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小沢健二の「自作最強」説は、めんどくさい私に、更なる自信を与えた。

昨日、Mステでオザケンこと小沢健二がこんな朗読をしていた。

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オザケンの自作の詩、エッセイだ。

忘れた頃に時々思い出したように夢中になる、
私の趣味はざっくりと「手作り」だ。
何らかのものを「DIY」する。

それは、料理、お菓子作りから始まり、
服作りなどの大掛かりな洋裁から、
手縫い、刺繍、編み物などを駆使した小物やアクセサリー作り。
ハンドクリームを作ることもあるし、
なんならそこから派生してリップスティックも作った。(「生活の木」には手作り用のリップスティックの本体のみが売っているが、私は使用済みのリップを掻き出して洗って再利用した。)
昔は化粧水作りにハマって呉服屋から蚕の繭玉を取り寄せて煮詰めたりしたこともある。絹の成分が美白効果があるとのことだった。
余談だが、髪型だって自分でちょこちょこ切るし白髪染めもセルフだ。ストレートパーマも自宅で自分でして失敗し、半年以上不本意な気持ちで髪を乾かしている。まあこれは本当はプロに任せたいが、お金を浮かせたいのと、髪というコンプレックスが具現化されたものを他人に触らせる勇気がわかないのと、美容師という私から見ると眩しい存在の社交的な人間とのお喋りが苦手だからだけど。

これって作れるんちゃうか?と少しでも思ってしまったら、どうしても取り掛かりたくなる性格なのだ。
(何かを手作りした話をここに書くのもいいな…とふと思った、今。)

オザケンの朗読には120%同意した。
そうよ、そうなのよ。
自作すると仕組みがわかるのよ。

編み物をしていると、ああこの模様はこういう編み方の組み合わせでできるのか、とか、
ネパールでヤク、ウールの製品が作られる地理的歴史的背景とかを知れた後はもっと編み物が面白かったし、
革細工にハマった後は、モロッコのフェズで見た革なめしの工程がより興奮するものになった。
ハンドクリームも、ミツロウの性質を学び、オイルの成り立ち、役目、好きなアロマオイルの香りがどれかを真剣に考えたりすることで、自然界のものがいかに私たちの生活に関連しているかが分かった。

私はもちろん御多分に洩れずこのご時世の中、今は手作りマスクにハマっていて、息苦しくならないためのデザインや、耳が痛くならない紐について1人で研究して楽しんでいる。
研究には時に犠牲が必要で、ヴィヴィアンの1400円もするハンカチにザクザクとハサミを入れてマスクを製作する思い切りの良さも必要。裏地は長年着てきた白いシフォンの服を切り刻んだもの。紐はTシャツを細く切ったものを紐にしてみた。
その結果、私の手元には、アベノマスクがまだ届かないと言うのに、オリジナルのめちゃくちゃエッジの効いたデザインのヴィヴィアンウエストウッドマスクが3つもできた。そしてその切れ端で巾着袋まで作ったから、ヴィヴィアンに売り込んでもいいくらいだ。大満足。(安倍ちゃん、仕事は、スピードか丁寧さが命。最低どちらか1つが必ず必要だよ。)

手作りって、ほぼ研究に近いから、
ハマるとそればっかりやってしまう。
寝る時間なんて惜しくないくらい延々と。
そして私の欠点でもあり、最大の持ち味でもある、
恐ろしいくらいの飽きの速さ。
飽き性クイーンだ。
そのせいでダイエットはリバウンドと同意語になっている。(これはどうにか克服したいのだが。)

飽き性の良いところは、飽きたら見向きもしなくなるから、身を削るほど研究に没頭し続けて一生を棒に振るということをしなくて済む。
これは自分の飽き性の性格に本当に助けられている。命の恩人だ。
マスク作りもそろそろ飽きてきていて、コロナの収束よりも少し早く飽きがきそうでちょうどいい。
天才的な飽きのタイミングだ、我ながら。

旅も同じような感覚で、
パッケージ売りされているツアーの旅行は簡単に買えるんだけど、そこも自作してしまう。
まずはどこに行くか、航空券から、行き先、泊まる場所、旅の組み立て方など。
ここ行ってからあそこに行くってめちゃくちゃストーリー性あるぞ、とか、
ここからあそこは川があるし船で行ってしまおうとか、
旅の行程を作る段階で最高にワクワクする。
それぞれ別々に計画したり手配したりして組み立てると、一つ一つの値段の相場も分かってくるし、自作の旅に出ると、ああこの町はこの辺が安宿街なのかとか、旧市街地のこの辺に全てが集まっている理由とかが見えてきて楽しい。
そして何より旅は飽きない。
自分で手配するのがめんどくさいから旅行会社に頼んじゃう人も多くいるが、私はもったいなくて自分以外の人に頼めない。
私の旅は自作に限る!と思っている。


オザケンの言うとおり、自作はまさに自信になる。
「めんどくさい奴」という言葉を、
私は褒め言葉のように受け止めて、
めんどくさいことをし続けている。
「自作をするのが最強」の世界。
とうとう世界が私に追いついたのかと感慨深い。
発表してくれてありがとうオザケン。
これからも自信を持って生きていけるよ。
さて、次は何を自作しようか。
そんな私は今日も自作の文を綴っている。


写真は小沢健二氏のTwitterから拝借させていただきました。

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