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【 叫び 】

あの頃の私は、彼女の魂を略奪していたのだ。
あの叫びは本来の私のものではなかった。
私自身の叫びは何処へ行ったのだろう。
ずっと隠匿してきたものが、今。

シャッターを下ろす。見ない聞かない感じない。
抑制。制御。理性。眠れ私。
無になって、灰になって、海を漂って、空に還る。
そんな空想。
そう、私は今辛い。

「僕と付き合ってください」
君をデートに連れ回して、僕はただ道化を演じて、
「笑顔を無くさないで」
私は今、笑えない。


『音楽の洗濯機』ぐるぐるぐる。

破壊的な妄想をした。
いつ死んだっていいんだった。
そのぐらいの覚悟はとうにしている。
いつだって私は私を生きてきたから。

人生を指揮する。
第3楽章の中弛み。

待って待って待ってばかり。
私の存在意義のサイズを量る。
もっともっと、神経衰弱。
今は常じゃないけれど、何が尤も真実らしくあるものか。

生まれつき泣いていた。祈っていた。
私は弱い。
私は、弱い。


お読みいただきありがとうございます。
今日もみなさまが心穏やかに健やかでありますように。

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