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ハリドワールの風を訪ねて〜grace〜【インド#21】


デリーからバスで北上し、ハリドワールにやってきた。
ラジャスタン州の旅を終えた私の次の方向性は、数週間後にリシケシュとダラムサラで旅仲間と再会すること、そしてパキスタンへ抜けること。
ひとまずこの計画だけを立てて、その合間に、適当な町に滞在しながら北に進むことにしたのである。
そしてまずは、聖地ハリドワールに来た。
ここに来るのは2度目だが、リシケシュから日帰りで立ち寄っただけなので、今回は2泊してみることにした。
ここに来た目的は、あれを確認すること。


そうこれ。
藤井風の「grace」のMVのロケ地の確認。
自分のnoteをじっくり読み返して、MVをよく見て、いざ出陣。

夕方にハリドワールに到着したので、とりあえず手ぶらでガンガ沿いを散歩。インドに詳しくない人に一応説明すると、ガンジス川のことを「ガンガ」と呼ぶ。
ここハリドワールはガンガの上流の方にあたるので、水は澄んでいて勢いも速い。ガンガで有名なバラナシとは、同じガンガでも全く違う川に見えるのである。
ちょうど、アールティ(ガンガ沿いで毎日行われる礼拝の儀式)の終わり、たくさんの人が帰るところであった。明日の夜は、最初からしっかりアールティに参加しようと思った。
歩いていると、見覚えのある、青っぽい塔と赤い塔を発見。なんとなくロシアっぽくて可愛いので目立つ。
そして、時計塔も確認。以前来た時と少しデザインが違うので、新調されていると思われた。
夜のガンガは、大勢の人がいる雑多な景色丸ごとで美しい。


ガンガまでの露店が立ち並ぶエリアも、ハリドワール独特の聖地感がある。
あちこちにポン菓子が売られていたので、それはなぜか聞いたら、「ハリドワールだから」という理由が返ってきた。だからそれは何でなのよって話なのだが、何度もそう言うので、そこで納得することにした。
また、これは何かな、と気になるものがあちこちに売られていた。昭和のドアノブカバーのようなもの。
これも何かと聞いたら、「神様の像を買ったら、それに着せる衣装もセットで買うんだ」とのこと。神様も着せ替え人形のように扱われるらしい。クリシュナはもちろんのこと、猿の化身ハヌマーンのドレスもあったのが面白かった。結構ひらひらスカートの派手なのが、インドの神様界ではトレンドらしい。

ポン菓子
このひらひら
孔雀みたいに広がるデザイン。


さて。
藤井風氏のMVを再度確認。
やはりハリドワールで間違いなかった。
翌日は、黄色とピンクの塔の上に上がってダンスができるか確認することにした。


翌日。
昼間のガンガ。
水流が結構速いので、流されてしまわないように、鎖に捕まって沐浴する独特のスタイル。

ここ。
そしてここ。

残念ながら、風氏が登っていた場所らしき黄色と赤とピンクの塔ら辺は、上に上がれないようになっていたので、近づいてから、心の中で踊っておいた。
何があろうとも、全てあなたのgrace。


さて。
ふと、少し先に巨大シヴァの後ろ姿が見えたので、顔を見たくなり歩いて行ってみることにした。

アベンジャーズ感。

大きすぎた。
カリスマ性あるシヴァ神を真正面から見れたので満足。やはりシヴァは圧倒的である。

日が沈み始めたので、アールティを近くで見るために戻る。
夕日がとても綺麗な日であった。

日が沈むと、ろうそくを灯す人が増え、花と一緒に祈りを込めながら回してガンガに流す。
ハリドワールのアールティも、賑やかで、大勢が声を出し、空に手をかざしている。この熱心な人々の光景には、言葉が分からないなりに、ちょこんと混ざっている異国の人間にも、何かしら伝わるものがある。
宗教的な意味合いというよりも、人々の熱狂、迫力が、何となくロックフェスティバルぽく感じる。終わって、人々が一斉に捌けていくのも花火大会の帰り道を思い出させるような感じ。
祭りの終わり。楽しかったなぁと思いながら歩く道。その道もまた楽しい。

聖地なので、ガンガの水を汲むボトルが売られている
停電したら真っ暗になった道
ろうそく灯したくなる。
安くていい宿だったけど、英語が全く話せないオーナーだったし、多分他に客がいなかった。
テレビにはシャールク。


ハリドワールの風と熱狂を感じ、次はリシュケシュへ。
ローカルバスは、サドゥー(修行者)がたくさん乗ってきて、圧倒されて、さすが聖地だと痛感した。

オームマークのデザインの橋
ハリドワール駅前のシヴァは以前よりも色が濃くなっていた。


続く。


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