面倒くさくて苦しくて、しんどい方向へ行った方が、近道。
そう説いたのは、福聚山慈眼寺・住職の
塩沼亮潤師です
(先日の『FOOT×BRAIN』)。
塩沼亮潤師は、1999年に、高低差1300m・往復48kmの山道を
千日続けて踏破する「大峯千日回峰行」満行、
2000年には、食べる・飲む・眠る・横になる、の四つを
禁じて9日間、堂にこもり真言を唱え続ける
「四無行」満行を達成し、大阿闍梨の称号を得た高層です。
「大峯千日回峰行」を達成したのは、1300年間で
塩沼亮潤師を含めたった二人、
「四無行」は血液がドロドロになり死も覚悟して臨むという、
それこそ苦行を二つ、成し遂げました。
その塩沼亮潤師が、
「早く、簡単に、ラクに」生きようとする
現代人の風潮に警鐘を鳴らしつつ、
面倒くさく、苦しく、しんどい道を我々にすすめているのです。
コストパフォーマンスは、もちろん生き方においても
重要な選択基準ですが、
仕事であれ、恋愛であれ、ときにこの“コスパ”が考えを狭め、
現代人に余計な苦悩を与えている気がします。
一方でこの塩沼亮潤師の言葉は、
決して器用な生き方をしてこなかった私に、
そして同じような思いを抱く多くの人に、
大きな勇気を与えてくれるのです。