百人一首 うたものがたり (水原 紫苑)
(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)
講談社のpodcastで紹介されていたので手に取ってみました。
歌人水原紫苑さんによる「百人一首入門書」です。
私も高校時代には百人一首をすべて暗記させられましたが、今、それから40年以上経ると本当に誰でも知っているような有名な数首しか憶えていません。それではいかにも情けないので、ちょっとおさらいをしてみようと手に取ってみました。
たとえば、有名な「紫式部」の歌。
こういった解説はなかなか面白いですね。
さて、本書を読んで印象に残った点をひとつ、「おわりに」に書かれている選者藤原定家を語ったくだりです。
百人一首に選んだ歌が、その歌人の最高傑作と評されるものの場合もあれば、明らかに代表作と言い難いものの場合もあるとのこと。そのあたりに定家の微妙な心の揺れがあるのだと水原さんは考えているようです。
具体的には、誰でも知っている紀貫之の有名な歌の解説の中で触れています。
ともあれ、「百人一首」の歌ども。藤原定家によって百人一首に採歌されたことで千年の後の世にも伝わる命を与えられたということですね。
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