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役に立たない読書 (林 望)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。)

 林望さんの本は今までも少しばかり読んでいるのですが、語っている内容は結構すっと腹に落ちるんですね。本書もそうでした。

 「ベストセラーは読まない」「速読はしない」「同時並行的に何冊も読み進める」等々は、まったく同感ですし、私もそういうタイプです。

 その他、たとえば、“本を読む意味” について触れているくだり。

「徒然草の第十三段」
 ひとり、灯のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなう
なぐさむわざなる

を紹介したのに続いて、

(p178より引用) この「なぐさむわざ」として書物を読む、これこそが読書のもっとも実り多いありかたであって、そこからどんな役に立てようかなどということは、一切不要のことだと、兼好法師は看破しているように思います。

と述べています。読書は「心」を慰めるもの、私もそう思います。

 ただ、「本は借りて読む」というスタイルの私なので、林さんの「本は自分で買って読め」という勧めは実践できそうにありません。
 できるだけ乱読・雑読でいきたいので、読んでみたいと思った本をすべて買っているとあまりにも “無駄打ち” が多くて、お金も保管場所もついていかないのが正直なところです。



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