世界珍食紀行 (山田 七絵)
(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)
たまたま、となりの自治体の図書館に寄った際、新着図書の棚で目についた本です。
この手の内容の本はいくつもありそうですが、編者の山田七絵さんが開発途上国の専門家(アジア経済研究所新領域研究センター環境・資源研究グループ研究員)だということで、よくある奇を衒ったものとはちょっと違った感じではないかと興味をもって読んでみました。
そういえば本書は、私がいつも聞いている大竹まことさんのpodcast番組に以前山田さんがゲスト出演したとき紹介していましたね。
ともかく私にとっては初耳の情報が満載で、それらの中から特に印象に残ったものをいくつか書き留めておきます。
まずは、ラオスの「カブトムシ」。
カブトムシのツノは、胴体を食べるときの「持ち手」としてちょうどいいのだそうです・・・。分かりますが、だからといって食欲が湧くものでもないですね。
次は、タイの食事の説明。
とてもシンプルで分かりやすい表現ですが、「カエル」以下はちょっと勘弁ですね。
こういう感じで紹介されている珍しい “食文化” はその土地ならではのものですが、その国の食文化が外圧の強制により歪められた例もありました。
キューバがそうです。
また、観点を変えた気づきとしてですが、いつもは研究に没頭している所員の方の思いがけない名文も面白いものですね。
「イギリス レストランに関する進化論的考察」とタイトルされた項で、ロンドン在住時に経験した「2000年代初頭のイギリス料理」について語ったくだりです。
さて、本書を読んでの感想です。
基本的には「アジア経済研究所」の研究員の方々による「食」を切り口にした “異文化レポート” といったテイストのエッセイで、各人の現地愛がこもった文章には大いに感じ入るところがありました。
また、それぞれの料理の紹介にあたっては「カラー写真」も豊富に掲載されています。
こちらは直接視覚から脳ミソに刺激が飛んできて、小さいながらもインパクト十分なのですが、「昆虫食系」と「〇〇の丸焼き」の類はちょっとキツイですね。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?