(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。)
松岡正剛さんの本を読むのは本当に久しぶりです。
今までも「日本という方法」「多読術」「日本力」等々、何冊か読んでいますが、ともかく松岡さんの知識の質量や概念の構成力には圧倒されます。
今回のテーマは大胆にも「日本文化」です。
いろいろな切り口で論考が進むので、順不同になりますが、気になる指摘を書き留めておきます。
まず、「第五講 和する/荒ぶる」から。
“アマテラスとスサノオに始まる「和」の起源” とサブタイトルがあります。アマテラスの系譜は「和する」、スサノオの系譜が「荒ぶる」です。
「あはれ」と「あっぱれ」もそのひとつの例です。
もうひとつ、「第九講 まねび/まなび」から。
明治維新期の外国人学者たちの功績について。
さらに、
明治維新は官製の西洋化を推し進めましたが、その流れの中で、外国人学者たちが日本伝統の芸術や技芸の価値を認め、破壊から守ってくれたのです。
さて、最後に本書を読み通しての感想ですが、やはり松岡さんの立論には8割方ついていけませんでしたね。思想を構成する様々な材料を提供してもらっても、私にそれを「編集」する(料理する)腕がないのですから、どうしようもありません。
肝心のそこのところの修行は、はてさて一体どうすればいいでしょう。