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それでも私はフジロックが好きだ

私の大好きなフジロックフェスティバルが悪い意味で注目されて炎上しまくっている。
大好きな場所なので悲しい。

色んな賛否両論がある。
この時期にフェスをやる意味、オリンピックを反対していた人たちがフジロックには参加することへの批判、音楽業界の大変さ、意思表明という名の言い訳をしなければミュージシャンが出演できにくいムード、そしてそれに対する炎上、ドタキャンした出演者への賛否、日の丸を歌ったMISIAへの賛否、ロックとは何か論、怒りの矛先は政府へ向けるのが正解なのか、分断がー、医療従事者は泣いているぞ、新潟に迷惑かけるな説などなど。

全部まとめてウンザリである。
アレコレと炎上してる現象まとめて全部ダサい。

私も思うところはあるが、私のフジロックへの思いは、今回は書かないことにする。
書かない理由は、書けば2万字超えそうだし、色んなアーティストがフジロック出演に向けての色んな長文を書いてて、どれも一理あるし、どれも矛盾してるし、どれも自己弁護だし、どれも間違えてはいないとも言えるが、どれもどこか間違えていて、どれもカッコいいと思えるものがなかったので、私はやめておく。
フジロックのYouTube配信を見ていたら、政府批判や自分の中の葛藤を語っているミュージシャンよりも、ヒロトくんやチバのように何も語らず笑っていつも通りロックをやっている方が潔い気がした。あくまで私はそう感じた。
King Gnuの子がMCで、フジロックに出ることで、医療従事者にどんな顔したらいいのか、顔向けできない、どうしたらいいか分からない、と言って泣いていた。King Gnuさんについて詳しくないが、若いからきっとメンタル的に追い詰められて辛かったに違いない。
私も医療従事者のはしくれだが、どんな顔って別に普通の顔してくれてたらいいし、君は君の仕事をしているだけだし、君の音楽でたくさんの人を救ってるだろうし、救われている医療従事者だっていると思う。私も音楽に助けられているタイプの人間だから、そう思う。
しかし、出ることがアーティストにとってある種のステータスだったフジロックが、出演するかどうかですさまじく葛藤し、苗場で歌うことの申し訳なさで泣いてしまうってのはきっと何かが間違っている。
フジロックを批判して、出ていたミュージシャンに失望したと言っている本当の医療従事者は、きっと、オリンピックにも失望してるし、プロ野球を見に行ってる人にも失望してるし、会食してる政治家たちにも失望してるし、街中を出歩いてる普通の人たちにも失望してるし、カフェでお茶したり外食したり遊びに行ったりしているそこら中の人たちにもとっくに失望してると思う。失望しながらも個人の感情は横に置いて業務を行なっていると思う。怒ってる暇もないし、そんなことに使うエネルギーもない。あ、私はね。
どれを槍玉にあげるかの違いだと思う。フジロックが今は槍玉に上がっている。まあいいんだけど。
そんなに怒ってる人たち全員に、友達と会ってご飯食べたりも一切してないのよね?と聞きたい。私だってこの1年8ヶ月の間、数回スーパーに行ったし、片手で足りるほどだが友達と会って外で食事をした。1人でよくうろうろ旅してる。だから偉そうなことは言えない。
あといつも引っかかっているのだが、何かの最後に「医療従事者に感謝」って言えばいいって思ってるような風潮も、あれは何?と思う。手紙の最後に「お体に気をつけて」って書くくらいの無意識の感覚で「医療従事者に感謝」って使ってないか。
医療従事者はみんなが聖人な訳ではないから、その言葉を目にするたびに「は?」と白ける私のようなひねくれ人間もいると思う。いや、そんな言葉より行動な、と思う。そんな言葉はいらんから家におってくれって思う。そして保健所含めた行政も福祉も必死に身を削って働いてるからそこにも感謝しろやし、感謝の対象を書き出したらキリがないと思う。
政府が悪いしか言わない人たちは、お前ら子どもか?って思う。政府はもちろんダメダメだし私が代わってやろうか?って本気で思うこともあるが、自分で自分の身は守れるはずだし。システム(政府の作る)の悪さが医療崩壊を招いているが、コロナにならないように自衛するのは一人一人だろう?と不思議な気持ちになる。当然のように政府や誰かに守ってもらうのを期待してる人が世の中に多いんだなぁと驚く。他人に期待しない私からするととても不思議だ。

フジロックのYouTube配信を見てたら、行ったことのあるフジロッカーならきっと分かると思うけど、半数どころか3分の1くらい、いやそれ以上に観客を減らしているし、歓声もなく、ディスタンスも取れている。まあ、あくまでこれまでのフェスの感覚で比較するとディスタンスが取れているだけで、1.5m空いてるかというと疑問ではあるが。私は大阪市民で電車通勤なので、満員電車のモッシュ状態で毎日通勤している。だが、それと比べれば大分マシだと思う。映像では分かりにくくて密に見えるが、苗場はそれなりにスペースはありそうだった。
感染対策も頑張っていたのだろうと思う。しかし、希望者全員に抗原検査というのはダメダメだなぁと思った。抗原検査は発症していない人には意味のない検査なので、そこはPCRだろう、とツッコミたくなった。
また、アメリカのフェスのロラパルーザなんかは入場者はワクチン接種済みの人か陰性証明した人限定にしている。

参加者40万人で300人くらいの陽性者が出たらしい。社会実験として、これを参考にしたら何か見出せると思うのだが。アメリカは規模が違うなぁと驚く。日本なら40万人よりも陽性者300人をクローズアップしてものすごいバッシングが起こりそうだけど、フジロックもそういう社会実験としてデータをとって、これからのイベント関係のコロナ対策に役立てたらいいのにと思う。
まあ、フジロックもワクチン済みかPCR陰性を条件にすれば良かったのになあとは思う。終わった直後に陽性者はいない、っていう発表もダサいからやめてほしかった。2週間後に出してほしいし、ちゃんと追跡調査をしたらいいのにとも思うけど。
フジロックは、無観客で配信で投げ銭にすべきだったという意見も見たが、それはない。あれは、苗場で自然に囲まれて見るから価値があるのであって、行かないと分からない素晴らしさがある。

あ。

フジロックへの思いはダサいから書かないって書いたんだった。いけない、いけない。ダサくなってしまった。ダサい、私。やだやだ。つい語りたくなるが、この辺でやめとこう。

そもそも、今日何が書きたかったかというと、YouTube配信で見た電気グルーヴがとても良かったことだった。いつものことながら、前置きが長過ぎたけど、書きたいのは電気グルーヴについて。
2019年にピエール瀧があのようなことになり、電気の作品全てを販売禁止にして、2019年のフジロックに出る予定だった電気グルーヴも出演がキャンセルとなった。その時に、フジロックの主催者、SMASHの日高社長(通称:大将)の言葉。

今年のフジロックでは電気グルーヴの出演はキャンセルになったけど、今後も彼らとの関係は変わらないから、問題が解決したら仕事をしたいと思っている。
友達なんだし、素晴らしいアーティストなんだから、そう思うことは当たり前だろう。

2019年、この言葉に卓球は感動し、「こういう人と仕事をしていきたい」と言った。
この義理に応えて今年のフジロックの大トリに出演した電気グルーヴ。あの時、くたびれてうなだれて謝罪していたよれよれの瀧を、あの輝かしいステージの真ん中にアーティストとして戻してやった卓球にしびれた。
卓球を支えた日高大将と、瀧を支えた卓球と。
大人になっても友達ならどんなことになっても徹底的に支えるんだというブレない格好良さを見たような気がした。友情ってのは、時には共犯になれるってことなのかもなぁと思ったり。善悪、賛否は置いといて。いや、善悪は横に置き去りにしちゃいかんけど、この際一旦置いとこう。とにかく、そう感じた。
1997年、フジロックが生まれた瞬間に天神山で立ち会った私としては、これからもフジロックを好きでい続けたい。
チラッとYouTubeに映った日高大将が痩せ細っていたのが心配だが、元気にこの苦難を乗り越えてほしい。私は勝手に一方的に日高大将に、そして音楽に、フジロックに友情を感じている。友達は大事にしたいし、いつまでも大好きだ。やっぱり超絶ダサい言い訳になったが、これがフジロック寄りの私の気持ちである。
これ以上のコメントはダサくなるからしないでおく、今度こそ本当に本当に。


今じゃ言えない秘密じゃないけど
出来る事なら言いたくないよ
今話しても しかたが無いし
でも言いたくて しかたが無いし
学校ないし 家庭もないし
ヒマじゃないし カーテンもないし
花を入れる花ビンもないし
嫌じゃないし カッコつかないし

しかた無いなと分かっていながら
どこかイマイチわりきれないよ
先を思うと不安になるから
今日のトコロは寝るしかないね

話すコトバはとってもポジティヴ
思う脳ミソ ホントはネガティヴ
バカなヤングはとってもアクティヴ
それを横目で舌ウチひとつ La la la la ah


電気グルーヴ「N.O.」

これを今歌ってる時の電気グルーヴ、最高だった。

落ち着いたら海外アーティストをまたいっぱい呼んでね、大将。








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