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自分を知る。〜ソロキャンプを振り返って〜 【山ごもりの夏休み⑩】

ソロキャンプのデビューは無事に終わった。
いろんなことに手を出してきた私だが、そんな私にも、まだ新しく挑戦できることがあったということ。
それが知れて嬉しかった。
体は確かに衰えている。
だけど、自然に順応する力はあった。
高地に来て、初日と6日目とでは、6日目の方が体が楽だった。初日がしんどすぎた分、順応できていることをより強く実感できた。しんどすぎたおかげとも言える。


まだまだやれる。そう思えた。
筋トレや運動をして鍛えようと本気で思う。
いや、そう思っても、実行できるかどうかは別だけどね、でもちょびっとは鍛えようと思っている、多分。
山ではたくさんの高齢の女性が元気に登っていた。彼女たちはうるさいくらい元気だった。私は年老いても、誰かとわいわい来たいというよりも一人で静かにはいたいが、彼女たちのように足腰は丈夫でい続けたいし、知的好奇心は持ち続けたい。
若ければもっと無茶な旅もできただろうけど、若くない分、リスク管理は慎重にやれる。老体が私の無茶しやすい性格にちょうどいいブレーキをかけてくれる。
だって体が若くないから、無理して怪我したら一生付き合う傷になる。自分を過信することなんてもうない。
自分の限界も意識して、山を引き返したり、プランの変更だって柔軟にやれる。絶対にこれをやるんだ!という若き情熱とも言えるような執着もしない。今やれることをやれる範囲でやりたい。
雷雨の夜はただただ自然には抗えなかったように、自分の体にも抗えないということは分かってきている。
私が元気に旅ができる第一の要因は、みなぎる体力ではなく、間違いなくメンタルだ。
体は動かされているだけだ。
自分の性格的に、気分が高揚している時は意外と無茶ができるし、その精神状態を利用して無茶をやった方が、思いがけない力を出せて想像以上にやれること、そしてその時に無茶した方が自分が納得できるということも分かってきている。以前富士山に登っている時の9合目あたりでやってきたクライマーズ・ハイがえげつなかった。もう急にテンションが上がって笑いがこみ上げてきて、登るスピードも上がったのを覚えている。今回の登山でもそうだったし、雷雨の中のキャンプもそうだった。ヤバイシチュエーションほど、面白がってしまう悪い癖が出る。その癖は私の体をスーパーサイヤ人化してしまう。おら、ワクワクすっぺ!状態だ。

それと引き換えに、私はフィジカルもメンタルもコンディションの落差が激しいことが分かっているから、その後、徹底的に体を休めて回復するためには旅先であろうと12時間くらいまとまった睡眠をとらないといけないことも分かっている。だから眠る。泥のように眠る。6日間のうち、写真を全然撮っていなくて何をしていたのか思い出せない日が1日ある。多分寝ていたのだと思う。こういう無駄と思えるような日を過ごせるのも一人旅のいいところだ。
旅先でもそんな時間まで寝ててもったいなくない?と友達に言われることもあるが、パフォーマンスを上げるためには仕方ないのだ。それだけ体に負荷をかけている。だけど眠りさえすれば回復すると分かっているから大丈夫だ。
体を鍛えるのもいいが、私の場合はそれよりも、多分この体を動かすために心が動くこと、高揚感、衝動が必要な気がしている。あと、いつでもどこでも眠れることもだけど。

若くない旅人がこれからも旅を続ける秘訣はきっと自分を知ることだと思う。
「自分」という乗り物を上手く乗りこなせないと旅には出られないと思うくらいの信念がある。その乗り物もあちこちガタが来ているが愛着がある。癖さえ掴めばまだまだ乗れる。
自分を知ること。
今回の旅でもたくさん心が動いたし、体も動かすことができた。

ソロキャンプは必ずまたやりたい。
だけど山でやる場合は荷物はもう少し減らそうと思う。
バックパッカーたるもの、バックパックを背負うのが嫌になってはおしまいだ。背負って小走りできるくらいの重さにおさめておかないといけない。
食を楽しみたいなら、もう少し低い山や車で行くオートキャンプにしておこうと思う。車で行けるような森の中や川のほとりでのんびりとやるのもいい。せいぜい2泊くらいで。
高山でのキャンプで欲張ってはいけない。
足るを知る。
あんなに食料を大量に持っていかなくても、少し早起きして山小屋へ行ったりレストランに行ったり、楽をしようと思う。今後はウィンナーは12本も持っていかないようにしよう。
次に、悪天候のもと、標高2450mの地でもう5泊もしなくてもいい。雷雨が来たら山小屋に泊まる。もう十分自然の中で眠ることを堪能できたから、次は最初から山小屋泊でもいいし、テントも2〜3泊くらいでいい。これは体験したから言えることだから、今回5泊できて良かった。
そういう選択も視野に入れて、まだまだやりたいことを続けていきたい。
若くない旅人にしかできない旅を見つけて続けていきたい。さあ、家に帰って美白のパックをしよう。
整骨院の予約もしなければ。
メンテナンスに時間とお金がかかるけど、まだまだこの乗り物に乗って旅するためには仕方ない。
このポンコツの乗り物には愛着があるから、大事に大事に乗り続けたい。

9連休を終えて今日からまた仕事。頑張れるか謎だが、頑張れなくなったらまた休めばいいし、立山が待っているし、やってみようと思う。



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