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痒い、痒い

身体のあちこちに蕁麻疹が出る
消えては出る
あちこち、痒い痒い

なんだろう
そう思ったら
また寝汗をかく

身体が悲鳴を上げている

生きることは辛いから
本当は生まれる前の国に還りたいけど還れない

わたしの自由にならない人生

生まれる前に何を約束してきたの
こんなに苦しいならば
こんなに孤独ならば

その約束を反故にしたい

また生まれ変わりが待っている
もっと大変な苦難の人生が待っていると言われても

もう十分
もう結構

目の前のことだけをこなしてきた
全く先は考えられない

不器用で
心は頑なに生きてきた
大きなかなしみだけを背負ってきた

食欲もなく
ただただ布団に潜るだけ

月命日の花を買いにゆく
それだけは自分に課した行いで

痒い、痒い蕁麻疹は身体の内側からの毒素なのか

身体からの拒否反応

生きてることの拒否反応

魂からの拒否反応

わたしの背負ったものは
小さなものにすぎないのか

これはいいことなのか
体験なのか

いつか彼の世に還れる日を夢見て
眠りにつく

「今日も一日ありがとう」と言って

本音を言えば
もう二度と肉体をもって降りて来たくはない…

痒い、痒い蕁麻疹


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