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日本人って、難しいかもしれないと思うと触らない方が正しいと考える方が多くて。

と漫画「僕の妻は発達障害」のナナトエリさん
(先日の『週刊テレビ批評』)。

自身の発達障害への理解が進まぬ現状を
このように嘆き、
「もっと話しかけてほしい」と訴えた。

「発達障害って難しくって分からない。
考えるより、黙って触らないでおこう」、か。

政治は難しいから投票しない

先日の参院選前にも「難しい」という言葉が飛び交った。
あたかも「自分は普通だが、選挙が難し過ぎる」とでも
言うかのようだ。
一方で
先日の参院選前に、船橋北高校が行った調査では、
「自分の1票では政治は変わらない」という理由で
多くに選挙権がある3年生200人の内7割が
「投票に行かない」と答えたとか。

しかし、「いまの暮らしを変えたくない」という
理由で20-30代の自民党(創価学会の党は完全に論外)
支持者が多い現在、船橋北高校の3年生は、
「本当に何かを変えたかったのだろうか、
何かを考えていたのか
という疑問は残る。

「変わらないから行かない」という理由は、
考えたくないからそう言った
だけではないのか。

考えないことをよしとする価値観。

ナナトエリさんが言った「難しい」と
私が選挙についてふれた「難しい」は、
たぶん少し違う。
ただ、この「難しい」という言葉が、
政治・経済をはじめとする
コミュニケーションの分野で
安易に使われ過ぎている気がするのだ。


「考えて」みれば、その対極にあるのが、

いま、世の中を席巻する
(考えなくても感覚だけで判断できる)
直感的な便利さこそが最高なのだ、
という、商業主義が匂う価値観だ。


「考えれば分かることじゃないか」という
言い回しがあるが、
これからはもう通用しなくなるかもしれない。

参院選前も「誰に投票していいか分からない」
という言葉がよく聞かれたが、
マスメディアの多くが、
この考えを致し方ない意見として
受け入れている。
「日頃から考えていれば分かるだろ」
なんて批判は、もう通用しないのか。

直感的な便利さがいいという
価値観の前で、
考えなければいけない煩わしさは
一蹴される。
コスパ重視というもう一つの
価値観が、
考えることは無駄が多いと
消しにかかる。


それでも私はいい。
気づいたら、
国家を守る
どころか、
人間の尊厳すら
守れない事態が
生じる可能性があるのは、

これからの世代だ。



















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