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2023年の詩(nori)

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2023年に作成したものです。
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2023年2月の記事一覧

【詩】君へ届け

先輩が言い放った言葉

耳から離れなかった

「恋愛は直球ド真ん中」

僕は逃げていたんだな

君への気持ちを表に出せば

どんどん嫌われて

もっと離れて

好きでいられるこの気持ちが消えてしまう

それだけは絶対に嫌だった

また手紙を書いてみようかな

自己満足という否定を超えて

君に笑顔が届けられるよう

好きな歌詞の引用とかじゃなくて

直球ド真ん中

君へ届け

©nori

202

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【詩】フォトジェニック2

集合写真では上手く笑えない私が

あなたと一緒に過ごしていると

嘘みたいに笑ってばかり

冗談とか面白い言葉じゃなくて

安心できる環境だから本当の私になれる

集合写真では格好付けているあなたが

何となく冴えない表情の私を見ると

心配し過ぎて苦しそう

その様子に私の方が余裕になって

微笑むとあなたも笑ってくれる

手放したくない君との関係

刻々と近付いて来る別れの日

卒業写真ではあ

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【詩】ボクは窓ふきマン

何の変哲もない透明なガラス板

それがある事でどれだけ助かっているか

ある時はキレイな外界を見せて

ある時は和やかな暮らしを見せて

だけどカーテンや曇りガラスだって必要なんだ

彼らも別の仕事をしている

眩しい光を遮るように

見せたくないものを見せないように

みんな みんな 優しさだ

君は優しさの象徴だ

パシャッ パシャッ

潤った君は気持ち良さそう

キュッキュキュ キュッキュッ

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【詩】イタミ

立っているから脚が痛くなって

座っているから腰が痛くなって

寄りかかっているから背中が痛くなって

横になっているから心まで痛くなって

怠けたくて怠けてるんじゃない

とにかく痛いのが嫌だった

頭 眼 首 肩 胸 腹

どこかが痛い そんな毎日

誰かに癒してほしくって

上手になった近付き方で

本当に癒してほしいのは

君の方だって知ってしまった

嫌な事から逃げ続けて

時間だけが経

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【詩】君

もう10年も会ってないし

声だって忘れかけているけど

何か嫌な事が起こる度

君の名前を呟いている

君に会いたい

君が大好き

どうせ聞こえていないのに

この気持ちは後悔というより

今まで出会った人ランキングで

君がぶっちぎりの1位だって事

だから今日も呟いている

君に会いたい

君が大好き

たったそれだけ確認してる

©nori

2023/02/16

【詩】自分という庭園

あの時の失敗が

今の僕を成長させた

そんな風に思える失敗を

僕はずっと忘れない

酷い想いも沢山した

その度自分を嫌いになった

「なんでだろう?」

「どうすれば良かった?」

悩んでる自分は嫌いじゃなかった

一つずつ

一つずつ

後悔は

失敗は

僕の中で育って行った

あの時の失敗を

種を蒔いたと思えるくらい

長い時間はかかったけれど

ようやく今日 花が咲いたよ

これか

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【詩】貧乏性

朝日が昇る前にせっかく目を覚ましても
今起きたら灯油を無駄に消費する
そんな貧乏性がスタートの邪魔をする

私の中をぐるぐるぐるぐる
繰り返す思考の摩擦熱を
この家の暖房に回せたらいいのに

太陽の光が届いてから
暖かさを感じるまでの時間差を
昨日覚えたばかりの歌でアイドリング
コケコのように叫んだシャウトも
お経のような情念も
今の私にピッタリだよね

©nori

2023/02/08

【詩】ツヅケテル

3分の1

今日はこれで限界

カーテンを開けるのも

起きている時間も

いつだって同じ場所から

できるだけ遠くを凝視して

あの大木のように

あんな雲のように

なれないけどさ

憧れたっていいじゃないか

僕は変わりたいんだ

なりたいように

変わって行けるって言い聞かせ

ツヅケテルんだ

この……

命ってやつを

©nori

2023/02/07

【詩】ZATTOU

イヤホンをしていても

容赦なく聞こえてくる雑踏に

音楽は強制終了

そんな他愛もない日常を

芸術に昇華したところで

1年も経てばゴミ箱へ

本気になる事を諦めて

転がり込むのは楽な方

画竜点睛

そこまでの果てしない道のりを

強制イベントだけなんて勿体ない

雑踏の中に隠されたレアものが

僕の未来を変えたがってる

©nori

2023/02/02