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子供の可能性を拡げるために私ができること。

先日、杉並公会堂で開催された日本フィルハーモニー交響楽団の春休み企画演奏会に息子と一緒に行ってきました。

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テーマは「子供達に最高の音楽体験」を。本格的なオーケストラ・コンサートはもちろんのこと、トランペットやバイオリンなどの楽器体験、「音楽図鑑」と題した様々な楽器の音色を堪能できるソロ・リレーコンサート、そして普段見ることができない杉並公会堂の裏側を行くバックステージツアーなど、内容盛りだくさん!0歳から家族みんなで楽しめる音楽祭のような企画です。

もともと、私自身が吹奏楽をずっとやっていて音楽がとにかく大好きなのと4歳の息子も普段から歌ったり踊ったりと、やっぱり音楽が好きそうなので「これは行くしかない!」と思い、すぐにチケットを手配しました。ちなみに吹奏楽部は中学生から。最初はバストロンボーン(低音域が出るトロンボーン)、その後に歯の矯正をすることになり、当時歯科医から「フルートなら大丈夫」と言われて(今思えば謎…)、今日までフルートとピッコロを担当。今、楽器はお休み中ですが、出来ればまた再開したい。地元で吹奏楽部が強かった学校があって、その一員になるんだと強く憧れて高校の入試先を決めたくらい楽器が、吹奏楽が大好き。もう本当に吹奏楽ヲタクだったし、吹奏楽は私の青春そのもの。吹奏楽との出会い、そこからの経験や色んな人との出会いが今の私の原形をつくってくれました。

さて、コンサートの前に私たちが最初に参加したのは楽器体験コーナー。管楽器から弦楽器までたくさんの楽器があって、どの楽器も長蛇の列。教えてくれるのは若くて優秀な現役の音大生たちです。

そんな中、私たちが体験したのは…

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テューバ。音出ました!すごいじゃん!

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オーボエ。微妙…。音出なくて悔しがる。

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フルート。あ、リッププレート食べちゃった!

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教えてくれたおねいさんが可愛くて…

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ご満悦♡

私も昔取った杵柄、ということで吹かせて貰いました。お、音出た(よかった♡)。
「お母さん、結構吹けますね…!経験者さん?」の言葉に気を良くします。

ちなみに体験用の楽器は不特定多数の方が吹くため、楽器にしては割と安価な4〜5万程度のもの。音も軽めで、低音は正直響きません。

楽器を始める方は、メーカーや素材によっても音色に特徴があったりするので、好みやその人の特性によってきちんと選ぶのが重要です。ちなみに余談ですが、私のフルートは「アルタス」というメーカーのもの。長野県安曇野市でひとつひとつハンドメイドで作られています。マニアックですが、リングキイ、足はH管です。ピッコロは「ハンミッヒ」というドイツのメーカーのもの。230年以上に亘る楽器製作の歴史を持つ、フルート、ピッコロの超有名老舗メーカーのひとつです。ドイツらしい?いぶし銀な音色が特徴。音の幅も広く厚みもあるので気に入っています。どちらもキラキラ華やかな音色というよりも、重厚感のある深みのある音色。楽器を探されている方は、ぜひそんなメーカー毎の性格の違いも感じながら、自分の一本を選ばれることをお勧めします。更にどちらもハンドメイドのメーカーならでは、同じメーカーでも一本一本微妙に音色や音の出しやすさが異なります。楽器にもひとつひとつ性格があるんですね。選択肢があるならば、ぜひ根気良くたくさん試奏してみてください。

…と、楽器のことをはなし始めると終わらなくなりそうなので、楽器についてはこの辺りで…。

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お次はバイオリン。これがなかなか筋がいい。
私もトライ。わー、これは真っ直ぐな音を一定に保つのが難しい。P P (ピアニシモ:とても弱く)でのロングトーンは腕がつりそう…。
バイオリニストってすごいなぁ、葉加瀬太郎すごいなぁ…!笑

そして、やっぱり吹けなかったのが悔しくて…



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オーボエ、リベンジ!

「ぽぁ〜ん」と何となく音が出ました。
よかったね。負けず嫌いは母親譲りだね…。

そのあとは、バックステージツアーへ。
前述の通り、吹奏楽部だった私は自分たちの演奏会やコンクールの出演のために年に何度もホールを利用。楽屋裏や舞台裏、袖は懐かしい場所でもあります。表も裏もある意味知り尽くしています。
でも、そのホールによって構造も舞台裏の様子も異なるので、やっぱり楽しかった。下から上まで隅々まで見せていただきました。
息子は調光室といって、ライティングを担当する方が普段いらっしゃる部屋で、実際にライトの点灯をさせていただくという貴重な体験。他の子供達も大興奮!ステージを裏側から支えるお仕事が身近に感じられる機会をいただきました。

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▲調光室。みんな真剣です。

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▲2階席からの風景。人によっては指揮者の表情や奏者の息遣いが感じられるので、こちらの席が好きな方も。

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さて、お分かりでしょうか…?
これだけコンサートの前にアクティブに動いていますから、彼が客席に着席してどうなったか。
ハイ、ご想像の通りです。
最初の一曲は聴いたかな?そのあとは心地よい夢の世界へ…。日フィルが子守唄、最高だね。

お陰で久々に私はゆっくりと音楽を味わうことができました。息子に感謝です。今回のコンサートは、音楽をお料理に見立てて、前菜から副菜、そしてメインディッシュ、最後にはデザートまで!とても素敵な構成でした。選曲バランスも素晴らしく、はじめは弦楽器のみ、管楽器が少しずつ増え、ヨハン・シュトラウスⅡ世の「狩り」には懐かしさで悶絶(高校時代に演奏した大好きな曲。アップテンポで色彩鮮やか!奏者も楽しい一曲)。合間も指揮者体験など子供達を飽きさせない選曲や工夫があって、家族で楽しめるコンサートでした。疲れて泣いちゃったり、飽きちゃったりしたら自由に出入りOK。オーケストラのコンサートは少し硬いイメージがあるけれど、こういう柔らかなスタイル、いいなと思いました。

また、息子には音楽を通じて色んな世界を見て知って貰えたらという想いがありました。楽器のこと、ホールのこと、音楽を支えるお仕事がたくさんあること…。音楽との出会いが私の世界を拡げてくれたように。彼が音楽をもっと好きになってくれたら、とても嬉しいけれど、むしろ色んなモノの見方や感じ方を音楽を通じて知って貰えたらというのが一緒に来たかった最大の理由でした。彼が何かに興味を持てる機会を作ったり、考えたり感じたりする幅を拡げてあげるのが親の役割なのかなぁとも思っています。どう見ても、彼は足が遅いし、運動は苦手なタイプなんだけれど(私に似て…)、本人は体を動かすのが本当に大好き。それを親だろうが誰だろうが本人以外の人間が制限することは、彼の可能性に蓋をするようなもの。だから、彼がこれから先も好きとか、何かこれおもしろい!と思うものにたくさん出会えるように、最大限サポートしたいといつも思っています。どう受け止めるかは本人次第。おもしろいと思えば深めていけばいいし、興味が湧かなければ辞めればいい。選ぶのは親ではなくて本人。親は選択肢をたくさん与えるだけ。私にとっては、音楽もそのひとつ。また、一緒に旅をするのもそのひとつ。いつか自分で自分の好きを見つけられるようになるまで、ある意味、親には選択肢の幅が無いとダメなのかも知れない。じゃないと「これ、やってみる?」と提示できない。大人は自分で好きを拡げられる。ならば、私自身がいつも好奇心を持って何か新たにチャレンジすることで彼に選択肢を常に与えられる親でありたい。いつか彼からも私が知らない世界のことを提案される日がくるかも知れなくて、それが今からちょっと楽しみだったりする。

オーケストラに限らず、JAZZやROCK…ジャンルレスで音楽が大好きな我が家。野外ROCKフェスも家族デビューしたし、オケも行った。やっぱり音楽はライブが良い。昨日、二子玉川ライズであったbirdとbonobosのフリーライブも気持ちよかったなぁ。青空に溶けていく音楽、グルーヴ感…。子供が走り回っていたり、その側では大人がお酒を飲みながら音を愉しむ姿があったり。最高。幸せ過ぎた。

さて、次はBLUE NOTE?billboard?
我が家の側には、やっぱりいつも音楽がある。