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ゆめが教えてくれたこと その5
空気の流れる寝室で、たくさんの呼吸を感じながら横たわる。
いつかの窮屈さはどこかへいってしまっていた。
今夜はまん丸お月様がいてくれるので、部屋の電気はお休みしている。
“私たちのこと分かる?”
実家に帰ったら歓迎されると思っていたが、そうでもなかった。
親に直接は言われないけど、同じ空間にいてもいい気分ではない。
でも、1人で暮らしていたらあの時のなんとも言えない感覚を思い出して、本当に病気
ゆめが教えてくれたこと その4
リビングで外を眺めながらさっき入れたばかりの紅茶を一口。
ホッと一息つく昼下がりだ。
庭の植木たちが太陽の光を浴びてツヤツヤと光っている。
“私たちの声、聞こえてる?”
うん…
今日もまただ…
私は大学を卒業して教員になった。
実家から離れた場所に勤務が決まり、一人暮らしを始めることになった。
ひっそりこっそり育てていた多肉はもちろん相棒として持って行くからね…。
仕事が始まると日々の目ま
ゆめが教えてくれたこと その3
今夜は心なしかゆっくりとした呼吸で横になっている。
窓越しにはオムレツのような月。
窓辺につれてきたシロツメクサが一緒に月を眺めてくれている。
締め切った部屋なのに不思議とスーッと風が通ってゆくような感じがする。
“私たちの声、聞こえてる?”
あ…
あれからというもの自分の部屋で草花を愛でることはあっても、人前で草花の話をすることはめっきりなくなった。
私は教室で何をしたらいいかを探し求める
ゆめが教えてくれたこと その2
庭を見ながらぼーっとする昼寝時。
時々聞こえる車のエンジン音にはっとして振り返る。
さっきお昼ご飯を食べたばかりで身体は満たされている。
お外でランチもいいけど自分で作ったごはんが一番安心するの。
“さぁ、お昼寝タイムだね”と言わんばかりの太陽のぬくもりについついうとうとしている。
足先の細胞から眠りにつく感覚。机と頭の距離がぐっと近づく。
あぁ、頭の細胞までもが眠りについていく。
“私たちの声
ゆめが教えてくれたこと その1
息が詰まりそうな寝室にダブルベッドが寂しげに1つおかれている。
私はそのベッドの上で窮屈さを感じながら外を眺めてうとうとしていた。
今夜は新月なので、星がきれいに見える。
あぁ、瞼がおちて現実と夢の境目がわからなくなってきた。
眠りについたのだろうか。遠くの方で声がしている。
“私たちの声をきいて”
ふと、草花の声が聞こえていたことを思い出した。
小学校低学年頃だっただろうか。
草花に話しか