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夏越の祓 下諏訪紀行
6月30日、諏訪大社へお参りしてきました。
noteでも色んなクリエイターさんが投稿されていた「夏越の祓」
2月に下諏訪を訪れた際に、下社では茅の輪が作られるお社があると知り、それは何としても見に行きたい!と思っていました。
じつは「夏越の祓」という言葉を知ったのもそのとき。
神社好きの割にはそういうことに疎いので、、これから学びます!
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この時期、お諏訪さまは秋宮にはいらっしゃいません。
トンビなのか鷹なのか、いつものお諏訪さまの使い(と勝手に思っている)が、やはり今日も悠々と空を飛んでいます。
摂社と気になる末社にもお参りしてから、つぎは旧中山道を歩いて春宮へと向かううちに雨があがりました。
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冬にお参りしたときにはひっそりとしていた春宮ですが、今日はとてもにぎやか!そして華やいでいます。
神楽殿の周りを取り囲んでいるのは、色とりどりの花菖蒲。
あとから知ったことですが、
これは氏子のみなさんが丹精込めて育てた花菖蒲を奉納する「あやめ奉献奉告祭」という神事なのだそう。
思いがけず出会った美しい光景にほぉ~っとなり、どの花がいちばん好みかな?と一つ一つ見てまわりました。
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幣拝殿でお諏訪さまにご挨拶。
いまは春宮にいらっしゃいますが、8月1日には秋宮へ移される遷座の神事が行われます。
ところで、お目当ての茅の輪はどこにあるのかというと、、
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ここは、春宮の横を流れる砥川の中州に立つ「浮島社」
祓戸大神を祀るといわれ、これまでどんな大水にも決して流されなかったそうです。
ではさっそくお参りを~
と思ったところで、鳥居の向こうからきた地元ボランティアガイドのおじさんに話しかけられました。
(きたきた!)
あ、これわたしの特技で、出かけた先でよく人に話しかけられるんです。そしてそれはおじさん率が割に高い。なぜ?
どっから来たの?
__伊那です
お、伊那美人だね!
__(なに?伊那美人?)笑
じゃあ、伊那〇〇〇〇高校?
__(えっ!当たってる!)はい、そうです
そしてここから、おじさんの口は更に滑らかになり・・
学校の前に桜の公園があるでしょ、そこへ当時好きだった彼とお花見に行ったんじゃない?
小高いところにあって、下には天竜川が流れてて、その向こうの方が高遠で。ここの桜もきれいだけど、あっちの桜はもっときれいでしょうね。
な~んて、話してたんじゃない?
__あはははは(苦笑)
思いつきの妄想にしては随分リアリティがあるなぁと思ったのですが、話を聞いてみると、どうやらおじさん自身が学生時代にそういう経験をしたんですって!
な~んだ、そういうことか。
昭和の青春時代の、諏訪男子と伊那女子の甘酸っぱい思い出話でした。
それにしても、諏訪の男性はちゃきちゃきとよく喋る!
伊那とは車で1時間ほどしか離れていないのに、やはり、あの御柱祭をやる諏訪人は伊那人とは違うのだなぁと実感します。地域性ですね。
余談ですが、「諏訪男に伊那女」は昔から相性が良いと言われているそうですよ。
もっとも、伊那女からみて諏訪男が魅力的というよりは、諏訪男にとって伊那女がおっとり柔らかい話し方と物腰で魅力的に映ったんでしょうけど。
話が大分それました。
さ、お参りしましょ。
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それにしてもこの場所、気持ち良いです。
みどりが美しいうえに、川の流れる音が”祓”そのものという感じがします。
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連日の雨で水かさが増した川、
足元に注意しながら近づくと、そこにいるだけで穢れが落ちそうな、そんな気がしました。
あぁ、いいな。
水の流れって、いつまででも見ていられる。
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よし、これでなんとなくスッキリ。
また雨が降り出さないうちに帰ろうかな。
と思っていたのですが、秋宮へ戻る途中ちょっと気になるお寺をみつけまして。
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寄ろうかな?どうしようかな?
「慈雲寺」と書かれた石碑を見上げながら逡巡していると、たったいま階段を下りてきたおじさんに声をかけられました。
この上にあるお寺、いいですよ。
苔もきれいで。
どうぞ行ってみて。
苔がきれい?!
それを聞いたらもう行くしかない。
おじさん、教えてくれてありがとうございます。
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しっとり雨に濡れた苔はより鮮やかに映え、その風情に気分よく見入っていたところ、、
蚊にさされました。
蚊はわたしの天敵です。
でも、それも仕方ないかと思えるくらい苔が美しいお寺でした。
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帰り道、伊那方面へ車を走らせると次第に雨足が強くなり、家に着くころにはザーザーと降っていました。
もしかして、待っててくれた?
まさかね。
夏越の祓の日の、下諏訪紀行でした。
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36.
春宮の 神楽の殿の 花菖蒲
梅雨も華やぐ 夏越のやしろ
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