見出し画像

芥川龍之介『蜘蛛の糸』全文にツッコミを入れてみた。

以下、本文は青空文庫からの引用である。



 ある日の事でございます。

はい!なんでしょうか!!!(いちいちつっこまなくてよろしい)

御釈迦様おしゃかさまは極楽の蓮池はすいけのふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。

御釈迦様おしゃかさまが日本に転生しました!!!『パリピ孔明』みたいですね!!!

池の中に咲いているはすの花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色きんいろずいからは、何とも云えないにおいが、絶間たえまなくあたりへあふれて居ります。

みなさんを代表して「ずい」の意味を調べました。花の生殖器官のこと。つまりおしべとめしべ。こういうときしか使わない漢字ってコスパ悪すぎじゃない???

極楽は丁度朝なのでございましょう。

いや、勝手に朝だと決めつけないでもろて…。

 やがて御釈迦様はその池のふちに御佇おたたずみになって、水のおもておおっている蓮の葉の間から、ふと下の容子ようすを御覧になりました。

想像するとかるいホラーですよねぇ。

この極楽の蓮池の下は、丁度地獄じごくの底に当って居りますから、水晶すいしようのような水を透き徹して、三途さんずの河や針の山の景色が、丁度のぞ眼鏡めがねを見るように、はっきりと見えるのでございます。

御釈迦様おしゃかさまが下界を覗いてらっしゃる…。

 するとその地獄の底に、犍陀多かんだたと云う男が一人、ほかの罪人と一しょにうごめいている姿が、御眼に止まりました。

犍陀多かんだた、なにして地獄に行ったんだ。

この犍陀多と云う男は、人を殺したり家に火をつけたり、いろいろ悪事を働いた大泥ママでございますが、それでもたった一つ、善い事を致した覚えがございます。

犍陀多かんだた、救いようのない大犯罪者や!!!

と申しますのは、ある時この男が深い林の中を通りますと、小さな蜘蛛くもが一匹、路ばたをって行くのが見えました。

そういえばこの間、某コンビニで蜘蛛が床を這ってました(小声)

そこで犍陀多は早速足を挙げて、踏み殺そうと致しましたが、「いや、いや、これも小さいながら、命のあるものに違いない。その命を無暗むやみにとると云う事は、いくら何でも可哀そうだ。」と、こう急に思い返して、とうとうその蜘蛛を殺さずに助けてやったからでございます。

そこには良心がはたらくんかい!

御釈迦様は地獄の容子を御覧になりながら、この犍陀多には蜘蛛を助けた事があるのを御思い出しになりました。

御釈迦様…いいんですか…?大泥棒ですけど…。

そうしてそれだけの善い事をしたむくいには、出来るなら、この男を地獄から救い出してやろうと御考えになりました。

本当に…救うんですね…?(2回目)

幸い、側を見ますと、翡翠ひすいのような色をした蓮の葉の上に、極楽の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて居ります。

蜘蛛ってそんなに糸が伸びるんか?????

御釈迦様はその蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、玉のような白蓮しらはすの間から、遥か下にある地獄の底へ、まっすぐにそれを御おろしなさいました。

あぁ、いけません!!!不法投棄です!!!


 こちらは地獄の底の血の池で、ほかの罪人と一しょに、浮いたり沈んだりしていた犍陀多かんだたでございます。

「サザエでございます」みたいに始めないでもろて…。

何しろどちらを見ても、まっ暗で、たまにそのくら暗からぼんやり浮き上っているものがあると思いますと、それは恐しい針の山の針が光るのでございますから、その心細さと云ったらございません。

これがまさに、地獄絵図ですな。

その上あたりは墓の中のようにしんと静まり返って、たまに聞えるものと云っては、ただ罪人がつくかすか嘆息たんそくばかりでございます。

やっぱり地獄には行きたくはないので一生穏便に暮らそうと誓います。

これはここへ落ちて来るほどの人間は、もうさまざまな地獄の責苦せめくに疲れはてて、泣声を出す力さえなくなっているのでございましょう。

もうゾンビですやん。

ですからさすが大泥ママの犍陀多も、やはり血の池の血に咽むせびながら、まるで死にかかった蛙かわずのように、ただもがいてばかり居りました。

地獄の底でも生きようとするの、意地が張っててよき。

 ところがある時の事でございます。何気なにげなく犍陀多が頭を挙げて、血の池の空を眺めますと、そのひっそりとした暗の中を、遠い遠い天上から、銀色の蜘蛛くもの糸が、まるで人目にかかるのを恐れるように、一すじ細く光りながら、するすると自分の上へ垂れて参るのではございませんか。

大泥棒の罪人、犍陀多にも救いの手が!!!御釈迦様に感謝せい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

犍陀多はこれを見ると、思わず手をって喜びました。

そのかわり、更生しなさいね。

この糸にすがりついて、どこまでものぼって行けば、きっと地獄からぬけ出せるのに相違ございません。

細い糸で登れるとでも…?

いや、うまく行くと、極楽へはいる事さえも出来ましょう。

いや、極楽へは行かせません。

そうすれば、もう針の山へ追い上げられる事もなくなれば、血の池に沈められる事もある筈はございません。

蜘蛛の糸で登れるなら登ってみるがいい。

 こう思いましたから犍陀多かんだたは、早速その蜘蛛の糸を両手でしっかりとつかみながら、一生懸命に上へ上へとたぐりのぼり始めました。

SASUKEのファイナルステージですか?

元より大泥ママの事でございますから、こう云う事には昔から、慣れ切っているのでございます。

日ごろから綱登りしてる?SASUKE完全制覇しようとしてる???

 しかし地獄と極楽との間は、何万里となくございますから、いくらあせって見た所で、容易に上へは出られません。

『蜘蛛の糸』はSASUKEトレーニングするガチ勢のブログみたいだ。

ややしばらくのぼるうちに、とうとう犍陀多もくたびれて、もう一たぐりも上の方へはのぼれなくなってしまいました。

SASUKE完全制覇ならず。

そこで仕方がございませんから、まず一休み休むつもりで、糸の中途にぶら下りながら、遥かに目の下を見下しました。

下を見るな。上を見ろ。(なんの励ましなんだ)

 すると、一生懸命にのぼった甲斐があって、さっきまで自分がいた血の池は、今ではもう暗の底にいつの間にかかくれて居ります。

中途半端な高さで止まってるほうが怖くない???

それからあのぼんやり光っている恐しい針の山も、足の下になってしまいました。

そりゃそうだよねぇ。

この分でのぼって行けば、地獄からぬけ出すのも、存外わけがないかも知れません。

犍陀多の意地がすごいな。

犍陀多は両手を蜘蛛の糸にからみながら、ここへ来てから何年にも出した事のない声で、「しめた。しめた。」と笑いました。

まだあきらめてなかったんか。

ところがふと気がつきますと、蜘蛛の糸の下の方には、数限かずかぎりもない罪人たちが、自分ののぼった後をつけて、まるでありの行列のように、やはり上へ上へ一心によじのぼって来るではございませんか。

罪人たち「逃がさんっ!!!!!!!!!!!!!!」

犍陀多はこれを見ると、驚いたのと恐しいのとで、しばらくはただ、莫迦ばかのように大きな口をいたまま、眼ばかり動かして居りました。

犍陀多「あと少しだったのにぃぃぃい(ぴえん)」

自分一人でさえれそうな、この細い蜘蛛の糸が、どうしてあれだけの人数にんずの重みに堪える事が出来ましょう。

蜘蛛の糸の荷重制限って何キロなんですか。

もし万一途中でれたと致しましたら、折角ここへまでのぼって来たこの肝腎かんじんな自分までも、元の地獄へ逆落さかおとしに落ちてしまわなければなりません。

そのとおりです。

そんな事があったら、大変でございます。が、そう云う中にも、罪人たちは何百となく何千となく、まっ暗な血の池の底から、うようよとい上って、細く光っている蜘蛛の糸を、一列になりながら、せっせとのぼって参ります。

迫りくる魔の手とはまさにこのこと。

今の中にどうかしなければ、糸はまん中から二つに断れて、落ちてしまうのに違いありません。

そのとおりです。(2回目)

 そこで犍陀多は大きな声を出して、「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸はおれのものだぞ。お前たちは一体誰にいて、のぼって来た。下りろ。下りろ。」とわめきました。

罪人たち「いやだっっっ!!!」

 その途端でございます。今まで何ともなかった蜘蛛の糸が、急に犍陀多のぶら下っている所から、ぷつりと音を立ててれました。

犍陀多・罪人たち「あっ…!」

ですから犍陀多もたまりません。あっと云うもなく風を切って、独楽こまのようにくるくるまわりながら、見る見る中に暗の底へ、まっさかさまに落ちてしまいました。

ギャグマンガのオチみたいだ。

 後にはただ極楽の蜘蛛の糸が、きらきらと細く光りながら、月も星もない空の中途に、短く垂れているばかりでございます。

最後に叙情的にしめんでええねん。


 御釈迦様おしゃかさまは極楽の蓮池はすいけのふちに立って、この一部始終しじゅうをじっと見ていらっしゃいましたが、やがて犍陀多かんだたが血の池の底へ石のように沈んでしまいますと、悲しそうな御顔をなさりながら、またぶらぶら御歩きになり始めました。

御釈迦様「ぴえん」

自分ばかり地獄からぬけ出そうとする、犍陀多の無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰をうけて、元の地獄へ落ちてしまったのが、御釈迦様の御目から見ると、浅間しく思召されたのでございましょう。

御釈迦様「犍陀多だけ抜け駆けは許さん」

 しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には頓着とんじゃく致しません。その玉のような白い花は、御釈迦様の御足おみあしのまわりに、ゆらゆらうてなを動かして、そのまん中にある金色のずいからは、何とも云えないい匂が、絶間たえまなくあたりへあふれて居ります。極楽ももうひるに近くなったのでございましょう。

何事もなかったかのように御釈迦様は去っていくのでした。めでたしめでたし。


そのほかの作品はこちらから


この記事が参加している募集

#スキしてみて

526,418件

#読書感想文

189,141件

よかったらサポートもしていただければ嬉しいです!いただいたサポートは読書に充てたいと思います!