かもめ (チェーホフ)
偏食気味で良くないのですが、そもそも文学系の本を読むことは少ないですね。
特に戯曲は、シェークスピアを除いてほとんど読んだことがありません。ここ1・2年ぐらいでは、アイスキュロスの「アガメムノーン」、泉鏡花の「夜叉ヶ池・天守物語」ぐらいです。ということで、恥ずかしながらチェーホフは初めてになります。
この「かもめ」、後の「ワーニャ伯父さん」「三人姉妹」「桜の園」とともに四大戯曲と呼ばれたチェーホフの代表作のひとつです。
短い作品ですが、本書のタイトル「かもめ」が登場するシーンを中心に印象に残ったところをいくつか書き留めておきます。
まずは、自作の演劇を母親であり女優のアルカージナに酷評されたトレープレフが、猟銃で撃ち落した「かもめ」を持って領主の娘ニーナの前に登場するシーン。
そこに小説家トリゴーリンがやってきます。トレープレフが去り、ニーナにトリゴーリンは話しかけます。ニーナが持っているかもめに目を留めたトリゴーリンは、自分の手帳になにやら書き付けます。
そして、後日、トリゴーリンとニーナの別れのシーン。
ストーリーの詳しい顛末には触れませんが、トリゴーニンの書き付けた短編の着想どおりに物語は進みます。
終幕近く、トレープレフとニーナの台詞の交換、ニーナは「私は、かもめ・・・」と何度もつぶやくのです。ニーナは忍耐に目覚め、トレープレフは絶望の淵へ。再び多くの人物が登場して一気に結末のシーンへと向かいます。
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