ぎた電車の窓であいつも笑う.諦めてくれたことが