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映画界が社会を映さないんじゃなくて、日本っていう国の、国民とか、民衆が、社会に興味を失ってないか。

「いまの映画は社会をほぼ描かない」という批判を
感じている映画監督の白石和彌さんは、
そうした声に対してこう反論した
(少し前の『SWITCHインタビュー 達人達(たち)』)。

これは恐らく「批判的に」描かないということなのだろうが、
そうした、いわゆる“社会派”の映画が作れるかどうかは
「観たがる人がいるかどうかの問題」で、
観たがる人がいないから社会派の映画が廃れたと、
暗に言ったのだ。
そして、
「昔はそういうのを観たい人たちが、
いっぱいいたから、
そういう映画を作っていたんだ」
とも。

多少なりとも社会性のあるドキュメンタリー番組の
ミニシアターでの上映が広がっているとも聞き、
映画を観なくなってしまった私に
真偽のほどは分からない。
それでも、最前線にいる白石監督の実感を
信じるべきとも思う。

いずれにしても、
これからを生きる若い層が現状を肯定し
政権を支持する世論調査の
結果には首を傾げる。
私は某大学教授に「最近の学生は政治に興味ないですよ」と
明言されたことがある。
それは「社会に興味を失って」いる証左ではないか、と思う。
映画にもマーケティングが導入されているとしたら、
こうした空気が社会派の映画の衰退に影響していると
想像することは容易だ。

20-30代にとって、いま満足感があるとしても、
それが老後まで維持できると思えるのかと訊きたい。

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