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承認欲求は静かに人を狂わせる

今朝見た夢。

 あるアーティストのコンサートへ招待されて行った。
僕は少し関わりがあるという設定で、会場前からお邪魔し、リハーサルの風景から覗く事ができた。

 オーケストラを手がけたという、大物のアレンジャーさんを紹介される。
初老ながら、見た目は若くエネルギッシュ、といった印象。
ノッている人特有の 意識の「高さ」がビンビンに伝わってくる。


 話をしていると、どうやら自分のアレンジに対して欠員が出たらしく、今回はそのパートを外して行われるとの事。

「あとでインタビューがあるけど、フルートが入っていないから私の中では50点。完成じゃないし、正直答えたくないんだよね」

彼は続ける。

「…だけど、与えられた環境で最高の仕事を黙ってこなすのがプロだし、その事がバレてもダメ。なに食わぬ顔してアーティストのバックで指揮をこなすのが私の流儀。ナイショだよ!」

そう言って片目をつぶり、ニコッと微笑む。

僕も、彼の意気に心を動かされ、固くうなづいた。


 開演となったので客席へ。

 招待席から盛り上がる会場を眺めつつ Twitter を何気なく開くと、その人のアカウントで舞台袖で自撮りをしたであろう新規投稿が目に入った。

「フルートがいなくて大変ですが、今から公演がんばります!」

…めっちゃ言ってるやん。

***

ここで目が覚めた。


 学生どうしのマラソンで「一緒にゴールしようね」と言う側ほど、言われた方の気持ちはどこへやら、先に走ってゴールしてしまう。

 オフラインでは人の愚痴を散々語りながら共犯意識を植えつけておき、いざ SNS を覗いたら「いいね」欲しさにその人の事を褒めているような書き込みを見る事も良くある。

 相手側のコンプライアンスルールを遵守してると、相手があっさりそのルールを無視して置いてけぼりにされる構図は、往々にして "承認欲求の魔がさす" ことで展開される。

 人が誰しも持つこの承認欲求の魔力と「静かな暴走」を、極端にデフォルメされた夢の中で少しでも覗き見ることができて、なんか有意義だった。

今日はこんなところで。

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