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「何を信じてもらわなければいけないのか」を明確にする

生活指導において、子どもたちに「落ちる」話をしたいですよね。
例えば、「授業中の私語」について指導しなければならないと感じたとき。あなたなら、どう指導しますか?

1.怖い声、怖い顔で「私語はやめなさい」とドスを利かせる(笑)
2.私語をしてはいけない理由を簡単に言って注意する
3.1時間説教する

色々と手はありそうですが、これ、どれもいまいちです。
特に1番ですね。
まぁ…私もよくやりました(笑)
最も即効性があって、効率的。

ですが、やっぱりそれでは子どもの腹に落ちたとはいいません。
注意されなければやり続けます。それではいけません。
最小の働きかけで最大の効果が発揮されることを目指す。
すると、教師の負担が減ってよりいろんなことに指導の時間や労力を割けるというわけです。

ひいては、教員の働き方改革! というわけです。

具体的な方法とは?


具体的な方法とは、子どもに何かを指導するときには、子どもに「何を信じてもらわなければならないのか」を明確にすることです。

注意し改善してほしいことは、「授業中の私語をなくすこと」です。
では、この私語をなくすためには、子どもたちは何を信じれもらわなければならないのでしょうか。

「私語をやってはだめ」ということでしょうか。
それでは思考停止です。
どうして私語をしてはいけないのでしょうか。
そこが教師の腹に落ちていないと、子どもに語ることはできないのです。

授業中の私語がだめな理由は?

いくつか理由が考えられます。
・授業中の私語は、周りの人が聞きたい話が聞けず、集中力が削がれてしまうから。
・授業中の私語は、自分自身の学力を下げるから。
・授業中の私語は、周りに伝染していくから。

などです。

一番大きな理由は、やっぱり周りへの影響ですね。


私語をするあなたはいいかもしれないけど、周りの人は迷惑をする。
だから私語をしてはいけないのです。

もし、上記のように子どもに伝えたとして、腹に落ちるでしょうか?
実は、これだけでは50点なんです。
どうしてしてはいけないのかを短く語ることは大切ですが、これではまだ説得力に欠ける。では、どうすればもっと子どもの心に響き、腹に落ちる語りとなるでしょうか。

色々と手はありそうですが、私がおすすめするのは「たとえ話」です。
たとえ話がうまく使える先生は、「話が上手」です。

例えば…

最近、私語が目立ちます。
授業中の私語はやめてほしいと先生は考えています。
例えば、誰か一人が私語をして、友達と授業中話したとします。
その内容は、今日帰ってから一緒に遊ぼう、という内容でした。
その内容は授業とは関係ないですよね。
その話が聞こえてくる周りの子は、最初迷惑をしていました。
ですが、その二人の私語は続きます。
私語は広がります。
「授業中私語をしてもいいんだ」という雰囲気になっていくと
どんどん授業中の私語が増えていきます。
結果として、先生や友達が話していることを
聞かずに私語やよそ事ばかりする人が増えてしまいました。
当然、授業の内容はみんな分からなくなり
成績がどんどん下がっていきました。
さらに、ルールやけじめがなくなり、よくない行動をする人も増えました。
その人を注意する雰囲気もなく、
どんどん悪循環に陥っていきました。
みなさんは、こうなりたいですか?
はじめは、ただの私語でした。
ですが、その私語を止めていかないと、どんどん集団での学力が下がり、みんなが不幸になります。
それでもいいですか?
小さな私語ですが、そこから始まってどんどんみんなが不幸になっていくことを、先生は見過ごすわけにはいきません。だから、皆さんは私語をしないで授業に真剣に取り組んでほしいと思っています。


こう話すとどうでしょうか。
かなり説得力があるのではないでしょうか。

このたとえ話で子どもに信じてほしいことは、「私語を放っておくとどんどん良くない状態に陥る。それはみんなを不幸にする。だから、小さな私語もしないよう努力しよう」ということです。

ただ、「私語をやめてください」と注意するより、説得力があるのはおわかりいただけると思います。

このたとえ話は、本当ではなくていいのです。
なにせ、例えですから。

でも、例え話は強力です。
本当に起こったらこうなる…という未来を子どもたちに見せることができます。

デメリットは、話が長くなること

この方法にもデメリットがあります。それは、どうしても「話が長くなること」です。
たとえ話もうまく使わないと単なる横道にそれる話にしかならず、子どもの印象として「先生の話は長いなぁ」になりかねない。

ここは注意しましょう。
なるべくコンパクトに、でも効果的にたとえ話を使いましょう。

子どもの行動を変容させる方法はたくさんあります。
当然、単なる短い注意だけでもいい場面はたくさんあるでしょう。

ただ、その単純な注意だけでは効果的ではないこともあります。
そこで、長期的視点に立って、どうして私語はいけないのかをしっかり時間を取って話すのはよいことだと考えます。

授業中というより、朝の会や帰りの会、ちょっとした帯の時間を使って話してみてはいかがでしょうか。

ぜひ、皆さんの指導力向上のために何か気づきがあればと思い投稿しました。まずは身近な人に、「たとえ話を使って、何をわかってほしいかを伝える」ということをやってみてください。


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