ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー (ブレイディ みかこ)
(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)
とても話題になった本です。
いつもの図書館に予約して、ようやく1年経って手に取ることができました。
本書に登場するメインキャストは、イギリス在住の著者ブレイディみかこさんと息子さん。
その息子さんの中学校生活を舞台に、様々なエピソードや今のイギリス社会の実情がリアルに描き出されていきます。
たとえば、保守党政権下の緊縮財政の影響をストレートに被った低所得者層の学校生活の実態。
そういった厳しい現実の中で、悩みながらも自分の頭で懸命に考えて成長していく著者の息子さんの姿は、とても好ましく素直に応援したくなりますね。
評判どおり、刺激的で考えさせられる興味深い内容の良書だと思います。
さて、本書の舞台はみかこさんたちが日頃暮らしているイギリスが中心ですが、時折の里帰りで顔を出す日本での経験も紹介されています。
福岡の実家そばの料理屋さんでのエピソードです。
謂れのない差別意識は、いまだに残っているのです。
とても情けなく残念ですが、何とかして拭い去らねばなりません。“当たり前” と感じるものがそもそも違うんですね。“(何かが)同じであること” は、そんなに大切なことなのでしょうか。背丈も体重も声も癖も、まったく同じ人などいないのに・・・。
“当たり前” という「意識」はどんなプロセスで作られるのか、そこが変わらないと、いったん染みついた “当たり前” を変えるのはなかなか大変です。
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