届かない手紙というヒューモア
1.『かえるくんとがまくん』の「おてがみ」
アーノルド・ローベル氏の『かえるくんとがまくん ふたりはともだち(Frog and Toad are Friends: 1970年刊)』の最後に収められた「おてがみ(The Letter)」。この可笑しくもの悲しいがあたたかい短い話のなかに込められているのは、人生についての深い洞察である。
子供の英語の教科書に載っているこのかえるくんとがまくんの手紙の話は、かたつむりが手紙を届けるのに4日も経ってしまったことで笑いを誘うし、がま